【目次】
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「閑話休題」の意味や読み方とは?
まずは「閑話休題」を正しく使うために、意味や読み方をみていきましょう。
■読み方と意味
「閑話休題」は「かんわきゅうだい」と読み、主に書き言葉として文章などに用いる表現。意味は以下の通りです。
文章で余談をやめて、話を本題に戻すときに、接続詞的に用いる語。(<小学館 デジタル大辞泉>より)
■「閑話休題」の語源とは?
「閑話休題」は「閑話」と「休題」に分けることができます。それぞれの言葉の意味を詳しくみていきましょう。
・「閑話」
「暇なこと」「静かなこと」を表す「閑」という字には、「大切ではない」という意味も含まれます。そのことから「閑話」は、「雑談」や「むだばなし」という意味。
・「休題」
「休」には「休む」という意味の他、「やめる」という意味合いも含まれます。よって「休題」は「今まで話していた話題をやめる」ということを表します。
■「閑話休題」の由来
「閑話休題」の由来は中国、明の時代の長編小説、『水滸伝(すいこでん)』からです。その一文をみてみましょう。
しばらく閑話をとして休題し、ただし正話をいわんや。(『水滸伝』より)
この文は「雑談はここまでにして、本題ついて話しましょう」という意味。「閑話休題」の由来だとされています。
■「閑話休題」を使う時の注意点とは?
「閑話休題」は、間違った使い方をしている人も少なくありません。その多くは、「本題から脱線する」という意味で使われています。前述した通り、本来、「閑話休題」の意味は「余談から本題に戻ること」。そのため、話を脱線する際に「余談ですが…」「ちなみに…」という意味で、「閑話休題」とするのは間違った使い方になります。
「閑話休題」使い方を例文でチェック
「閑話休題」は、主に文頭で「閑話休題、〇〇」などのような使い方をします。では、使い方を例文でみていきましょう。
1:「さて閑話休題、先程の議題に戻りましょう」
「閑話休題」は「さておき」や「それは置いておいて」というニュアンスで用いる言葉。余談から本題へと話題を促したい時に接続詞として用います。
2:「閑話休題、新しいプロジェクトについての話です」
話のテーマを変えたい時にも、「閑話休題」を使うことができます。
3:「閑話休題、ここからが本題です」
このフレーズは「閑話休題」とすることで、今までの話題を区切り、「ここからが本題である」ということを強調する言い回しです。
「閑話休題」の類語や言い換え表現にはどのようなものがある?
「閑話休題」の他に、話を変えたい時に使う言葉をチェックしていきましょう。
1:「それはさておき」
漢字で書くと「其れは扨置き」。または「其れは扨措き」とも書きます。会話の中で用いる場合、「其れ(それ)」は先程まで話していた内容のこと。「さておき」は「一旦その事柄を外す」「それはひとまず置いておいておく」という意味。そのことから、「それはさておき」は「閑話休題」とほぼ同じ意味合いで使うことができます。
(例)それはさておき、来週の打ち合わせについてですが… 。
2:「兎にも角にも」
「とにもかくにも」と平仮名で表記されることも多い「兎にも角にも」。この「兎」と「角」という字は当て字なんです。意味は以下の通り。
それはさておき。いずれにしても。とにかく。(<小学館 デジタル大辞泉>より)
また「兎にも角にも」は「いろいろ」や「何かと」という意味が含まれますが、「とにかく」や「それは別にして」などの意味として、話題の変換に用いることができます。
(例)兎にも角にも、この件については再検討が必要だろう。
3:「あだしごとはさておき」
小説などの中で「閑話休題」と書いて「あだしごとはさておき」と読ませる場合があります。この「あだしごと」とは「関係のないこと」や「必要のないこと」という意味。「閑話休題」と同じ意味で話題の転換に用いる表現ですが、日常会話で使う機会はあまりないでしょう。
(例)あだしごとはさておき、費用の件についてご説明いたします。
「閑話休題」の対義語にはどのようなものがある?
「閑話休題」は、本題から話が脱線するときに、間違って使われることが多いことは前述しました。では反対に話を脱線させるときに用いる言葉をみていきましょう。
1:「余談ですが」
「余談」を辞書で調べてみると、以下のようにあります。
用件以外の件。本筋を離れた話。(<小学館 デジタル大辞泉>より)
つまり、「雑談」や「ついでに言う話」という意味です。そのことから、「余談ですが」は、本題から話が逸れる際に用いる表現。「あまり本件とは関係のない話ですが」というニュアンスで使い、本題に対して重要性や関連性が少ないことを伝えます。
(例)余談ですが、そのレストランはワインの種類がとても豊富なんです。
2:「ちなみに」
「ちなみに」は漢字で「因みに」と書き、「関連すること」や「つながりのあるもの」という意味。全く話が逸れるというよりは、本題に関連した事柄を補足したい時に使います。
主に会話の中で用いられる言葉ですが、敬語表現ではありません。目上の方など、使う相手によっては「蛇足ですが」や「付け加えますと」などと言い換える方が良いでしょう。
(例)ちなみに、こちらが先日弊社が発表した商品です。
3:「ついでに」
「ついでに」とは、「何かをする際に、そのタイミングを使って一緒に物事をおこなうこと」をいいます。会話の中では、「ついでながら」や「ついでに申しますと」などと、本筋の話に情報を付け足していう際に用いることが多いでしょう。
漢字表記は「序でに」。漢字で表現することは少ないですが、いざという時のために覚えておきたいですね。
(例)ついでに申しますと、私がおすすめするのはこちらの商品です。
「閑話休題」の英語表現とは?
「閑話休題」のように、話を本題へと促す際に用いる英語表現をチェックしていきます。
「now」
「now」は直訳すると「今」。文の冒頭に「Now ,〜」とすることで、「さて」や「ところで」という意味合いになり、本題を切り出すことを表現できます。
(例)Now, let’s get down to the main topic. (閑話休題、本題に入りましょう)
最後に
ビジネスシーンでは、様々な話題で相手とコミュニケーションを図ることがあると思います。その中で、本題へと話を導きたい時に「閑話休題」を使うことで、スムーズに話題を切り替えることができるでしょう。また、「閑話休題」は、誤って使いがちな表現です。正しい意味や使い方を理解しておきたいですね。
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