呑気とは?意味と読み方をご紹介
呑気とは、性格や気分がのんびりとしていることや、その様子を指す言葉です。「のんき」と読みます。同じ意味で「のんき」というときには、呑気以外にも暢気、暖気の漢字を使うことがあります。
【呑気/暢気/暖気】のんき
名・形動《「のん(暖)」は唐音。「呑気」「暢気」は当て字》
1.性格や気分がのんびりとしていること。こせこせしないこと。また、そのさま。「―な人」「―に暮らす」
2.気晴らしをすること。気散じをすること。「ちっとの間―させましょかと」〈浄・浪花鑑〉
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
■呑気と暢気の違いをご紹介
呑気も暢気も、いずれも「のんき」と読み、性格や気分がのんびりとしていることや、その様子を指します。両者に違いはなく、同じ意味で使います。
なお、「のんき」の正しい漢字は暖気で、温かい気候を指す言葉です。気候が暖かくなると、野山に出かけて気晴らしをするようになることから、のんびりとした様子を指すようになったとされています。
呑気と暢気は、いずれも当て字です。しかし、「のんき」の意味で暖気の漢字を使うケースは多いとはいえず、呑気や暢気の漢字で表記しても間違いではありません。
■呑気はいい意味?悪い意味?
呑気は、性格や気分がのんびりとしていることのため、通常はいい意味で使われます。ただし、いい意味で使うときは、主に自分や身内のことを指すことが多いようです。
・わたしは呑気だから、あまり焦らないけどね。
・このプロジェクトが終わったら、しばらく呑気に過ごしたい。
・祖母は呑気に毎日過ごしているよ。
呑気を自分以外に使うときは、ネガティブなニュアンスを含むこともあるため、注意が必要です。
・君は呑気でいいよね。わたしは毎日忙しくてあくせくしているけど……。
・呑気な顔をしているなあ。締め切りが迫っているのを知っているの?
・あまりにも呑気な返事で気が抜けてしまった。一生懸命に取り組んでいるのはわたしだけなのね。
褒めたつもりで「呑気ね」といっても、相手は「暇そうにしていると責められているのかな?」「嫌味かな?」と感じるかもしれません。呑気という言葉は、なるべく自分以外には使わないほうがいいでしょう。
■呑気症は医療用語
呑気症(どんきしょう)とは、大量の空気を飲み込み、体内に空気が溜まることによって、げっぷをしたり腹部に膨満感を覚えたりする症状を指す医療用語です。空気嚥下症(くうきえんげしょう)ともいいます。
日常生活でも飲食時に空気を少量飲み込みますが、その程度では呑気症は起こりません。しかし、ストレスが強まって緊張や不安に襲われると、唾液と一緒に空気を飲み込むことが増え、呑気症が生じやすくなるようです。
どんき‐しょう〔‐シヤウ〕【×呑気症】
読み方:どんきしょう
無意識のうちに空気を飲み込んで、腹が張ったり、こめかみが痛くなったりする症状。早食い、炭酸飲料の飲みすぎのほか、ストレスも原因となる。空気嚥下症。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
呑気と類似する意味の言葉をご紹介
呑気と似た意味で使う言葉としては、次のものが挙げられます。
いずれも類似する意味で使われますが、ニュアンスが少々異なります。それぞれの使い方やニュアンスを、例文を通して見ていきましょう。
楽天的
楽天的(らくてんてき)とは、物事にくよくよしないで、いつも明るいほうに考えていく様子や呑気な様子を指す言葉です。
呑気には「のんびりとした」という意味合いがありますが、楽天的は「明るい」「物事を前向きにとらえる」といった意味合いで使う点が異なります。
・彼女は楽天的な性格だ。
・楽天的に考えられればいいのだが、心配性なため、つい悲観的に物事を考えてしまう。
・彼の口癖は「何とかなるよ」だ。生来、楽天的なのだろう。
気楽
気楽(きらく)とは、心配や苦労がなく、のんびりとしていられることやその様子を指す言葉です。また、物事にこだわらないことを指すこともあります。
・彼は気楽な身分だから、誰にも遠慮せずに意見をいう。
・気楽な一人暮らしが長いため、今更、ほかの人と暮らすのは抵抗がある。
・気楽なことばかりいうなあ。少しは真剣に考えてよ。