悲憤
「悲憤」は、あまり聞き慣れない言葉かもしれません。「悲憤」は「ひふん」と読み、意味は「悲しみ、憤ること」。悲しみと怒りを両方感じている場合に使う言葉です。このように「悲憤」には、悲しみの感情が含まれていますが、「義憤」には悲しみの感情は含まれていません。その点が、「義憤」と「悲憤」の違いといえるでしょう。
例文:あまりにも悲惨なニュースに、悲憤の涙を流した
瞋恚
「瞋恚」は、「しんい」と読みます。意味は「怒ること」や「憤ること」。仏語としても使われ、その場合は「自分の心に反するものに対して、怒り恨むこと」という意味になります。「瞋恚」は「憤慨」と同様に、怒りの対象が限定されていないところが、「義憤」と異なる点です。日常的にはあまり使われない言葉ですが、「義憤」と一緒に押さえておくとよいでしょう。
例文:借金を繰り返す父のことを考えると、瞋恚に燃える
【目次】
「義憤」の英語表現は?
「道理や正義に反することに対して腹を立てること」を意味する「義憤」。英語で表現したい場合には、どのような言葉が適しているのか、紹介していきます。
righteous indignation
「義憤」の英語表現には「righteous indignation」があります。「righteous」は「正義の」「道義的に正しい」「公正な」という意味で、「indignation」は、「憤り」や「憤慨」という意味です。この2つを合わせて、「義憤」という意味の英語になります。ただし、こちらはややフォーマルな印象を与える表現のため、日常会話よりビジネスシーンで使うほうがよいでしょう。
ちなみに、「indignation」を「anger」や「rage」に置き換えて、「righteous anger」「righteous rage」という表現でも使うことができます。
例文:She burned with righteous indignation against the man who had swindled her.(彼女は彼女を騙した男に対して、義憤を感じた)
offend one’s sense of justice
「offend」は「怒らせる」「そこなう」、「sense of justice」は「正義感」という意味です。「offend one’s sense of justice」という表現で、「〜の正義感をそこなう」という意味になります。この英語表現を使う時には、「義憤」を感じさせる対象を主語にして使いましょう。
例文:His remark offended our sense of justice.(彼の発言は私たちの正義感に反するものだった)
最後に
「道徳に反することや、不公正なことに対して腹を立てる」という意味の「義憤」。日本のみならず、世界で起きているニュースを見ていると、「義憤」を覚えることは少なくありません。そうした際には、「義憤」という言葉を使って、「激しい怒りを感じている」という気持ちを表現してみてください。
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