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2024.02.13

「履行」はどういう意味?|民法・不動産での意味や債務不履行など

 

「履行」とは、決めた内容などを実際に行うことを指す言葉です。今回は、さらに詳しい意味や民法・不動産などにおける意味、履行が付く言葉の例、「弁済」との違いを簡単にご紹介します。あわせて、契約・債務不履行の種類と対処法も解説するため、ぜひ参考にしてください。

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「履行」とは?基礎知識をわかりやすく解説

「履行」とは、ビジネスシーンで顧客と契約を交わしたときなどに使うことがある言葉です。意味は決めた内容などを実際に行うことで、読み方は〈りこう〉です。「契約の履行」や「契約不履行」などの表現で使われます。

印鑑と契約書

(c) Adobe Stock

はじめに、履行とはどのような言葉か、簡単に基礎知識を解説します。まずは言葉の意味や民法における履行、もしくは不動産における履行や手付とはどのような内容か、履行が付く言葉の例、履行と「弁済」との違いを確認していきましょう。

意味は決めた内容などを実際に行うこと

【り‐こう履行‐カウ】
(名)スル
1.決めたこと、言ったことなどを実際に行うこと。実行。「約束を―する」
2.債務者が債務の内容である給付を実現すること。履行は債権の効力の面から、弁済は債権の消滅の面からとらえていう語。

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

履行とは、約束などの「決めておいた内容を実際に行うこと」を指します。「債務者が債務内容の給付を実現すること」を意味することもあり、法律関連用語としても使われる言葉です。

また、「契約の履行」とは、「契約の内容が実現して債権・債務が消滅すること」を指します。つまり、契約した内容のとおりに実施されることを指す表現です。

契約の履行によって債権が消滅するため、同じような意味で「債権の履行」や「弁済」とも表現可能です。履行と「弁済」との違いは、また後述します。

民法における履行とは

民法における履行とは、「債務者が債務の内容を実現すること」を指します。また、「契約不履行」とは、契約を結んで約束したにもかかわらず、義務を果たさないことを意味する言葉です。

契約不履行と似た表現に「債務不履行」があります。これらは、どちらもほとんど同じような意味のある表現です。

なお、契約の履行などに関連する言葉である「債務」と「債権」は、それぞれ以下のような意味です。

・債務
……相手方のために、なんらかの行為をする義務のこと

・債権
……相手方に対し、なんらかの行為を請求できる権利のこと

 

たとえば、金銭を貸したものを債権者といい、借り手に返還を要求できる権利や利息の支払いを求める権利を債権と呼びます。

不動産における履行や手付とは

不動産業界でも、履行という表現が用いられます。不動産における履行や手付とは、以下のような意味の言葉です。

・履行
……取り決めた約束や契約などを実際に実行する行為

・手付
……売買契約の締結にあたり、当事者の一方から他方に対して交付される金銭などの有価物

 

一般的に、手付は売買契約における買主から売主に対して交付されます。

不動産において「契約の履行に着手する」と表現した場合、実施するのは履行に向けた準備だけではありません。この場合には、契約における債務の一部に関して、外部から見てわかるような履行行為をしたことを指します。

履行が付く言葉の例

履行という表現が付く言葉は複数あります。履行が付く言葉の例は、以下のとおりです。

・履行義務
……契約の内容を約束したとおりに果たさなければならない義務

・履行期間
……債務者が契約を履行すべき期間

・履行期限
……履行を終えておかなければならない期日

・履行利益
……契約どおりの履行によって債権者が得られるはずであった利益

 

また、履行という表現が付く言葉には、先述したように契約不履行や債務不履行などもあります。

履行と「弁済」との違い

「弁済」も、約束や契約を実行するときに使用される表現です。履行と弁済は、似たシーンで使える表現ですが、意味に違いもあるため注意が必要です。

弁済とは、「借りていたものを相手に返すこと」「債務内容の給付の実現によって、債権を消滅させること」を指します。

履行と弁済との違いは、重視する対象やどのような状態にあるかです。履行は債権の効力を、弁済は返済によって債権を消滅させることを重視します。また、弁済と表現する場合には、すでに何かしらの債権がある状態を指します。

契約・債務不履行の種類と対処法

あわせて、契約不履行や債務不履行に関する理解をさらに深めておきましょう。契約不履行や債務不履行の種類は、大きく分けると「履行遅滞」「履行不能」「不完全履行」があります。また、場合によっては「履行拒絶」が認められるケースもありえるでしょう。

契約書とサインペン イラスト

(c) Adobe Stock

それでは、これらの契約不履行や債務不履行の種類と、もしもそうなった場合の対処法を詳しくご紹介します。

契約・債務不履行の種類

契約不履行や債務不履行の種類とそれぞれの状態は、以下のとおりです。

・履行遅滞
……契約で定めた履行期限が到来しているにもかかわらず、債務者が債務の履行をしないこと

・履行不能
……債務者側の故意や過失により、債務の履行が不可能になること

・不完全履行
……契約の履行自体はされたものの、債務者の故意や過失により本旨に従って行われていないこと

・履行拒絶
……債務者が明確に債務の履行を拒絶する意思を示すこと

 

履行拒絶は、拒絶の意思が確定的で、それを繰り返し伝えていた場合や書面で示されていた場合に認められる可能性があります。

契約・債務不履行が生じた場合の対処法

契約不履行が生じると、債権者側は本来得られる利益を得られず、大きな損失が発生します。もしも契約・債務不履行が生じた場合には、以下のような対処法を実施しましょう。

・損害賠償の請求

・契約の解除

・履行の追完請求の実施

・代金の減額請求の実施

・強制執行を申し立てる

 

強制執行とは、裁判所の力を借りて契約を強制的に履行させる方法です。強制執行以外の方法に相手方が応じなかった場合に検討すると良いでしょう。

履行という言葉を理解しよう

契約書と握手する2人の男性 イラスト

(c) Adobe Stock

履行の意味は、決めておいた内容などを実際に行うことです。契約に関する法律関連用語として、「契約の履行」や「債務不履行」などの形でよく使われます。

履行と似たシーンで使える表現に弁済がありますが、意味に違いもあるため注意が必要です。

契約・債務不履行には、複数の種類があります。もしも契約の相手が契約・債務不履行となった場合にどうするのかをあわせて確認し、言葉と対処法への理解を深めましょう。

メイン・アイキャッチ画像:(C)Adobe Stock

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