読めたらすごい!「海鼠」の読み方とは?
海の鼠(ねずみ)と書く動物の名前、正しい読み方をご存じでしょうか?
まずは、辞書ではどのように説明されているのかを見てみましょう。
【海鼠:なまこ】
ナマコ綱の棘皮 (きょくひ) 動物の総称。すべて海産。体は円筒形で前後に細長く、前端に口と触手、後端に肛門があり、皮膚の中に小さな骨片が散在。種類が多く、マナマコは生食のほか、海参 (いりこ) ・海鼠腸 (このわた) に加工する。《季 冬》「尾頭のこころもとなき―哉/去来」
製錬した鉄・銅・鉛などを鋳型に流し込んだもの。
「海鼠板」「海鼠壁」「海鼠絞り」などの略。
(引用すべて〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「海鼠」の読み方、正解は「なまこ」でした!なぜ鼠という漢字が使われているのかは、「海鼠」の見た目などが関係しています。ここでは、「海鼠」の漢字の成り立ちや名前の由来について解説します。
「海鼠」の読み方と漢字の成り立ち
上述のとおり、「海鼠」はなまこと読む漢字です。海生動物の「海鼠」になぜ鼠という漢字が当てられたのかというと、その理由は「海鼠」の見た目に由来します。
「海鼠」は夜に活動する生物であり、夜になると鼠のように這い回る姿が特徴的です。また、「海鼠」の後ろ姿が鼠に似ていると考えられたことも、鼠という漢字が使われるようになったとされる理由です。
「海鼠」の名前の由来
なまこという名前が付けられた由来は諸説あります。有力とされるのは、元々は「海鼠」と書いて「こ」と読んでいたものの、あとから「なま」を付け足したという説です。ミミズ系の動物を「こ」と呼び始めたことから、生で食べるものをなまこ、家の中で飼育するものを「蚕・飼い子(かいこ)」と名付けて区別したとされています。
または、なまこを茹でて乾燥させたものを「煎りこ」と呼ぶことから、生食として区別するためになまを付けたという説も。そのほかには、なまこの特徴である再生能力の高さに由来し、生き返るという意味で生きるという漢字を付け加えたという説もあります。
アメリカやイギリス、ドイツでは「海のきゅうり」と呼ばれますが、これはなまこの体にイボの形をした突起があることが由来です。北欧では「海のソーセージ」、フランスでは「海の長虫」など、国によって特徴的な名前が付けられています。
「海鼠」の生態について
「海鼠」の読み方に加えて生態も知っておくと、「海鼠」に関する理解がさらに深まるでしょう。「海鼠」はさまざまな種類に分かれる生物で、日本に生息するのはその中でもほんの一部です。
海中のプランクトンを食べますが、プランクトンが見つからないときには自身の体を使って特徴的な動きを見せることも。そのほか、体の90%以上が水でできているなど興味深い特徴をもっています。「海鼠」の生態について詳しく見ていきましょう。
「海鼠」の種類や生息地
「海鼠」は棘皮動物に含まれる生物で、ウニやヒトデの仲間です。日本では体長20cm〜30cm・太さ5cm〜6cmの「海鼠」が見られ、年間6,000トンほどが水揚げされます。
「海鼠」の種類は1,500種にも上りますが、日本に生息するのはそのなかでも200種ほどです。体の色によって3つに分類され、生息地は主に2つに分かれます。
・アカコ(赤ナマコ)
・アオコ(青ナマコ)
・クロコ(黒ナマコ)
赤ナマコが生息するのは外海の岩場で、青ナマコや黒ナマコは内湾の砂泥を住処とします。