「仮初め」とは一時的あるいは短時間を指す言葉
「仮初め(かりそめ)」とは、一時的なこと、あるいは短時間を指す言葉です。口語で日常的に使われる言葉というよりは、小説など、文字で見ることが多いかもしれません。
例えば次のように使うときは、一時的の意味だと考えられるでしょう。
・夜中まで働く自分の姿は【仮初め】のものだと思っている。
・【仮初め】の暮らしを続けるのに疲れてきた。
また、次のように使用するときは、短時間の意味で使っていると考えられます。
・彼女は【仮初め】にここにいたが、すぐに別の家へと移っていった。
・雨が振ってきた。【仮初め】に雨宿りした軒先は、偶然にも彼女の姉の家だった。
【仮初め/苟且】かりそめ
1.一時的なこと。また、そのさま。「―の恋」
2.ちょっとしたこと。ふとしたこと。また、そのさま。「―の病」
3.いいかげんなこと。また、そのさま。「師の恩を―にしてはいけない」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「些細なこと」の意味でも用いる
仮初めという言葉は、些細(ささい)なことの意味でも用います。例えば次のように使うことができるでしょう。
・【仮初め】の思いつきで、一度も訪れたことがない街に出かけてみた。思わぬあんみつの名店を見つけて、嬉しくなった。
・来月旅の予定があったので、【仮初め】の病で本当によかった。
「いい加減」の意味で用いることもある
「仮初め」という言葉は、いい加減であるという意味でも用います。例えば次のように使うことができるでしょう。
・先生がしっかりと教えてくれたのに、理解していないなんて。【仮初め】に聞いていたんじゃないの?
・【仮初め】の気持ちで彼女に思わせぶりな言葉をかけた。しかし、彼女は本気にしてしまい、その後長らく後悔することになった。
打消しの言葉と一緒に用いると「強意」
「仮初め」という言葉と打消しの言葉を一緒に使うと、打消しを強める意味合いがあります。例えば次のように使ったとしましょう。
・私は彼のことを【仮初め】にも知らない。
単に「彼のことを知らない」というのではなく、「仮初めにも知らない」と表現することで、彼についてまったく知らないということを示すことができます。そのほかにも次のように使えるでしょう。
・そんなことは、【仮初め】にも思ってはいけない。
・【仮初め】にも好きだとは思ったことがない。単に彼女は知り合いだ。
「仮初め」の類語と対義語を例文を使ってご紹介
「仮初め」と似たような意味の言葉には、次のものがあります。
・須臾(しゅゆ)
・泡沫(うたかた)
・有為転変(ういてんぺん)
それぞれどのように使われるのか、例文を用いて紹介します。また「仮初め」とは反対の意味の言葉として次のものを挙げられるでしょう。
・ひねもす
こちらもどのような意味で使うことができるのか、具体的な例文を挙げながら解説します。