ケーススタディとは過去の事例から学ぶこと
ケーススタディとは具体的事例を分析し、一般的な原理を導き出す手法です。ビジネスでは新入社員の研修などで行われることが多く、医療や看護、教育の分野でも活用されています。
ケーススタディは問題解決に向けた能力や洞察力が養えるなど、得られるメリットは少なくありません。ケーススタディの内容についてご紹介します。
問題解決の力を養える
ケーススタディでは、ただ理論を勉強するだけでは得難い問題解決の力が養えます。問題解決の力は実際の現場でも培うことができますが、経験できる内容は環境によりさまざまです。誰もが同じように、解決能力を養える環境に恵まれているとは限りません。
ケーススタディを利用すれば実際には経験できない事例についても学習でき、効率的にビジネススキルを高めることが可能です。不測の事態が起きたときも、適切に対応できるようになるでしょう。
また、ケーススタディは問題を解決する能力だけでなく、解決に至る過程で分析力や論理的思考力、洞察力なども学ぶことができます。
ケーススタディ3つの場面
ケーススタディが行われるのはビジネスのほか、医療や看護、教育の場面です。ビジネスの場面では実際に起こりやすい現場のケースを事例にして学習し、対処法などを議論します。
医療や看護では、症例に対するケーススタディが行われるのが通常です。教育現場では、教員と管理職の双方にケーススタディが行われます。それぞれについて、具体的に見ていきましょう。
1.ビジネスにおけるケーススタディ
ビジネスにおけるケーススタディは、主に新人研修やリーダー・管理職の研修で行われます。まだ実務経験が浅い新入社員は、実際の事例を学んで対応力を身につけることができるでしょう。
新しくリーダーや管理職に就いた際は、ケーススタディにより直面する問題に対する解決能力を養うなどが可能です。
リスクを回避し解決を早めるためのアイデアを出す能力など、ビジネスにおいて必要とされる能力を養うことができます。
2.医療や看護におけるケーススタディ
医療や看護の現場では、医師や看護師などが集まり、実際の症例に対してケーススタディを行うことが少なくありません。同じ治療をした患者でも回復が異なるのはなぜかなど、複数の症例を比較するケーススタディが行われます。
実際の事例を学ぶことで、患者ごとに適切な対応ができる能力を養うことが可能です。
看護では、テーマごとに実際の症例に対する仮説を立て、検証をするケーススタディが行われます。患者のニーズを的確に把握し、ケアする能力を養うことが目的です。
3.教育におけるケーススタディ
教育現場では、教職員と管理職に対するケーススタディが行われます。教員に対して行うのは、授業や生徒への指導について実際の事例から学び、適切な対応力を身につける方法です。
管理職におけるケーススタディでは、学内で起きたトラブルや事故などへの対応や解決方法、再発防止に向けた対策などを具体的な事例を通して学びます。
ケーススタディ3つの方法
ケーススタディには、3つの方法があります。事例が定められていない場合は、まず事例を決めて問題を作ることから始めましょう。事例が決まったら、分析して問題を明らかにします。問題から解決法を導き、出された結論に対して議論を行うという流れです。
ここでは、ケーススタディを実際に行う3つの方法についてご紹介します。
1.事例を決めて問題を作る
研修などでケーススタディを受ける場合はすでに事例が用意されていますが、自分で行う場合は事例を決めることから始めます。
会社で起こった実際の事例や関連書籍、ネット検索などで探しましょう。偏らないようさまざまな事例を見つけだすことが、より多くの問題を解決できる能力を養うコツです。集めた事例は内容ごとにまとめておくと、あとから探しやすくなります。