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LIFESTYLE インタビュー

2024.02.02

話題の時代劇作品 橋ものがたり『約束』片岡千之助さん&望海風斗さん スペシャルインタビュー

 

「時代劇専門チャンネル」がお届けする注目オリジナル時代劇 橋ものがたり「約束」。時代劇初主演の片岡千之助さんと、映像作品初出演の望海風斗さんにお話をうかがいました。

初の映像化!話題の時代劇 橋ものがたり「約束」主演・片岡千之助さん&時代劇初出演・望海風斗さんインタビュー

24時間365日時代劇だけを放送している「時代劇専門チャンネル」の、2024年の新作オリジナル時代劇 橋ものがたり「約束」。橋を舞台にした藤沢周平の名作短篇集『橋ものがたり』の中でもとくに人気のこの作品が初めて映像化されます。

監督と脚本は「北の国から」シリーズを手がけた杉田成道さん。さらに、歌舞伎界のホープ・片岡千之助さんの時代劇初主演&宝塚歌劇OGでミュージカル俳優・望海風斗さんの映像作品初出演ということで、熱い話題を呼んでいます!

今回の前編では、主人公の幸助を演じる千之助さんと、望海さんのスペシャルインタビューをお届け。時代劇作品の感想や見どころについてのお話を、詳しく紹介します。

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外れないカツラ、リアルなセット、公開までわからない全体像。こんなところが舞台と違う!

出演のオファーがあったときは、どう思われましたか?

千之助さん(以下敬称略):(歌舞伎)役者としてまだまだ未熟で、映像の仕事も経験が少ないなか、“時代劇”というジャンルで自分に主役が務まるのかという気持ちがありました。ですが、現場に入るときには主役としての覚悟を決めました。 自分の父(片岡孝太郎さん)や祖父(人間国宝の十五代目片岡仁左衛門さん)の舞台や映像での姿を見てきたのでそこに少しでも近づけるように、現場を盛り立てる気持ちで取り組みたいと。もちろんひとりではできないことですので、監督をはじめ共演者の皆様、スタッフの方々に助けていただきながら撮影を走り切りました。

望海さん(以下敬称略):正直に言いますと、最初は「なんで私!?」と。初めての映像作品にくわえて難しい役どころで、「作品を壊してしまわないか」「私では力不足なのでは」と悩みました。杉田監督のこの作品にかける想いをうかがい、私もこの作品に携われたらという考えが芽生えたこと、今までやったことのない新しいイメージの役に挑戦してみたいと思ったことで受けさせていただきました。

映像作品ですがお稽古をしていただき、その最中に「やっぱり大丈夫かな、監督はもしかして(オファーしたことを)失敗したと思っているんじゃないかな」という波が3回くらいきたんですけれど(笑)。でも、緊張しながら行った京都の撮影でみなさんが作ってくださる温かい空気感や素晴らしいスタッフワークに触れて、不安がっている場合じゃないなと。「やるしかない」と腹をくくり、監督の言葉や千之助くんのお芝居に助けていただいてなんとか無事に終われました。

千之助さんは歌舞伎、望海さんはミュージカルと舞台を主戦場に活躍されていますが、今回の時代劇の映像作品に出演してみていかがでしたか?

千之助:時代劇と歌舞伎って近いものがあるからやりやすいのではと思われがちですが、逆にそこが難しかったですね。昔の時代を感じながらセリフを言うと、お芝居が“舞台”になってしまい歌舞伎に引っ張られてしまうんです。現代劇は普通に話している感覚で芝居ができるから大丈夫なんですけど、時代劇ではそこが苦労したところ。相手役の北 香那さんが映像作品をずっとやられている演技の上手な方なので、同じような雰囲気で芝居を共有できたらということを念頭に、稽古から進めていきました。

あと、歌舞伎とはカツラが違いましたね。歌舞伎のカツラは、羽二重をした上から被っているのですぐに外せるんですよ。映像の場合は近距離でもリアルに見せないといけないため30〜40分かけてしっかりつけるから、現場ではずーっとつけていなければならない。外したときの爽快感は時代劇の映像作品ならではですね(笑)

望海:舞台作品は約1か月の稽古期間があり、同じシーンに出ていない人でもどんな稽古や役作りをしているのかを知ったうえで舞台に上がります。映像作品は、同じ場面に出ている人以外はなにをされているのかまったくわからない状態で、最初は不安がありました。それと、最初の台本の読み合わせでみなさんの声が普通の大きさだったことが印象的でした。「読み合わせのときから声を張れ」と習ってきたから、読んでいくうちに私ひとり声が大きくなっちゃって(笑)

舞台とは違う部分ですごくいいなと思ったのは、細かいところまでリアルなセットや小道具があること。それぞれのスタッフのみなさんがこだわり抜いているセットでそこに現実的な世界が広がっているので、自分が頑張って作り込まなくてもいいというのが新鮮でした。例えば舞台だと、客席の空間を見て「空を見る」みたいな芝居をしちゃうんですけど、映像だともうそこに空が広がっているから、私がなにかをしなくても成り立つんです。それは映像ならではの楽しさかもしれないですね。

千之助:すごくわかります。僕は撮影に入る前日に祖父に電話して、「今回、ちょっと“芝居”をしちゃっているかもしれない」と話したんですよ。そしたら「映像はカメラの前に立っているだけで芝居になるからな」と言われて、ふっと腑に落ちたんですよね。

杉田監督とはどんな話をされましたか?

千之助:稽古のときから自然体の幸助を求めていただきまして、脚本が原作に忠実に仕上げられていたのでそこから得たインスピレーションをもとに“純粋な男の子”としての心持ちを大事にしました。監督と食事をご一緒させていただきながら、舞台と映像の違いや、映像でも映画とドラマは観る側の距離感が違うというお話をうかがいました。監督は本当にパワフルなんですよ。太陽のような笑顔で「やるぞ!」って、フルパワーで先頭を走られているような方。その空気に触れさせていただいたことは、かけがえのない経験だったと思います。

望海:杉田監督はとってもお元気ですよね。ひと言のセリフやひとつの画に対してものすごくこだわりを持っていらして、同じシーンを何度も撮りました。その熱意にこちらも引き上げられ、「折れちゃいけない」と熱量高く臨むことができたと思います。撮影の直前に何度も「息が流れるような芝居を」とお声がけいただきました。リアルにやってということではなく、息を止めることなく画が流れていくような自然さを大切にされていました。なにかをやるとかなにかを起こすのではなく、そのまま、その場で起こっていることを止めないことが大事だと教えていただいたと思います。

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今後の糧になるようなものに出会えましたか?

千之助:まだなにかを掴めたとは言い難いのですが、どんなときでも人の心をまっすぐに演じることの大切さを感じました。

望海:監督をはじめ、制作に携わっている方々の情熱に触れることができたことです。時間をかけて丁寧に、大切に、作品を作っていらっしゃる。その時代のリアルさを、観てくださる方に届けたいという想いですよね。あとは、これから映像作品の見方が変わるだろうなと思いました。例えば、カメラの位置が変わると見えてはいけないものが映ってしまうことがあるから、そのたびに調整していて。世界観そのままのセットもそうですが、そういう現場のプロフェッショナルな仕事を間近で感じたので、「どう作っているんだろう」という見方が生まれそうです。

私は宝塚歌劇時代に、『壬生義士伝』(’19年雪組)や『誠の群像』-新選組流亡記-(’18年雪組)など日本物の作品に出演した経験があり、勉強として時代劇の映像作品を観る機会はわりとありました。そのときに、自分の中に“和の心”のようなものがあるんだなと感じていたのですが、今回また時代劇に触れて、忘れかけていたその心を思い出すきっかけになりました。これからもっと学んでいきたいですね。

千之助:自分の国の話や歴史ですもんね。僕自身、海外の映画や韓国ドラマも大好きですが、やはり日本の人々の心を動かしたひとつの文化としての時代劇は大事にしていきたいと思います。少し前までなら『忠臣蔵』がどんな話なのか多くの人が知っていたけれど、今の若い世代の人はわからないんじゃないかな。それは時代劇だけでなく歌舞伎ともリンクすることで、大切な文化に触れてもらう入り口として自分たちが頑張らなければと感じています。

ふたりの官能的なシーン。お互いいつもと違う立ち位置なので最初は柔道のようだった!?

おふたりが演じる「幸助」「おきぬ」。それぞれどんなキャラクターだと思いますか?

千之助:幸助は、純粋で熱い心を持った人だと思います。周りの雑音に惑わされない太い芯がある。きっと成長したらいい男になるんじゃないかな。「こうすけ」とか「こうちゃん」と耳にすると、今でも懐かしさがありますね。もしかすると今でも自分の中に生きているのかもしれません。

望海:おきぬは、幸助の奉公先の主人の妾。ちょっとわけありの女性です。最初に原作を読んだときは、なんてイヤな人なんだろうと。自分の寂しさを埋めるために人を利用するところは、まったく共感できませんでした。けれど、おきぬに近づけば近づくほどすごくチャーミングな人だと思えてきて。挫折や失敗をしてきて、今度こそ自分なりの幸せを掴めるんじゃないかと思ったのにそううまくはいかない…そういうことを繰り返しているなかで、幸助の存在がとてもまぶしく見えたと思うんです。寂しさというか人恋しさを常に抱えて生きているところが、とっても人間らしいと感じました。観てくださる方がどう受け取られるか、そのドキドキ感はあります。

役を演じるにあたり、工夫されたことや気にかけていたことはありますか?

千之助:とくに意識せず、幸助の心を大事にしていました。歌舞伎役者として着物やカツラに慣れていたことは、大きなメリットだったと思います。その時代の格好はできているから、あとは役に没頭するだけでした。歌舞伎をやっていて祖父によく言われるのは、「セリフを間違えても音を外しても、最終的にその役の気持ちになっていればいい」ということ。それを念頭に、気負うことなく幸助として生きられたと思います。

望海:自分の役が主役の方にどう影響する存在なのかということは、どの作品においても考えています。今回のお話の中で幸助にとっておきぬがどういう存在なのかを監督ともじっくり話しましたし、それがいちばん大事なことなんじゃないかな。舞台作品と違って何度もお稽古をして落とし込むものではないので、セットの力を借りつつ自然な在り方でいられたらと思っていました。

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幸助とおきぬが徐々に心を通わせて距離が縮まっていくところで、意識したところや苦心したことはありますか?

望海:私がクランクインして、最初にふたりの大事なシーンを撮影しなければいけなかったので…。とりあえずあまり考えすぎず飛び込みました。ありがたいことにお稽古もしていただいたんです。自分ひとりで台本を読んでいるだけではわからない心の流れや人の温かさを感じられたことはよかったかなと思います。

千之助:身体的にいちばん距離の近い相手でしたね。幸助は年ごろですし、キレイなお姉さんの甘い誘いがあればなんとはなしに乗ってしまう。でもやはり葛藤もある…。そんななかで僕はもう、(おきぬに)素直に惹かれていました。吸い込まれるように。その秘密の関係をいいバランスで演じられたのは、望海さんといろいろお話して仲良くさせていただけたからかなと思っています。描写的に生々しさはなかったですが、いわゆる官能的なシーンをやるのが初めてで。とくに女性とのそういうシーンは、舞台でもやったことがなかったんです。

望海:お互いにそうだよね。千之助くんは女形が多くて私は元男役だったから、いつもは逆ですもんね。

千之助:最初の倒れ込むシーンの稽古では、あっちを向いたりこっちを向いたりして柔道をしているみたいでしたよね(笑)。カメラの前ではセリフが入るからなんとなくできたけど。

望海:そうそう、たぶんお互いにいつもと逆のことをしなければいけないから、「どうしたらいいんだろう」というのがあって、面白かったですよね(笑)

今回の作品で、映像ならではの見せ場はどの場面でしょうか?

千之助:監督もスタッフのみなさんもすごくこだわり抜いていらっしゃるので、自分たちが意識していないところがいいシーンになっている可能性があると思うんですよね。

望海:そうですよね。舞台はその日に公演したら残らず消えて終わるけれど、映像はその日にやったものがのちのち出てくるじゃないですか。自分がどうなっているのか責任が取れないので、それがちょっと怖い。

千之助:ずっと不安ですよね。

望海:そう、だから観てほしくない気持ちもあります(笑)。監督のことはすごく信じているんですけど、自分自身のことはなかなか信じられないから。

千之助:僕が見ていていいなと思ったのは、おきぬさんが去っていく別れのシーンですね。

望海:私もあのシーンのこうちゃん(幸助)の、立っているときの表情がもう…。あそこはみなさんに観ていただきたいですね。

千之助:時代劇とか映像という枠組みを取っ払っても、藤沢先生の作品は人の物語なので、共感しやすいんじゃないかと思います。


取材陣が多くいる取材会で、おふたりともまっすぐで丁寧な言葉で応えられていた姿が印象的でした。その後の撮影では、ちょっとくだけた雰囲気に。違うフィールドで活躍しているからこそ、お互いをリスペクトしあっている姿勢がうかがえて心地よかったです。

後編は、望海風斗さんのソロインタビューと撮影現場の密着レポをお届けします。さらには杉田監督のコメントなど、WEB Domaniでしか読めない内容が盛りだくさんです。お楽しみに!

撮影/黒石あみ スタイリスト/菊池志真(望海さん分) ヘア&メイク/Eita(千之助さん分)、chie(KIND/望海さん分) 構成・文/淡路裕子

橋ものがたり「約束」

【あらすじ】
錺(かざり)職人のもとに奉公していた幸助は、ようやく8年の年季が明けることになった。幸助には想いを寄せる幼なじみのお蝶という娘がいた。5年前、幸助とお蝶は年季が明けるその日、刻は暮六ツに、萬年橋で会う約束をしていた。互いに想いながらもこの5年の間、幸助は人には言えない秘密を抱えていた。また、お蝶の身にも幸助には話せない辛い思いがあった。橋が見渡せる川辺からそっとお蝶を探す幸助。懐にはお蝶のために作った簪(かんざし)が入っている。果たして二人は萬年橋で再会することができるのか……。

【作品概要】
原作:藤沢周平「約束」(新潮文庫/実業之日本社『橋ものがたり』所収)
出演:片岡千之助、北 香那、望海風斗
山口紗弥加、春海四方、藤田朋子、浅野和之、余 貴美子
武田鉄矢、風吹ジュン、橋爪 功
監督・脚本:杉田成道
音楽:加古隆

【放送日時】
「時代劇専門チャンネル」にて2月3日(土)よる7時TV初放送
*リピート放送 2月25日(日)ひる12時

藤沢周平Ⓡ

特設HP

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