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LIFESTYLE インタビュー

2023.02.25

【連載/こじらせ男のひとりごと#5】どんなにモテても、告白しない、結婚しない。東京ホテイソン・ショーゴさんの「とんがり」人生

仕事もデキる、ビジュアルもイケてる。なのに、どこか「こじらせてる」男子たちが語る連載。今回は、若くしてM-1決勝進出を果たした実力派、東京ホテイソンのショーゴさんが登場!

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人生最大のモテ期から、孤高のこじらせ中学生へ。そして30歳を前にして見つけた新たな楽しみ

小柄でかわいかった少年は、クラスの人気者。それが、どういうわけか妄想ばかりの「とんがった」中学生に。そこから始まったショーゴさんのこじらせ人生は、ドラマよりもドラマチック!「こじらせている場合じゃない」と気づいた芸人2年目からの猛進撃にも注目です。

語り/ショーゴ(東京ホテイソン)

一度もデートしないままメールでフラれました

細くて小さくてかわいくて。世渡り上手で人気者だったのは、小学生まででした。モテのピークは小5で、もらったチョコは24個。でも中2で初めての彼女にフラれて、そこから「人と違うこと」ばかりやり出しました。そう、いわゆる厨二病です。

背が小さいこと、細いことに劣等感を感じ始め、運動部のモテる奴らを妬み、アニメを見ては妄想を膨らませてばかりの毎日。たとえば、体育館で全校生徒が集まっているときに、強盗が来て女生徒をさらって行くという妄想。その中で、俺には最強の能力があって、みんなの前で強盗をボコボコにする。で、体育館は拍手喝采。妄想の中だけは無敵でした。

東京ホテイソン・ショーゴ

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やがて、大きくなりたい、太くなりたいという願望から、筋トレにも目覚めました。そしてクセ毛を気にして縮毛矯正をやってツンツンさせたり。すると面白いまでに、またモテる。高校では、女子たちが教室に俺を見に集まったり、メルアドを交換しに来る。そして校内でイケてるトップクラスの女子とつきあうまでに…。

なのに、その子とはメール交換だけのつきあいでした。髪の毛は繕っても、中身はコンプレックスだらけ。男たるもの、強くあらねば。人と同じではだめだ。そう思うあまり、デートなんかして誰に見られたり、冷やかされたりしたら、傷つくのは自分です。彼女と直接話すのも恥ずかしくて、一度もデートしないまま、メールでフラれました。

東京ホテイソン・ショーゴ 横顔

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芸人になって「とがってる場合じゃないぞ」

高校を卒業し、とんがったまま芸人を目指してNSC(吉本総合芸能学院)に入学。人と違うことを、とがったことを、と力が入るあまり、今度は先輩とトラブル続き。結局、喧嘩して追い出されました。恋愛のほうはといえば、女性とつきあったとしても、妄想癖ゆえにうまくいかないことばかり。過去に彼女がしてきた恋愛を勝手に妄想して、勝手につらくなって、結果俺から振っちゃうんです。めっちゃ好きだったのに。

その後、相方募集サイトで出会ってコンビを組んだのが、今の相方・たけるです。芸人になってもしばらくは、飲みに行くよりネタをつくって、YouTubeの企画を考えて。遊ぶよりも先輩を見て勉強して。なにが正解かはわからなかったけど、そうやっていないと不安だっただし、それがかっこいいと思っていました。人から見たら、ひとりぼっちに見えたでしょうね。

2年たったくらいから、大きい舞台に出るようになって、先輩方を間近で見て、俺のとんがりも、少しずつ変わりました。というか、「とがってる場合じゃないぞ」と。ひとりでこもって考えるのもいいけど、結局芸人って「人と人」のつながりから生まれるものが多いんです。「ご飯行こうよ」って先輩が誘ってくれたら、今は喜んで誘いにのります。話を聞きたかったら、自分から「めし行きましょう」って先輩に言うこともあります。それまでは、「俺みたいな奴に誘われても、つまらないだろう」って思い込んで、誘えなかったんです。でも、いいネタのためには、俺だけの価値観に縛られてる場合じゃない。やっとわかったのです。

東京ホテイソン・ショーゴ正面

10代で拒否してきたことを、30前で始める楽しさ

女性に対しての妄想はなくなったけれど、いまだ自分から告白することはありません。だって、断られたらショックでしょう。相手から誘われて、何度か食事して、俺から「ってことは…?」と話を向けて、彼女が「つきあいましょう」を切り出す。これがよくあるパターンです。もし結婚を求められたら、「ちょっと待ってくれ、40までは結婚しないから」って、そこはハッキリ言うつもりです。賞レースに出て、筋肉もつけてマッチョになって、以前より自信はついたけど、まだまだ自分のことで精いっぱいですから。

結婚に関心がないのには、もうひとつ理由があります。10代で否定してきたみんなの趣味や遊びを、30前になって、今やっと楽しみ始めたんです。車の免許を取ったり、おしゃれに目覚めたり、個人のSNSやYouTubeを始めたり。そして、それらと同じくらい、いやそれ以上に、お笑いに対して欲張りになっている自分がいます。漫才だけじゃなく、コントもやりたいしピンネタもつくってみたい。10代のこじらせ同様、どんなにアツくなってもいつかは飽きるもの。だからこそ、次々に新しいことを見つけてトライしていかなきゃいけない。今やっと、そのスタート地点についたところです。

東京ホテイソン・ショーゴ横顔

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芸人

ショーゴ

しょーご/1994年生まれ、東京都出身。2015年、相方のたけると「東京ホテイソン」結成。2017年から3年連続でM-1準決勝進出を経て、2020年ファイナリストに。現在のレギュラーは『ラヴィット!』金曜日(TBS系)、『よるパ!』(テレビ東京系)など。2月12日に行われた「MUSCLE GATE兵庫大会」ではメンズフィジーク新人の部(168cm以下級)で優勝。
東京ホテイソン単独ツアー2023『孔雀緑』は、東京、名古屋、仙台、大阪、札幌、岡山、広島、福岡で実施予定。詳しくはグレープカンパニーホームページで。
YouTube 『東京ホテイソン オフィシャルチャンネル
YouTube 『ショーゴのもう一人じゃない
インスタ @tokyoshogo

撮影/高木亜麗
文・構成/南 ゆかり

連載:こじらせ男のひとりごと

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