「疾風怒濤」の意味とは?
「疾風怒濤」とは「しっぷうどとう」と読みます。激しい風や荒れ狂う波という意味があり、時代が激しく変化することの形容として使われることが多い言葉です。
また、18世紀後半にドイツで起こった文学革新運動である「シュトルム‐ウント‐ドラング」を訳した言葉でもあり、言葉の由来とされています。
【疾風怒濤】
1 激しく吹く風と、激しく打ち寄せる大波。
2 シュトゥルム‐ウント‐ドラング
(引用〈小学舘 デジタル大辞泉〉より)
ここでは、「疾風怒濤」の語源や意味についてご紹介しましょう。
言葉の由来はドイツの文学運動
「疾風怒濤」の由来は、18世紀後半にドイツで文学者であるゲーテを中心に展開された文学革新運動にあるとされています。この運動により、ドイツは激しく時代が変化しました。
この時代を「シュトゥルム・ウント・ドラング」といい、「疾風怒濤」と訳されて、同じように激しく変化するものの例えとして使われるようになったのです。
時代や勢いのあるものを表現する
「疾風怒濤」は、時代が変化していく様子を表現する場面で使われます。特に、歴史や政治情勢の転換期、企業の変革期などを表して使われることが多い言葉です。
歴史では幕末から明治維新にかけてを「疾風怒濤の時代」と表現することもあり、変化の激しい思春期や青年期を指して「疾風怒濤の時代」と呼ぶ場合もあります。
変化に限らず、勢いのあるものを表現する言葉としても使われる言葉です。「疾風怒濤のような荒れ模様」「疾風怒濤のように問題が起こる」というように激しさや勢いの強さを表すこともあり、使用範囲の広い言葉といえるでしょう。
「疾風怒濤」の例文
「疾風怒濤」をどのように使うのか、例文を見て確認しておきましょう。
・我が社は経営陣が一新され、【疾風怒濤】の時代に入った。
・今年も【疾風怒濤】のような1年になりそうだ。
・かつての【疾風怒濤】のような毎日が嘘のように、今は穏やかな生活を送っている。
・台風が接近し、海は【疾風怒濤】の状況になっている。
・思い起こせば、20代が最も【疾風怒濤】の時代だった。
・試合の後半は【疾風怒濤】のごとく反撃が行われ、見事逆転勝利を収めた。
・誰もが変化を求めており、今後は【疾風怒濤】の時代が続くだろう。
・一つのことが解決しても、また新たに【疾風怒濤】のような問題が押し寄せてきた。
「疾風怒濤」の類語
「疾風怒濤」にはよく似た言葉が複数あります。類語としては「電光石火」、「疾風迅雷」、「獅子奮迅」などがあげられ、「疾風怒濤」の類語ではあるもののそれぞれ若干ニュアンスが異なるのが特徴です。
「疾風怒濤」と合わせて類語を覚えておけば、シーンに応じて適切な表現を使うことができます。それぞれの言葉の意味について、詳しく確認していきましょう。
電光石火(でんこうせっか)
「電光石火」とは、稲妻の光などで出る火という意味です。転じて、動きが素早いことの例えに使われます。
「電光」は雷の光を意味し、「石火」は石などを打ち付けたときに出る火花のことです。どちらも一瞬光るものであることから、一瞬のような非常に短い時間という意味もあります。
【例文】
・彼はその知らせを聞くと、【電光石火】のごとく走り去ってしまった。