「山査子」とはどんな植物?
「山査子」は、バラ科サンザシ属の落葉小低木です。高さは2mほどで、5月〜6月に小さな白い花が咲き、9月〜10月になると真っ赤な実をつけます。さくらんぼと同じくらいの大きさで、たわわに実をつけることも特徴です。中国原産の「山査子」は、江戸時代に薬用植物として渡来し、庭木や盆栽などの観賞用としても親しまれました。
山査子:バラ科の落葉小低木。よく枝分かれし、とげがある。葉は丸みのあるくさび形で縁に粗いぎざぎざがある。春、白い花をつけ、実は黄色または赤色に熟し、薬用。中国の原産で、庭木にする。《季 花=春》
引用:小学館 デジタル大辞泉
「山査子」は寒さや暑さに強いため、比較的育てるのが簡単な植物です。生垣として庭に植える場合は、水はけが良く火が当たる場所がおすすめ。比較的成長が遅いので、鉢植えで育てることもできます。
真夏には土が乾燥しすぎないように半日陰におき、水切れさせないように気をつけましょう。植え付けは10月〜11月、または2月下旬〜3月下旬に。樹形を整える場合は、花が咲き終わる頃の6月に剪定するのがおすすめです。
「山査子」の種類には、「ルビーサンザシ」「八重紅サンザシ」などがあります。「ルビーサンザシ」は、光沢のあるやや大きめの赤い実をつけ、白い花を咲かせます。実付きが良いので盆栽としても人気のある品種です。
「八重紅サンザシ」は、その名の通り紅色の八重の花が咲きます。実はならないので食用として楽しみたい方には不向き。小さな花が重なって咲く姿が可愛らしくシンボルツリーとしても用いられます。「山査子」をガーデニングで庭に植えれば、春には可愛らしい花を、秋には赤い実を楽しむことができますね。
「山査子」の花言葉とは?
「山査子」の花言葉は「希望」「ただ一つの恋」「慎重」などがあります。「山査子」は、イギリスでは「メイフラワー(Mayflower)」と呼ばれ、一年の中で最も楽しい季節に咲かせる花ということから「希望」という花言葉が生まれたとされています。また、「慎重」は「山査子」の枝にトゲがついていることに由来しているそうです。
「山査子」の効果や効能は?
「山査子」の実は、そのまま食べると酸っぱい味がするため、昔はもっぱら生薬や漢方として使われていました。その赤い実には整腸作用や血の巡り、消化促進などの働きがあるといわれています。薬用として広まった「山査子」ですが、近年では、ドライフルーツなどに加工され、美容効果のある食べ物として注目されています。