「合点」の読み方や意味、例文などを解説
「合点」は肯定的な返事をする際に用いられる二字熟語です。2つの読み方があり、前後の文章に応じて「がてん」や「がってん」と読み方が変化します。
特に「合点(がてん)」は納得すること、「合点(がってん)」は承知することというニュアンスがありますが、近頃は区別せずに使われることが多いです。「合点」の読み方がわかったところで、次項からは意味や例文、類義語について解説します。
「合点」は「納得」を意味する言葉
まずは「合点」の意味を辞書で確認してみましょう。辞書では「合点(がてん)」と「合点(がってん)」に分けて説明されています。
【合点:がてん】
[名](スル)《「がってん」の音変化》
承知すること。事情などがわかること。納得。「ひとり合点」
「一向に—仕らず」〈芥川・尾形了斎覚え書〉【合点:がってん】
[名](スル)
1.同意すること。うなずくこと。承知。がてん。「おっと合点」
「頸くびに力を入れ、しっかり—しつつ」〈宮本・伸子〉
2.理解すること。納得すること。得心。がてん。「一向に合点がいかない」
3.和歌・連歌・俳諧などを批評して、そのよいと思うものの肩につける「〽」「○」「・」などの印。また、その印をつけること。
4.回状などを見終わり了承の意を表すために、自分の名前の肩に印をつけること。
5.考え。心づもり。所存。「ただ今より真人間になって孝行尽くす—なれども」〈浄・油地獄〉
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
辞書での説明のとおり、「合点」は納得することや承知することを表す言葉で、読み方は違っても意味は同じです。意見や言い分を投げかけられた際に、「わかった」と受け入れる表現として用いられます。また、承知して頷くことや、事情がわかっていることという意味ももちます。
「合点」の使い方と例文
「合点」は、相手の意見や言い分に対して合意・理解を示す際に使うのが基本です。または、自分自身の心がけについて述べる際に使うこともあります。
「合点」の表現
なお「合点」は単体で使う以外に、さまざまな表現を付け加えることが多いです。例えば以下のような表現が挙げられます。
・合点承知
・早合点
・ガテン系
「合点承知」は、納得することを表す「合点」と「承知」を組み合わせて意味を強調した表現です。江戸っ子言葉の一つで、「任せておけ」というニュアンスをもちます。似ている言葉に「合点承知の助」がありますが、こちらは響きを人名に寄せたもので、意味に違いはありません。
「早合点」は早とちりに似ている言葉で、理解したつもりでいたものの実際には間違っていたことを表します。ガテン系は土木建築などに携わる人を表す言葉です。
「合点」の例文
「合点」のさまざまな使い方を理解したら、おさらいとして「合点」の例文を確認しておきましょう。
・彼との約束は【合点承知】した。
・今後は考えを改め、社会のために尽力する【合点】です。
・彼と彼女が交際していると【早合点】していたようだ。
「合点」の類義語は「腑に落ちる」など
「合点」には以下のような類義語があります。
・心得る
・認識する
・承認する
・腑に落ちる
・腹落ちする
・目から鱗(うろこ)が落ちる
「心得る」は、物事の事情や意味を理解することを表します。「認識する」は、より物事の本質や意義にフォーカスして理解することです。「承認する」は少し意味が異なり、正当であること、事実であることを認める場面や、申し出などを聞き入れる場面で用いられます。
「腑に落ちる」や「腹に落ちる」は、納得できることを表す慣用句です。「目から鱗が落ちる」とは、あるきっかけによって、急に物事の実態がわかるようになることを指します。
「合点がいく」と使うのが一般的
ここまでにご紹介した表現以外に、「合点」は「合点がいく」という形で用いられることも多いです。理解したと伝える場面で使えますが、使用する際には知っておくべき注意点もあります。
次項からは、「合点がいく」の意味や語源、関連する表現などをまとめていきます。よく用いられる言い回しのため、適切に使えるように意味などを理解しておきましょう。