出会う人が増えて繋がりが生まれる。退団後はそんなところで刺激を受けています
「組み替えで花組から宙組へいらっしゃって、『翼ある人びと』という作品で初めて組ませていただきました。目から感情がにじみ出るような繊細なお芝居はとても勉強になったし、思い出深いです。朝夏さんは、私のタカラヅカ人生できっかけとなった方。9年間続けられたのも朝夏さんがいらしたからだと思っています」と尊敬の念を語ってくれた、前回の伶美うららさん。
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その言葉を受けて朝夏まなとさんは、「彼女は毎回、（舞台を）まめに観に来てくれますね。伶美さんの方が年下なんですけど、役になると年上になることが多くて。（演出の）上田久美子先生の作品がそういうイメージなんですけどね。大人っぽい風貌じゃないですか。だからめちゃくちゃしっかりしているのかなと思いきや、中身はポヤッっとしてるんです（笑）。私は、ゆうりちゃん（伶美さん）がはっちゃけているときが、ギャップがあって面白いんですけどね。『きゃあぁぁーーー！』みたいに、やたらテンションが上がるときがあるんですよ。みなさんあまりそういうイメージはないと思いますが、特に緒月（遠麻）さんと3人でいるときはそんな一面が見られて面白いです（笑）」と、おふたりの関係性を披露してくれました。
退団されて約1年半ですが、タカラヅカ時代と今とでは、生活は変わりましたか？
朝夏さん（以下敬称略）：大まかにはあまり変わっていない気がしますね。公演のたびに新しい現場に行くっていうのが、大きな違いかもしれません。タカラヅカのときは、先生（演出家）が変わったりしますけど顔を合わせるのは同じメンバーで、プライベートで遊ぶ人もほぼ一緒。今は出会う人が増えて新しい仲間ができ、そこから繋がりができて、先輩の役者さんたちからいろんなお話をうかがったり刺激を受けたりする日々です。
毎日の生活の変化は何かありましたか？
朝夏：うーん…あ！今日から人参ジュースを作るようになりました（笑）
それは最新情報ですね！
朝夏：この記事が出るまでに飽きていなければね（笑）。（ヘアメークの）こうたさんがスロージューサーを勧めてくれて。今まで好き勝手に生きていたのですが、ちょっと健康に気をつけようかなと思って今日さっそく飲んできました。なぜなら昨日、ジューサーが届いたから（笑）。人参にアーモンドなどのナッツ類を入れて、朝ごはんはそれだけ。スロージューサーは果汁だけを絞るから、最初に3本使ったんですが全然足りないんですよ。で、結局6本使いました。
健康を気遣うようになったのは、何かきっかけがあったのですか？
朝夏：ありがたいことにけっこう忙しくて、でも最近体力が回復しなくなってきたんです。野菜は食べるようにはしていたのですが、そこまで食生活を気にしていなかったから見直してみようかと。人参6本ってそのままだと絶対食べられないじゃないですか。なら、その分の栄養が手軽に摂れるジュースにしてみようかなと思って。免疫力を上げるのに、人参はすごくいいらしいですよ。
忙しさは在団中とあまり変わらないのですね。
朝夏：感覚的にはそうですね。でも、寝ないと（自分が）ダメだし、何にもしない日が1日ないのもダメですね。テレビもつけず無音でなーんにもしない、ゴロッゴロする日が必ずほしいです。モフモフしているものが好きで。あぁ、最近触ってないなーモフモフ。会いたいなぁ…ペットショップに行こうかなぁ…。
ペットは飼わないのですか？
朝夏：飼えないですよー、自分の面倒も見れないのに。もし飼うとしたら、猫ですね！モフモフと言っても長毛は大変なので、短毛のマンチカンがいいです。
美しくあるために何か意識されていることはありますか？写真を撮っているとき、二の腕にスッときれいな筋が見えたのですが。
朝夏：え、うそー！あ、6月に（『MANA-HOLIC』で）踊ったからかな？（※この取材は6月末）ずっとそのための練習をしていたから、期間限定だと思います（笑）。めちゃハードだったんですよ。特別に鍛えたりはしていないのですが、「ちょっと運動不足だな」と思ったら自宅の周りを走りますね。走る距離は決めず、走るだけ走って、汗が出てきて少ししんどくなったら止める。疲れすぎてもストレスがたまるじゃないですか。それもたぶんよくないから、「あー、走った！気持ちいい！」っていうくらいで止めて、帰宅してシャワーを浴びます。お風呂ではスクラブってやつを使っています。『笑う男』（舞台）で一緒だった、衛藤美彩ちゃんがくれたんです、公演の最後に「お世話になりました」って。
今の朝夏さんから見るタカラヅカについてうかがいたいのですが、同期で、同じトップスターである紅さんが退団されますよね。ご自身が退団されたときと、心情が重なりますか？
朝夏：現役のトップさんたちに言えることなのですが、退団した私からは「とても頑張っているな」と思うことばかりです。学年が近い、親しい人ばかりなんですけどね。自分もやっていたからこそ、大変なのはわかるから。よくぞここまで、って。タカラヅカのトップスターって、自分のことだけやっていればいいわけじゃないんですよ。今の自分と何が違うって、責任の重さが全然違いますよね。組を背負っているわけじゃないですか。それが私はけっこうハードだったな、と今となっては思います。現役のときは無我夢中だったので、退団した今だからこそ感じることなのですが。紅さんとは同じ時期に同じ立場でいられたので、それは同期としてはうれしかったし、とてもいい思い出です。今は、最後の公演中なのかな？好きなように、やり遂げてほしいなと心から思っています。
退団されたとはいえ、組のトップを走り続けてきたオーラを感じさせてくれた朝夏さん。質問に対してまっすぐに向き合う姿から、強くしなやかな芯を感じました！
次回は、9月に行われる朝夏さんの次回主演作『Little Women－若草物語－』についてうかがいます。お楽しみに。
女性たちの力強い生きざまと家族の絆を描くミュージカル『Little Women－若草物語－』は9月上演
【STORY】
1865年。ニューヨークのカーク夫人宅に下宿するジョーは、出版社から届いた手紙を読んで肩を落としていた。自ら持ち込んだ小説の、22回目の出版拒否を受け取ったのだ。同じく下宿人のベア教授は「あなたの小説を気に入る人は必ずいる」とジョーを励ます。時は戻ってその二年前のマサチューセッツ。メグ、ジョー、べス、エイミーの四姉妹は、牧師として南北戦争に従軍した父を、母と共に待ちながら、慎ましくも明るく暮らしていた。ジョーは、物語を作っては姉妹たちに語って聞かせ、小説家になることを夢見ていた。メグと共に初めての舞踏会に出席したジョーは、隣家のローレンス氏の孫息子、ローリーと出会う。やがてローリーは姉妹の“５人目のきょうだい”となり、姉妹との絆も深まるが―。
『Little Women－若草物語－』
日程：2019年9月3日〜9月25日
場所：日比谷 シアタークリエ
原作：ルイーザ・メイ・オルコット
脚本：アラン・ニー
音楽：ジェイソン・ハウランド
歌詞：ミンディ・ディックスタイン
翻訳：小山ゆうな
演出・訳詞：小林香
ジョー：朝夏まなと
メグ：彩乃かなみ
ベス：井上小百合（乃木坂46）
エイミー：下村実生（フェアリーズ）
ローリー：林 翔太（ジャニーズJr.）
ベア教授：宮原浩暢（LE VELVETS）
ジョン･ブルック：川久保拓司
マーチおばさん/カーク夫人：久野綾希子
ローレンス：村井國夫
お母さま：香寿たつき
問い合わせ：
東宝ナビザーブ
東宝テレザーブ 03-3201-7777（9:30〜17:30）
シアタークリエ窓口（11:00〜19:00）
他、愛知・福岡公演あり
撮影／安井宏充 スタイリスト／加藤万紀子 ヘアメイク／タナベコウタ 文／淡路裕子
ワンピース（クリスチャン・ワイナンツ/ブランドニュース）
女優
朝夏まなと
あさかまなと・9月15日生まれ、佐賀県出身。2002年に88期として宝塚歌劇団に入団、男役として星組大劇場公演『プラハの春』で初舞台を踏み、花組に配属。2005年大劇場公演『マラケシュ・紅の墓標』の新人公演初主演より、その後4回の新人公演主演を務める。2010年宝塚バウホール公演『BUND/NEON 上海』にて単独初主演。2012年に宙組に組替えし、2015年大劇場公演『王家に捧ぐ歌』でトップスターとしてお披露目を果たす。2017年大劇場公演『神々の土地―ロマノフたちの黄昏―/クラシカル ビジュー』にて宝塚歌劇団を退団。退団後はコンサートや舞台で精力的に活動中で、2019年9月のミュージカル『Little Women－若草物語－』のほか、2019年11月～12月にはミュージカル『天使にラブソングを－シスター･アクト－』への出演も決定している。
