1)「緊張は必ずしも悪いことではない」
まずは緊張を「悪」と捉えないことが大切です。完全にリラックスしているよりも、適度な緊張感がパフォーマンスの向上につながります。「緊張している、不安」ではなく、「よい緊張感を持てている」という意識に変えてみましょう。
2)「誰でも緊張する」
人前で話したり注目を集めたりするときは、誰でも緊張するもの。堂々と聴衆の前で話しているようにみえる人も内心は緊張しているものです。中には平常心でいられる人もいるとは思いますが、それはごく少数派です。そのことを理解しておくと、少し気が楽になると思います。
3)「緊張を隠さなくていい」
「緊張してもよい」と開き直ってしまうのも1つの手です。緊張を無理に隠そうとせずに、「人前で話すのは、とても緊張します」と相手に素直に伝えることで楽になることもあります。場合によっては場が和んで緊張した空気がとけたり、真面目な人という好印象を得られ、プラスの効果につながることも多いです。
【目次】
意識を自分からそらす
4)「緊張しやすい場面では自分以外に注意を向ける」
緊張すると、つい自分にばかり意識が向きがちです。普段以上に自分の心音が大きく聞こえたり、手の震えや顔のこわばりが気になってしまうかと思います。そんなときは、自分自身から意識をそらして、景色や目の前にある物、視界に入るほかの人に意識を向けるようにしてみましょう。ただ見るだけでなく、絵を描くつもりで細部をじっくり観察します。音に敏感な方は、周囲の音、例えば「風の音」「車の音」などに意識を向けるのもよいと思います。意識を自分からそらすことで緊張が和らぎやすくなります。
5)「深呼吸」
緊張しているときは、呼吸が浅くなっています。深い呼吸をすることで、副交感神経の働きが高まり、過剰になった交感神経が落ち着きます。深呼吸を何度か繰り返すことで、心臓のドキドキや汗、手の震えといった緊張による身体反応を和らげる効果が期待できます。
6)「緊張する明確な理由がある場合は対策を」
例えば、「十分な準備ができていない」「話す順番を整理できていない」「練習不足で不安がある」など、緊張する理由が自分で明確にわかっている状況もあるかと思います。自分に自信が持てないと、「失敗したらどうしよう」「ミスしてしまうかも」という意識が働くため、どうしても緊張度が高くなります。このようなタイプの緊張を防ぐには、事前にしっかり準備しておくことが大切になります。「これだけやったのだから大丈夫」と思うことができれば、緊張の緩和につながります。
7)「成功イメージを持つ」
不安を覚える方の多くは、失敗するイメージを描きがちです。イメージの与える影響は大きく、現実化につながることも。難しいかもしれませんが、「はきはき話している自分」などの成功イメージを思い浮かべましょう。イメージするのが難しければ、動画などでスピーチやプレゼンといった自分の状況にあっているものを検索し、自分がよいなと感じるものを見ることもお勧めです。
緊張は誰でも感じるもの、過度に恐れないようにすることが大切です。今回お伝えした「緊張を和らげるためのポイント」を緊張してしまいそうな場面の前に意識してみてください。徐々に不安を緩和することができるようになると思います。
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日本メンタルアップ支援機構 代表理事
大野 萌子(おおの もえこ)
法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。
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