すぐに使える例文
「同じ穴のムジナ」は、前向きな意味では使われにくい言葉です。誤った使い方をして相手に嫌な思いをさせないためにも、どのような場面で使うかを正しく把握しておきたいですね。
【例文】
・あの人も悪口を言っていたなんて、結局「同じ穴のムジナ」だ
・このまま見て見ぬふりをしていたら、あの人と「同じ穴のムジナ」になってしまう
このように、考え方や行動を非難したり、たしなめたりするときに適した表現といえます。
悪事をする人に対して用いられる言葉なので、使われる場面は比較的限られています。うっかり口にするのは避けておく方が無難です。
「同じ穴のムジナ」の類義語
「同じ穴のムジナ」と似通ったニュアンスを持つ表現は数多く存在します。言い換えにも使える類義語を見ていきましょう。
五十歩百歩
「五十歩百歩」とは、「多少は違いがあっても、ほとんど同じものであること」を表しています。読み方は、「ごじっぽひゃっぽ」。戦いの最中に敵から五十歩逃げた兵士が、百歩逃げた兵士を臆病だとバカにしたエピソードが由来です。
どちらも相手から逃げたことには変わりがないため、はたから見れば大差ないことを指しており、「同じようなものである」という点で「同じ穴のムジナ」と共通した意味を持っています。「五十歩百歩」もあまりいい意味では使われないため、使う場面も似ているといえるでしょう。
【例文】
・彼のことを笑っているけど、君も「五十歩百歩」だよ
・どちらのアイデアも「五十歩百歩」だ
このように、どちらも大したことはないというニュアンスを含んでいることに注意が必要です。
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どんぐりの背比べ
「どんぐりの背比べ」は、「集団の中で飛び抜けて優れたものがない状態」を表す言葉です。違うもの同士が同類であるという点で、「同じ穴のムジナ」と似た意味を持つ表現といえます。
「どれも大差がなく似通っている」という意味なので、こちらも褒め言葉としては使われません。「似たり寄ったり」に近い意味合いであることを押さえておきましょう。
【例文】
・テストの成績を競っていたが、結果は「どんぐりの背比べ」だった
・少し背が伸びたが、友達と並んでも「どんぐりの背比べ」だ
「どんぐりの背比べ」は、二つのものだけでなく、複数のものを表すのが特徴です。
目くそ鼻くそを笑う
「目くそ鼻くそを笑う」とは、「自分にも欠点があるにもかかわらず、相手を悪く言うこと」を表しています。目くそも鼻くそも同じく体から出るもので、周りから見れば相手を笑えるほどの違いはないのです。
人をバカにしている側も大差ないことを意味する言葉であり、「同じ穴のムジナ」と同様「似たようなものである」状態を指しています。基本的には、相手を下げる表現であるため、使う場面には気を付けましょう。
【例文】
・2人が喧嘩しているが、「目くそ鼻くそを笑う」だ
・あの人をバカにするのは、「目くそ鼻くそを笑う」ようなものだ
相手をたしなめたり、間違いを指摘したりするのに適した表現です。
「同じ穴のムジナ」を英語表現すると?
「同じ穴のムジナ」を英語で表現する場合、次のような表現が使われます。いずれも、「一見しただけでは違うように見えても、実は同じである」という意味合いが含まれている言葉です。英語においても、言い方によっては相手を不愉快にさせる可能性があるので、配慮して使ってみてくださいね。
【例文】There is little difference between the two.
ことわざでも、以下のようなものがあります。
It’s six of one and a half dozen of the other.
意味は「6と1ダースの半分のように、2つの間にはほとんど差がないこと」。まさしく「同じ穴のムジナ」と同じことを表していますね。
最後に
「ムジナ」がアナグマの別名だったなんて、初めて知ったという人も多かったのではないでしょうか? 「同じ穴のムジナ」は、悪事を働く者や悪い性格などが共通している人同士のことを指すので、使う相手や場面には気をつけたいですね。
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