LIFESTYLE シングルマザー・再婚

2023.06.05

ウソ!? 3ヶ月してないってセックスレス認定？【39歳、子連れ再婚の365日vol.9】

穏やかな日々の中で気づいてしまった夫婦間のセックスレス。息子が泊まりがけの学校行事で一晩一緒に過ごすことができるも…。【毎週月曜日19時更新】

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育児

【登場人物】
あん（私）…メーカー勤務のシングルマザー。8年前に離婚し、実家に出戻り。39歳。
蓮（息子）…生意気盛りの小学生。11歳。
臣斗くん（夫）…あんの会社の後輩・海斗くんの大学の同級生。34歳
結衣…蓮の彼女。4年生からS塾に通い中受予定。
お母様…臣斗くんの母。英語教師で蓮の中学受験を強力プッシュ。

【前回までの話】
あんは、シングルマザーとして8年の歳月を経て、子連れ再婚を果たした。事実婚であり、婚姻届も結婚指輪も新居もない「ないない尽くし」の状態で、新たな家族のスタートを切った。挨拶の席で、義母から蓮の中学受験を強引に推されたが、金銭的な理由や蓮の性格を考慮して、あんはそれを拒否した。しかし、息子の「結衣ちゃん（彼女）と同じ中学校へ行きたいから塾に行く」という一言がきっかけで、蓮は中学受験に挑戦することに。幸い、夫である臣斗が塾代を支払い、勉強のフォローをすることで通塾に至れた。一方、蓮の受験を契機として、あんと臣斗は一緒に住むことを考えるが、賃貸と購入について意見が衝突した。そんな中、母親が緊急手術を要する連絡が入る。手術で癌を全て取り除いた母から3人で息抜きにと、旅行へ出かけることを提案された。ところが、旅行中に臣斗とあんは大喧嘩をして、ステップファミリーの難しさを痛感することとなった。

前回の話▶︎息子が塾入るなり豹変したママ友。コレってもしかして…【39歳、子連れ再婚の365日vol.8】

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【目次】

平穏な日々で気づいてしまった「最近してない」…。

平穏な日々で気づいてしまった「最近してない」…。

こんにちは。シンママ歴8年で、子連れ再婚をしたあおいあんです。前回は、息子・蓮が中学受験のため塾に通い出した瞬間、同じ小学校のママ友があからさまに態度が変化したお話をお伝えしました。夫である臣斗くんのヘルプもあり、蓮は何とか塾の勉強についていかれ、母の術後も心配なく、ホッとした毎日を過ごしていると、ふとあることに気づいてしまった…。

「アレ？　私たち最近してない!?」

シングルマザー歴が長かったこともあり、セックスのない日々は当たり前で気にしていなかったが、事実婚をした今、臣斗くんと私は一応夫婦なんだし、愛し合うことがあってもいいハズ。最後にしたのはいつだっけ…。多分私の誕生日に彼の家でしたのが最後。もう丸3ヶ月はしてないってこと?　3ヶ月してないのはセックスレスになるのだろうか？

蓮を産む前はそれなりに性欲もあったと思うし、蓮が生まれてからも元夫としたいという気持ちはあった。でも元夫は私が蓮を産むと私のことを「ママ」と呼び、もう女としては見ていないようだった。自分が傷つくのが怖くて、決して自分からは元夫を誘ったりはしなかった。元夫がセックスに誘うのは酔った時だけで、それも徐々に減っていった。セックスレスが離婚の大きな原因にはなっていないが、背中を押す要素のひとつであったことには間違いない。

臣斗くんは私に子どもがいることを知って結婚している。だから結婚後も私のことを「ママ」とは呼ばないし、元夫のようなことになるとは思っていない。今のところ…。母の入院や、お母様の中受圧力、蓮の突然始まった塾通いとちょっと慌ただしかった3ヶ月だっただけで、考え過ぎかもしれない。私はまた自分が傷つかないように、オブラートに包んでそっと心の奥底に仕舞い込んだ。

仕舞い込んだ気持ちを取り出してしまわないよう、いつも以上に母や蓮のサポートや臣斗くんの会社の仕事に精を出した。そんな中、蓮が学校から帰ってくると

蓮

ママ、移動教室のお手紙

そう言って、1泊2日の移動教室のお手紙を渡してきた。

蓮

1日だけ塾の日とかぶるんだよね。どうする？　移動教室行くのやめる？

私

あぁ確かに。蓮はどっちがいい？

蓮

夏前までに基礎をしっかりって言われてるから、塾休むのどうかなと思う。でも結衣ちゃんが行くなら行こうかな

私

塾が大切なのも分かるけど、小学校最後のお泊まりだし、思い出作りのためにも行ったらいいんじゃない？

結衣ちゃんママに確認すると、やっぱり小学校最後だし、思い出作りのために行かせるとのこと。それを聞いた蓮は、易々と移動教室へ行くことに決めた。

移動教室へ行った日の夜、たまには臣斗くんと2人で食事でも行きなさいと、父が仕事から早く帰ってきてくれた。THE・昭和の頑固親父にそんな気遣いができるのかと驚いたが、ここは素直に甘えて出かけることにした。

私

蓮が学校のお泊まり教室に行ったから、今日夜ご飯どう？

臣斗

ちょっと遅くなってもいい？　21時くらい

私は「OK!」とだけ返事した。そのそっけない返事とは裏腹に、今日セックスするんじゃないかと妄想が膨らみ、あたふたと準備を始めた。いつもは着ないタイトワンピがその期待度を表していた。

待ち合わせ場所に着くと臣斗くんはTシャツにスラックスとカジュアルなスタイルだった。自分の張り切り度が一瞬恥ずかしくなったが、アラフォーともなると開き直るのも一瞬だ。

食事中、話題に上がるのは蓮の中受の話や、お互いの両親の話。一度、意見がぶつかった家の購入の話はお互いに避けていた。食事も終わり、そろそろという時

臣斗

せっかくだし、もう一軒飲みに行こうか

その「せっかく」の使い方間違ってる。でもハッキリは言いづらく…。

私

もうお酒はいいかな。それよりも家でゆっくりしたいかも

お酒好きの臣斗くんはちょっと残念そうな顔をしたが、彼の家へと向かった。家に着くと臣斗くんはシャワーを浴びに行った。私は途中のコンビニで買ったアイスを食べながら、チラッとバスルームの方を見る。ここからどうする？　次私がシャワーを浴びている間に臣斗くん寝ちゃいそうじゃない？　私が先にベッドで待ってるのはどう？

セックスレスかも？と、一度気づいてしまった気持ちはやっぱり仕舞い込んでおくことはできず、どうにかセックスへと導こうとする私がいた。

臣斗

あんもシャワー浴びてくれば？

私

うん

臣斗くんが寝ないようにと急いでシャワーを済ませリビングへ行くと、案の定臣斗くんはソファーで寝落ちしていた。がっかりだったし、何とも言えない虚無感を感じた私は、またバスルームに戻り鏡に映る自分の顔を見つめた。「なんで自分だけ頑張ってるんだろう」「なに焦ってるんだろう」「やっぱり臣斗くんも元夫と一緒なのだろうか」気付けば一筋の涙が頬を流れていた。

ソファーで寝ている臣斗くんにブランケットをかけ、私はベッドで寝ることにした。2人きりになれる貴重な時間だったのにな。残念な気持ちと情けなさでいっぱいになった私はふて寝をした。朝起きたら臣斗くんが隣に寝ていて、ことが始まる♡…なんて淡い期待を持ちながら。

蒸し暑さの中、背後で物音がして起きた私。目に映った光景に「あぁセックスレス決定なんだな」と感じた。臣斗くんは会社へ行く準備をしていた。

臣斗

ごめん、昨日寝ちゃって。ブランケットありがとうね。俺仕事行くけど、あんは疲れているだろうからこのまま寝ててね

臣斗くんなりの優しさだったのかもしれない。

私

うん。行ってらっしゃい

布団に潜った女性