アジア各所で上演される話題のミュージカル「シデレウス」。注目の作品に出演する小野塚勇人の心境
――ご自身の役柄について教えてください
僕が演じるのはヨハネス・ケプラーという実在する歴史上の人物の1人なんですが、数学者であり天文学者であるということで、すごく頭のいい人の役になります。いわゆる天才脳分類に入る人だと思うんですが、その中でもすごく子供のような好奇心旺盛さもあり、何かをするということに対してすごくエネルギーのある、純粋さや真っ直ぐな気持ちの持ち主だなと思っています。
――韓国で上演され大きな話題を集めましたが、注目の作品に出演することについてどのように感じていらっしゃいますか。プレッシャーはありますか?
プレッシャーはまだあまり感じてないんですが、まだ僕自身ミュージカル自体の経験がなく、『インタビュー』(『MUSICAL INTERVIEW~お願い、誰か僕を助けて~』)しかやってないので、共演者の方と協力しながら『シデレウス』の世界観を作り上げたらいいなと思っています。
画像をすべて見る――同時期に上海でも上演されるとのことですが、同じ時期に同じ作品が行われるのはどんな気持ちですか。同時期ってすごいことですよね。
すごいですよね、向こうも日本の公演を意識してるのかな。もしかして自分のことを意識してるのかな、上海の方たちが。そうなるとちょっとプレッシャー感じてくるかもしれないです。それだけアジアで人気の作品に出られるっていうことはすごく光栄ですし、すごくいい経験を積めると思いますし、本当に観に来てくださるお客さまにすごく『シデレウス』の世界観を届けたいです。
――ちなみに韓国の作品はご覧になりましたか
観ました! 本当にすごく真っ直ぐで、明るい感じで、本当に星空とかもあったりして舞台演出もとても素敵でした。それがすごくいいなと思いましたし、この世界観に曲がのることによって、観てくださる方はより世界観に入っていけるんじゃないかなと思います。
――クワトロキャスト編成での上演ですが、こういった編成で演じる場合、他のチームの同じ役の方を意識されたりすることはありますか?
意識しないって言ったら嘘になると思います。どうしたって自分と同じことをやりますしね。僕より歌が上手い人たちなので、そういう面では落ち込むってよりは落ち込んでも仕方がないので、その表現力とかを勉強させてもらおうと思っています。そして、そこから得たことから自分なりにプラスしていきたいです。普段はあんまり自分と同じ役をやっている人の芝居を見ることはあまりないことなので、そういう意味ではマイナスというよりプラスに捉え、自分が出演したときにより良くするためにいろいろ学ばせてもらおうかなと。
――「何かに打ち込むことは素晴らしい」ということを感じさせてくれる作品ということで、小野塚さんが打ち込んでいることを教えてください
打ち込んでることか。打ち込むというかただの息抜きなんですが、ゲームをしてます(笑)。それが息抜きですね。打ち込んでるって「努力する」みたいなことではないので、どうだろうな、質問の答えとして合ってるかわからないですけど、友達とゲームをやってるのが、打ち込んでることです。いや、何か打ち込んでるって言うとかっこいいんで、あれだな、「やってる」っていうのが正しいかもしれません(笑)。
あとこのミュージカルをやるにあたってボイトレとかを重点的にやっているので、それかもしれません。
――宇宙への研究を提案するケプラーですが、小野塚さんが研究(深堀り)したいことはどんなことですか
うーん、なんだろう。
(ここでしばらく考える)
今だと何だろう。
(また考える)
自分が深く…何かあるかな。あんまり趣味がないので、何だろう、やりたい…難しいな。
――すいません
いやいや、深掘ってみたいことですよね。(めちゃくちゃ考えて)ああ!美味しいご飯屋さんですかね。美味しい焼肉屋さんとか知りたいです。
――知りたいことになりましたね?
そうですね(笑)。 知りたいな〜って。ええ、深堀りか難しいななんかそんなかっこいいこと…なんだろう。例えば、何て答えるんですかこういう質問に他の方たちは。
――まさかの逆質問!深堀りというと考えさせすぎちゃいますが、興味あることとか、なんか最近ちょっとこれが気になっていることでも大丈夫です
あ!それでいうとずっと乗馬は気になってます。馬に乗りたいなっていうのはあるんですけど、行けてないですね。 1回行くのにすごい時間と労力がいるので。でも時間が出来たらやりたいなっていうのがあります。
――新しい作品に入る際、先程お話に出たボイトレもそうですが、小野塚さんが意識されていることはありますか
なんだろうなあ、ケプラーの場合…。歴史上の人物で、実際に起きた出来事を中心に描かれているので時代背景について調べてます。あとは、言葉でも難しい数学の専門用語とかも出てくるので、意味がわからないで言ってるのと意味を理解しているのではセリフの届き方が違うと思うので勉強しています。難しいことを言ってるので、つまり端的に言うとこういうことかぐらいの理解力がないと、セリフを言う僕自身も迷っちゃいますから。
――元々数学はお得意…
(質問に被せるように)てんで駄目です!僕が実際に数学者になるっていうのは無理ですね(笑)。難しいなって思いますね。(数学は)中1で止まってますね。いや、数学じゃなくて算数ぐらいで止まってるかもしれません(笑)。
――いや、でも大人になるとなかなか使うことないですから…
そうなんですよ、数学的に。考えることってほぼほぼなくてお金勘定ぐらいなんです。数字を見ることってお金ぐらいしかないもんな、何か他にありましたっけ(笑)。
――難しい言葉とか論理とかたくさん出てきますよね
そうなんです。でも僕がゲーム好きとかアニメ好きと言うように、数学者にとってはそれが「好き」だと思うので、そう考えると理解できなくはないかなと。オタクですよね、数学の。
――そういう意味で小野塚さんは「これのオタクです」みたいなことは…。ゲームとか?
いや、ゲームも別にそんなオタクというよりは楽しむ方なので…。オタクか、どこまでいったらオタクのゾーンなんだろう。アニメも結構観てますけど、違う気がするし難しいですよね。あと、格闘技も好きで観てますけど、格闘技は…うーん、オタクなのかな。割と試合を観に行ったりもしますし、オタクに近い方かもしれないですね。自分でも(格闘技を)やったりするし。だから、うんオタクですね。