「求肥」は冷めても柔らかいまま
お餅は加熱すると柔らかくなりますが、そのままにしておくと時間の経過とともに固くなっていきます。しかし、求肥は時間が経っても柔らかいままの状態が続きます。
「求肥」には大量の砂糖や水飴を練り込むためです。糖類は白玉粉などのでんぷんと混ざると水分をキープする性質があるため、砂糖が入った「求肥」はしばらく置いておいても柔らかさを保つことができます。
「求肥」とすあまの違い
「求肥」と似ているものとして、お餅のほかに「すあま」があります。紅白の色が特徴の、もっちりとした食感と控えめな甘さが人気の和菓子です。中身が入っているものはほとんどありません。
そのまま和菓子として食べられるほか、柏餅や草餅、ういろうなどの原料としても使われています。地域性があり、西日本ではほとんど見かけることがないようです。
「求肥」は白玉粉から、すあまは上新粉から作られる
すあまも、「求肥」と同じようにもちもちとした食感が特徴です。しかし、すあまと求肥は使われている原料に違いがあります。「求肥」は、白玉粉を使用して作りますが、すあまはうるち米を原料とする「上新粉」を用いて作られます。
白玉粉も上新粉も米粉に分類されるものですが、粘りけのある白玉粉に対して、上新粉は粘りけがなく歯ごたえがいい点が特徴です。
求肥の作り方
求肥はおうちでも簡単に作ることができるんです。ここでは基本的な水練りの方法を紹介します。
【材料】
・白玉粉・・200g
・水・・180mL
・上白糖・・400g
・ボウル
・バット
【手順】
1.ボウルの中に、餅粉を入れます。
2.続いて1のボウルの中に水を入れて混ぜる。耳たぶよりも柔らかいくらいの感触になることがポイント。
3.鍋に移して弱火にかけ、練ってから砂糖を数回に分けて入れる。焦がさないようによく混ぜる。
4.バットに片栗粉を敷いておく。
5.バットの上に鍋に入っている求肥を流す。
6.生地が温かいうちに、食べたい数に切り分ける。
7.表面が乾かないように片栗粉を振ったら完成。
最後に
「求肥」は砂糖や水飴を練り込んで作るため、冷めても柔らかさを保つことができます。お餅やすあまと似ていますが、それぞれ原料が異なります。和菓子は日本文化を代表するもの。「求肥」について理解を深め、日本に伝わる伝統の味を楽しんでみてくださいね。
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