綾さんとの印象深いエピソードはありますか?
星南:あやなは、私たちが研6の時に星組から雪組に組替えしてきました。それから彼女は新人公演で2回主演をしたので、とても忙しかったと思います。同期として私もしっかり支えたいと思っていましたし、下級生を指導するにあたって一緒にお話し合いをしたりと、長くはなかったですが濃い時間を一緒に過ごしました。
あと、あやなの助手席によく乗せてもらっていました! あやなは車を持っているので、「あれ食べに行きたいね」とか「どこかに買い物に行きたいな」という時はいつも車を出して運転してくれたんですよ。
雪組以外の98期生の方にもいろいろ動きがありますよね。
星南:もう研11なんですよね。音楽学校時代から知っている仲間を見て、すごく立派になったなと感慨深いです。それぞれの組で責任のあるお役をいただいている同期が多くなってきていることも誇らしく、みんな尊敬する同期たちです。
星南さんご自身は退団後さまざまなことに挑戦されていますが、仕事をするうえでの信念はありますか?
星南:タカラヅカの外に出て感じたことは、何をするにも自分次第というか、より自分自身の責任が大きくなるということです。かといって私の場合は自分にプレッシャーをかけすぎるといい結果が生まれないから、上達したいという気持ちはずっと持ち続けたまま、でも少し余白を残して進みたいなと考えています。
写真をもっと見る朗読劇『世界から猫が消えたなら』のお稽古中とうかがいました。
(※朗読劇『世界から猫が消えたなら』は6月30日までの公演)
星南:共演者には声優の方が多く、当然ですが、みなさん滑舌や発音が完璧で。私は関西出身だから、どうしてもイントネーションのクセが出てしまうんです。お稽古終わりに共演者のおひとりに呼ばれていろいろ教えていただき、ありがたかったです。男性とセリフを交わすことも初めてで、力強さやエネルギーの違いに圧倒されることもありますが、自分も臆することなく頑張りたいと思っています。
この朗読劇では猫と彼女と、僕(主人公)のお母さんの3役を演じます。それぞれキャラクターがまったく違うし、僕と関わるうえでポイントは違いますが大切な役なので、みなさんの心を動かせるように演じたいですね。
7月10日には朗読劇『“自称”超能力少女 三船ユリ』がありますね。
星南:私が演じる大月ハルコは科学部の副部長で「超能力は信じない、科学こそ正義」という考えの持ち主のため、主人公の三船ユリを敵対視しているんです。「孤高のサイエンティスト」というセリフがあり、強気で高飛車な印象。あまりやったことのない感じの役で、新たな挑戦です。
朗読劇は声が勝負ですよね。
星南:はい。動きがないぶん声に表情をのせなければいけないため、本当にお芝居の勉強になります。表現の引き出しを増やしていきたいですね。私はなかなか家で練習ができず、外部のレッスンに通っているんです。在団中に上級生の方に紹介していただき、柴田節子(現・小島節子)さんのもとで、お芝居や歌唱、ボイストレーニングなど幅広く勉強させていただいています。