疾風迅雷(しっぷうじんらい)
「疾風迅雷」は、速い風と激しい雷という意味です。これから転じて、行動が素早く激しいことを表しています。「疾風怒濤」と似たような四字熟語に見えますが、「疾風迅雷」は中国の故事が由来で、語源はまったく異なるものです。
「疾風怒濤」は変化や勢いが激しいことを表しますが、「疾風迅雷」は行動が迅速であることの例えとして使うことが多い言葉です。
【例文】
・【疾風迅雷】の勢いで仕事をこなし、納期に間に合わせた。
獅子奮迅(ししふんじん)
「獅子奮迅」とは、獅子が奮い立って猛進するほどの激しい勢いという意味です。そのような猛烈な勢いで活動することも表しています。「獅子」はライオンのことで、「奮迅」は激しく奮い立つ様子です。
激しい勢いという点で「疾風怒濤」と似ていますが、「疾風怒濤」は物事の様子が激しいことを表すのに対し、「獅子奮迅」は激しい勢いで物事に取り組んでいる様子を表現しています。
【例文】
・彼女は【獅子奮迅】の勢いで勉強し、難関校に合格した。
「疾風怒濤」の対義語
「疾風怒濤」には対義語もあります。「春風駘蕩」や「悠々閑々」などで、いずれもゆったりと穏やかな様子を表します。激しく勢いのある様子を意味する「疾風怒濤」とは、正反対の言葉です。
「疾風」と「春風」など、文字を見てもまったく異なる意味合いと感じるでしょう。対義語を見れば、「疾風怒濤」のニュアンスをより深く理解できます。
ここでは、「疾風怒濤」と反対の意味を持つ2つの言葉をご紹介します。
春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)
「春風駘蕩」とは、春の景色のような、のどかな様子を表す言葉です。人の態度や性格、場所の雰囲気などがのんびりしていることの例えに使われます。「春風」は春の気持ちよく吹く風のことで、「駘蕩」とはのどかという意味です。
主に、景色や人柄などを表す言葉として用いられます。
【例文】
・彼女は【順風駘蕩】とした人柄で、皆から好かれている。
悠々閑々(ゆうゆうかんかん)
「悠々閑々」とは、ゆったりと気長に構えている様子を表す言葉です。
「悠々」はのんびりしている様子、「閑閑」は静かで落ち着いている状態を表します。似ている言葉を組み合わせることでより意味が強調されており、激しさや勢いを表す「疾風怒濤」とは対極にある言葉です。
【例文】
・現役時代は多忙に働いていたが、定年後は【悠々閑々】とした生活を送っている。
「疾風怒濤」は勢いのあるものに例えられる
「疾風怒濤」は激しい風や荒れた波を表し、転じて激しい変化や勢いのあるものに対して使われる言葉です。変化の激しい時代や時期を表す場合によく使われ、「疾風怒濤の時代」「疾風怒濤のごとく」といった使い方をすることが多いでしょう。
「疾風怒濤」の類語や対義語も多く、合わせて覚えておけば、使い分けにより豊かな表現ができます。記事も参考にしながら、「疾風怒濤」について理解を深めておきましょう。
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