上達したいと強く思いながら、でも自分にプレッシャーをかけることなく進んでいきたい
雪組きっての娘役ダンサーとして活躍された沙月愛奈(さつき・あいな)さんからご紹介いただいたのは、同じ雪組娘役であり、退団同期でもある星南のぞみ(せいな・のぞみ)さん。
美しく華やかで凛とした雰囲気、誠実な舞台姿。可憐というより、潔さや清々しさを感じる娘役さんだったように思います。
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実は、沙月さんの前に登場してくれた彩凪 翔(あやなぎ・しょう)さんも星南さんのことを「かわいいので、ぜひたくさんの人に知ってほしい!」と、バトン候補のひとりとして名前を挙げてくれていたんです。前回ご登場いただいた沙月さんからは「退団後、これからどうしようかとゆっくりしていた中、彼女は早くからいろいろなことを始めていて、今後も目が離せないんです」とコメントをいただきました。さっぱりしていて、でも愛され力のある星南さん。さっそくお話をうかがいました。
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ご紹介いただいた沙月愛奈さんとのエピソードを教えてください。タカラヅカでは、沙月さんが9期上ですよね。
星南さん(以下敬称略):はい。新人公演ではあゆみ(沙月)さんの役を2回やらせていただきました。『幕末太陽伝』での「女郎およし」と、『ファントム』の「従者」です。特に「従者」が思い出深いです。あゆみさんの踊りをとにかく全部吸収しようと思って、稽古場や舞台袖からずっと見て目に焼き付けていました。
あゆみさんの、普通の人間ではできないような踊りは本当に勉強になりました。「従者」にはセリフがなく、感情を踊りで表現しなければならなかったんです。気持ちを作ってそれを踊りにのせるのはとても難しかったですが、あゆみさんにたくさん教えていただきました。
ご自身が退団されてから初めての大劇場公演『夢介千両みやげ/Sensational!』。観客としてご覧になってみていかがでしたか?
(※取材日は6月7日)
星南:5回、観ました。宝塚大劇場で1回、そして光栄なことに同期の綾 凰華(あや・おうか)の退団ブーケのお花渡しをさせていただきました。東京宝塚劇場では4回観ましたが、毎回毎回新鮮な思いでした。お芝居の方は、登場人物ひとりひとりが個性的で楽しく、ハッピーエンドで心が温かくなりました。(主人公の)夢介が懐が深く、いい人すぎて、「私もこんな広い心を持ちたいな」と思いました。
マイ千秋楽の日は感極まってしまって、ショーであやな(綾さん)が出てくるたびに涙が…。終演後はマスクの中がびちょびちょになるほど泣いてしまいました。自分が卒業する時より泣いたかもしれません。雪組最後の98期ですし、私が卒業する時はあやながひとり残って送り出してくれたので、今回は恩返しとしてもできるだけあやなの姿を見に行こうと思って通いました。