「金糸雀」は何と読む?意味や読み方、由来を解説
金の糸や、金箔を貼って細く切った和紙を表す「金糸」に、鳥の「雀」と書く「金糸雀」の読み方をご存じでしょうか?「きんしすずめ」と読むのは誤りで、正解は4文字です。
漢字から読み方を推測するのは難しいため、簡単にヒントをお伝えしましょう。「金糸雀」は小鳥の名前であり、美しい鳴き声や羽が特徴です。
さて、ヒントから「金糸雀」の読み方がわかった人もいるかもしれません。気になる正解や名前の由来などを見ていきましょう。
「金糸雀」の意味や読み方
「金糸雀」の読み方の正解は……「カナリア」でした!
まずは辞書での説明をご紹介します。
【カナリア(canaria)】
《「カナリヤ」とも》アトリ科の鳥。野生のものはスズメ大、全体に緑褐色で、カナリア諸島などに分布。15世紀からヨーロッパに持ち込まれ、飼い鳥として多品種が作られた。日本には18世紀末に長崎に舶来。姿を楽しむ巻き毛カナリア・細カナリア、声を楽しむローラーカナリアなどがあり、羽色も黄・白・灰・赤・橙(だいだい)色などさまざま。
<補説>「金糸雀」とも書く。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「金糸雀」はヨーロッパから伝わった小鳥で、日本でも古くから馴染みのある動物です。ヨーロッパでは15世紀ごろから、日本では18世紀ごろから飼い鳥として親しまれてきました。
また、毒ガスなどの毒物に敏感という性質から、毒ガスを検知させるために「金糸雀」を炭鉱に連れて行っていたという逸話もあります。
「金糸雀」の名前の由来
「金糸雀」の名前の由来は、原産地であるアフリカ西部のカナリア諸島です。スペイン語やポルトガル語の「canaria」が訛ったもので、18世紀末ごろに日本に伝わった際は「カナアリヤ」と呼ばれていました。
なお、カナリア諸島の「カナリア」の由来はラテン語の「canis」です。「犬」を意味するcanisが用いられたのは、カナリア諸島にたどり着いたローマの学者が「野犬が多い島」と報告したことが由来という説があります。
そのほかにも、ラテン語で「海の犬」を表すアザラシが生息していたことや、カナリア諸島ではかつて大きな犬を産出していたことなど、名前の由来とされる説はさまざまです。また、「金糸雀」の漢字表記は、「美しい黄色」に由来する漢名が当てられたものです。
どんな生き物?「金糸雀」の生態について
「金糸雀」は飼育しやすいことでも知られており、ペットとしても需要があります。日本では江戸時代に武士や知識人の間で「金糸雀」の飼育が広まり、葛飾北斎の日本画のモチーフにも用いられました。
そもそも日本では飼い鳥のさえずりを楽しむ習慣があったため、鳴き声や見た目が美しい「金糸雀」の人気が高まったと考えられます。野生種は地味な見た目をしていますが、ペット用に品種改良された「金糸雀」は鮮やかな羽色が特徴です。
「金糸雀」の意味や読み方がわかったら、「金糸雀」の生態や特徴についても知っておきましょう。ここでは、「金糸雀」の主な種類や生息地、性格などをご紹介します。
「金糸雀」の生息地や寿命
野生の「金糸雀」が生息しているのは、カナリア諸島・アゾレス諸島・マディラ諸島です。ペットとしての需要が高いことから、現在では世界中で繁殖されています。
「金糸雀」の寿命は10年ほどで、セキセイインコなどに比べると長生きするのが特徴です。ただし、「金糸雀」の寿命は飼育環境に左右されることが多く、健康維持やストレスに気をつけて飼育すると20年以上生きることもあります。
「金糸雀」の大きさや主な種類
「金糸雀」は体の小ささが特徴で、全長は11〜20cm、体重は15〜38gです。ペット用に品種改良されており、代表的な種類として以下が挙げられます。
・レモンカナリア
・白カナリア
・赤カナリア
・ローラーカナリア
・リザード
レモンカナリアは「金糸雀」の中でも特にポピュラーな種類で、全身が黄色の羽に覆われているのが特徴です。白カナリアは美しい白色の羽を持つ「金糸雀」で、江戸時代に誕生したとされています。
赤カナリアは2種類の金糸雀の交配によって生まれた種類で、カロテンの摂取量によって個体ごとに色味が異なります。
ローラーカナリアは鳴き声の美しさを追求して品種改良された種類です。鳴き声に特化しているため、野生種のように見た目が地味な個体もいれば、カラフルな羽を持つ個体もいます。リザードは「金糸雀」の中でも特に古い種類とされ、野生種の特徴を多く持っているのが特徴です。