「山査子」には、食物繊維・ビタミンC・ビタミンB2・鉄分・カルシウム・カテキン・クエン酸など、健康や美容に効果がある栄養素がたっぷり。食物繊維には腸内環境を整え、消化吸収がよくなることで便通を改善する効果が。悪玉菌などの体に有害な物質を抑制することから、生活習慣病の予防も期待できます。
また、美容に欠かせない栄養素といえばビタミンですよね。ビタミンCには、皮膚のメラニン色素の生成を抑える効果があり、血管を維持するコラーゲンを生成するのに必要とされています。ビタミンB2には、皮膚のターンオーバーを促し、皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあります。
また、「山査子」は、抗酸化作用やコレステロールを下げる効果のある、カテキンが多く含まれます。カテキンを摂取し続けることで代謝がアップし、カロリーを消費しやすい体になる効能があるそう。ダイエットや美肌を目指したい女性にはぴったりの果実ですね。
「山査子」のお菓子とは?
「山査子」はそのまま食べると酸っぱいので、ドライフルーツやジュース、「山査子酒」、ジャムとして楽しむのがおすすめです。「山査子」のドライフルーツは、砂糖や寒天と混ぜ合わせスティック状にしたものが一般的。甘酸っぱい味としっとりとした食感が特徴で、小腹が空いたときに気軽に食べられるおやつです。
「山査子」ジャムは、酸っぱい実を砂糖と一緒に煮詰めることで酸味が緩和され美味しくいただけます。生の「山査子」の実がたくさん手に入るのであれば、手作りジャムを作ってみてはいかがでしょうか?
また、「山査子」ドリンクは美容ドリンクとしても人気です。市販されているものを毎日飲んでも良いですし、生の実と砂糖を煮出して手作りの「山査子」ドリンクを作ることもできますよ。
また、梅酒のように焼酎に漬け込めば「山査子酒」にもなるそう。甘酸っぱく、すっきりとした飲み心地で、女性に人気のフルーティーなお酒です。中国では食前酒として親しまれているそうですよ。
中国では「山査子餅」や「山査子飴」として親しまれています。「山査子餅」は、お餅ではなく「山査子」の実を練って薄く伸ばしたクッキーやお煎餅のようなお菓子です。甘酸っぱい味で、紅茶などのお茶うけにぴったりだとか。
「山査子飴」は、日本でいうりんご飴のようなお菓子。飴で固めた真っ赤な「山査子」の実が、たくさん串に刺さっています。
「山査子」とセイヨウサンザシの違いとは?
中国や日本で親しまれている「山査子」には、よく似たセイヨウサンザシと呼ばれるものがあります。
セイヨウサンザシは「山査子」の類似種で、ヨーロッパや北アフリカに分布する落葉低木です。イギリスでは5月に花が咲くことから「メイフラワー(May flower)」と呼ばれます。街路樹や生垣に植えられ、ガーデニングでも人気があります。ローマ時代から厄除として用いられ、キリストにまつわる伝説や俗信の多い植物です。
「山査子」は一重の白い花が咲くのが一般的ですが、セイヨウサンザシは白色以外にも八重の薄紅色の花を咲かせます。日本ではセイヨウサンザシの園芸品種であるアカバナサンザシがよく植えられます。こちらも可愛らしい紅色の八重咲きの花が特徴です。
セイヨウサンザシには、滋養強壮、抗菌、血行改善などの薬効があります。ヨーロッパでは、葉や果実を強心薬として使っているようです。副作用には、めまい、吐き気、消化器症状などがあります。
最後に
秋になると真っ赤な実をたたわに実らせる「山査子」。その実には、ビタミンCや食物繊維、クエン酸など美容や健康に効果的なたくさんの栄養素が詰まっていることがわかりました。
そのままでは食べづらいですが、ドライフルーツを小腹の空いたときのおやつにしてみたり、ドリンクやジュースとして飲んでみたいですね。美容やダイエットに興味がある方は、普段の食生活に「山査子」を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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