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LIFESTYLE インタビュー

2022.01.23

「舞台だけでなく新たなフィールドにも挑戦したい」【華 優希さんスペシャルインタビューvol.2】

 

宝塚歌劇団花組のトップ娘役を務めた華 優希さんが、芸能活動を本格的に開始。今回は、今後やってみたい役や役の深め方などについてうかがいます。「初めて話す!」という恋愛についてのお話も。

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これからの仕事こと、恋愛のこと、結婚のこと。華ちゃんの心を丸裸に!?

昨年7月に宝塚歌劇団を退団し、その後ミュージカル『マドモアゼル モーツァルト』に出演。先日、事務所に所属して芸能活動を本格化することを発表した、元花組トップ娘役の華 優希さんのインタビュー第2弾をお届け。在団中には絶対に聞けなかった、28歳のひとりの女性としての恋愛観や結婚についてまで、赤裸々に語っていただきました。

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徹底的に資料を読み込み、作品の舞台となった地へ赴く。役作りへの深いこだわり

タカラヅカ在団中より、心に響く演技に定評のあった華ちゃん。トップ娘役になってからの大劇場公演(芝居作品)は、『A Fairy Tale−青い薔薇の精−』『はいからさんが通る』『アウグストゥス-尊厳ある者-』。芝居へのこだわりや追求が、かなり深かったように感じます。どのように作品と向き合ってきたのでしょうか。

「上演する作品が決まったら、そのベースを徹底的に調べます。『はいからさんが通る』のようにマンガ原作があればとにかく読み解き、その時代背景と重なるような映画や映像作品を観て、大切な人が戦争に行って帰ってこなかった気持ちを、簡単にですが自分の中に入れたり。『マドモアゼル モーツァルト』のときは、実在したコンスタンツェについての資料をあさったり、当時のウィーンの生活や風俗について調べました。

今はなかなか難しいですが、できるだけ作品の舞台となった場所に足を運んでいました。『MESSIAH(メサイア)−異聞・天草四郎−』(2018年花組大劇場公演)のときは熊本の天草・島原地方に行ったり、『CASANOVA』(2019年花組大劇場公演)のときはイタリアのヴェネツィアへ、『あかねさす紫の花』(2018年花組博多座公演)のときは奈良へと。その場の空気を実際に肌で感じ、舞台に立ったときにその感覚をまとわせるようにしたいと思っています。

映画やマンガ、本はエンターテイメントとしても楽しめますし、自分の中に知識として貯めておいて次に何かあったときにパッと取り出せるようにストックしておきたいです。なので、ジャンルにとらわれずもっとたくさんのものに触れていきたいですね」

「みなさんもやられていることだと思うのですが、私はすぐに役を掴めるタイプではないので」と華ちゃん。それにしても1公演ごとの資料は膨大な量になりそう…。マンガは電子に切り替えたものの、本は実際のものの方が頭に入ってきやすいと言います。

「宝塚の前の部屋には本棚が4つあって、全部パンパンでした。処分しないと新居に入らないし…、今まさに頭を抱えています(笑)」。

タカラヅカ時代の華さんの当たり役に『はいからさんが通る』の花村紅緒を挙げる人が多いと思いますが、私が衝撃を受けたのは『A Fairy Tale−青い薔薇の精−』のシャーロットです。少女期から年老いた頃まで、ひとりの女性のほぼ一生を演じた振り幅と、その完成度の高さに感動しかありませんでした。

「自分から離れた年齢や立場の役は、説得力を出すのが本当に難しいです。シャーロットのおばあさん時代は、声も研究しました。実際にお年を召した方の声ではなく、若い声優さんがどうやってしわがれた声を出しているのかなと。しぐさは、タカラヅカでおばあさん役を務めていらした方の映像を何度も観ました。しぐさだけでなく表情の作り方や話すテンポなど、同じタカラジェンヌなのにここまで本物のように近づけることができるなんて…と本当に勉強になりました」。

タカラヅカでは子役や女ギャングの役などさまざまな役を演じてきたけれど、以外にも大人っぽい役には縁がなかったそう。

「おてんば系の女の子の役が多かったんです。いちばん大人っぽい役が退団公演の『アウグストゥス』のポンペイアですが、とはいえ少女でしたので。悪い役やセクシーな役、二面性があったりちょっとアクが強い女性なども演じてみたいです。あと、着物を着て演じる明治や大正の頃の作品に興味がありますね」。

自分の中にあるネガティブな感情を受け止めて芝居にも生かしていけたら

タカラヅカの世界を飛び出し、これからは舞台だけでなく映像作品にも挑戦したいという華ちゃんですが、やはり新しい世界に足を踏み入れることへの怖さや戸惑いもあるようです。

「タカラヅカでは稽古期間が約1か月あったので、役を深く掘り下げられたし、演出家の先生や相手役さんとコミュニケーションをとりながら作品作りを進めてきましたが、映像作品はまったく違うアプローチの仕方なんだろうなと正直心配なことが多いです。演技力だけでなく、瞬発力や応用力がさらに大きな割合を占めてくるんだろうなとか…。舞台は空間が広いからひとつひとつの動きを大きくしないと映えないですが、逆にリアルに感じられないこともあるじゃないですか。その違いもきっと今後の課題になってくるのではと思っています」。

夢の世界に導くタカラジェンヌから、ひとりの表現者としてこれからはよりリアルで自然な演技が試される世界へ。『マドモアゼル モーツァルト』のときも娘役しぐさが出てしまい、指摘されて初めて、それがクセになっているのだと気づいたのだとか。気持ちの面でも気づかされることが多かったそう。

「タカラヅカは夢の世界だから、自分の醜くて汚い部分を見せるのはご法度だと思っていました。怒りや苛立ちなどネガティブな感情を全部消していたので、自分でもそんな気持ちを持っているかわからなくなっていて。でもそういう感情は誰しもが絶対に持っているはずだし、芝居にも必要なものだと思えるように変わってきました。自分の中にある生々しい感情をきちんと受け止めて、それを生かしながら人に伝えられるようになりたいです」。

タカラジェンヌはプロの最たるもの、と私は感じています。普段の生活から“カッコいい男役”“誰からも愛される娘役”というフィルターを貼っていなければならないでしょう。「疲れた」とか「しんどい」という、生きていれば当たり前の感情を周りに見せることなく。

「そうですね、そういうことを“私にはないもの”として扱っていました。感情をなんでもかんでもぶつけたらいいというわけではなく、『私はなんでもいいよ』みたいなスタンスを改めて、自分が嫌だと思ったことを正直に伝えたり、こうしたいという主張をしてもいいのかなと考えるようになりました」。

宝塚歌劇団という枠を超えて広がるこれからの道で、演じること以外にやってみたいことも聞いてみました。

「自分で“これがやりたい”というのがわからない、だからなんでも挑戦してみたい。あ、歌の勉強は今でもずっと続けているので、歌いたいです! 小学校3年生の頃からピアノを習っていてモーツァルトの曲も弾いていたから、『マドモアゼル モーツァルト』でもハッとすることがありました。歌で心を伝えられるようになれたらいいなと思っています」。

バラエティなどは…?と問いかけると、「絶対に向いていないだろうなというのは出なくてもわかります」、と苦笑いする華ちゃんでした。

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