シャンプーの後のトリートメント、コンディショナー。毎日やっていることだけど意外とその効果についてよく分かってないかも?今回は、トリートメントとコンディショナーの違いについて、洗剤化学のスペシャリストとして有名な、かずのすけさんにお話をうかがいます。
トリートメントに明確な定義なし。同じアイテムを重ねてるだけかも?
「ドラッグストアに行くと、リンスやコンディショナーヘアマスクなど様々なアイテムが目に入ります。消費者からすると、これらには一体どういう違いがあるのか気になるところではないでしょうか。中には同ブランドに複数のアイテムがある場合、全部重ねてつけたほうがより効果が高まったり、またヘアマスクやトリートメントの方がコンディショナーより上質な成分でできていると思い込んでいる人もいるかもしれません。
ただ、実はこれらのアイテムの呼び方には具体的な定義などは存在せず、メーカーの采配次第でなんとでも呼ぶことができます。市販商品の中には、コンディショナー・トリートメント・ヘアマスクが全てほぼ同じ成分でできているものもあり、同じアイテムを何度も塗り重ねているなんてことも少なくありません。そればかりか、なぜか同じ成分なのにコンディショナーよりヘアマスクの方が値段が倍以上するものなどもあります。商品の呼び名にとらわれず、気に入った使用感のアイテムを1つ用意すれば十分です。」(かずのすけさん)
購入の際はしっかり成分を確認すること!
「トリートメントとは本来『治療』という意味があるのですが、そもそも人の髪は細胞を持っていない『ケラチン』というタンパク質の塊なので、一旦ダメージを受けるとそれが再生されることは二度とありません。どれだけ高級なトリートメントをしても、一度傷んだ髪を元通りにすることは不可能なのです。そのため、重要なのは『できるだけダメージを受けない』ということで、ダメージを有意に抑制できるアイテムは市販トリートメントでは滅多にお目にかかれません。美髪成分が入ってるかを確認して購入しましょう。」(かずのすけさん)
市販トリートメントに高望みしないように
【ここがポイント!】
✔︎トリートメント、コンディショナー。違いに明確な定義はない
✔︎一度傷んだ髪は、トリートメントしても治らない
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洗剤化学のスペシャリスト
かずのすけ
1990年福井県生まれ。京都教育大学教育学部を経て、2016年に横浜国立大学大学院環境リスクマネジメント専攻を卒業(環境学修士・教育学学士)。専門は有機化学で、大学では界面活性剤とタンパク質の研究、大学院では化粧品リスクと消費者教育に関わる研究を行う。現在は研究活動のかたわらサイト運営や化粧品の企画開発、セミナー講師、執筆業などにも携わる。2013年9月よりブログ「かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき」を運営。過去最高月間500万アクセス。確かな知識を生かした化粧品解析やわかりやすいコラムで、肌・髪に悩む多数の読者の信頼を得ている。著書多数。『オトナ女子のための美肌図鑑』『オトナ女子のための美容化学 しない美容』(ともにワニブック刊)等。http://ameblo.jp/rik01194/