「合点がいく」の意味は「理解する」
まずは、「合点がいく」が辞書でどのように説明されているかを見ていきます。
【合点がいく:がてんがいく】
理解できる。納得がいく。「どう説明されても—・かない」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「合点がいく」は、「理解できるようになること」「承知すること」を意味する言葉です。「合点がいく」を使うと、ある物事についてわかるようになったり、納得がいったりしたことを表現できます。ニュアンスとしては、理屈や筋が通っている状態や、散らばっていた事柄がつながった状態などを指します。
「合点がいく」の語源は和歌に用いられた符号
そもそも「合点」は「鉤点(かぎてん)」、または「庵点(いおりてん)」に由来する言葉です。「鉤点」は和歌を批評する際に用いられていた符号のことで、素晴らしい作品の頭には「鉤点」を付けることとなっていました。
「鉤点」を付けることは「点が合う」ともいい、のちに変体漢文として「合点」と書くようになったことが、「合点」の語源とされています。また、「重なる・合う」などの意味が転じたことにより、「合点がいく」という表現が広まったと考えられています。
「合点がいく」の使い方と注意点
「合点がいく」を使えるのは、これまで散らばっていた情報がまとまり、理解できるようになった場面などです。または、「〜ない」を付け加えて否定の形を作り、「納得できない」「理解できない」と述べる際にも使えます。
「合点がいく」の具体的な使い方を例文で見てみましょう。
・なるほど、【合点がいきました】。
・多くの超常現象が地球外生命体の仕業と考えると【合点がいく】。
・なぜこのような結果に至ったのか【合点がいかない】。
なお、理解が中途半端な状態のときは「合点がいく」を使えません。すべてを理解しきっていない場合には適さないため、使い方を間違えないように注意しましょう。
「合点がいく」の敬語・類義語・対義語
「合点がいく」を敬語表現として使う際は、動詞の「いく」を変化させます。例えば、「合点がいきます」「合点がいきました」と言うと、納得したことを伝える際に敬意を込められます。
「合点がいく」の類義語は、「承知する」「了解する」「心得る」などです。「合点がつく」も響きが似ていますが、日本語としては間違った表現であり、「合点がいく」の類義語とはいえません。
なお、「合点がいく」の対義語には「誤解」「勘違い」などが挙げられます。
【目次】
まとめ
「がてん」「がってん」と読む合点は、理解や納得を示す際に使える二字熟語です。和歌を批評する際に使われていた鉤点(かぎてん)が語源とされています。
単体でも使えますが、「合点がいく」や「合点承知」のように、後ろに言葉を付け加えて用いることが多いです。「合点」の正しい意味や読み方、「合点」を使った言い回しなどを理解して、会話の中で使ってみてください。
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