【目次】
いまや「働くママ」は7割超え
2017年の国民生活基礎調査によると、働くママの割合が統計開始以来、初めて7割を超えました。昭和55年時点では、共働き世帯(614万世帯):専業主婦世帯(1,114万世帯)だったのが、平成28年には共働き世帯(1,129万世帯):専業主婦世帯(664万世帯)と真逆の数字になっています。
▲出典: 内閣府男女共同参画局 男女共同参画白書 平成29年版 I-3-4図 共働き等世帯数の推移より
1. なのにやっぱり家事と育児はママがやる
6歳未満児をもつ夫婦の家事・育児時間を国際比較すると、日本では妻(7時間41分):夫(家事1時間7分)に対し、アメリカは妻(6時間21分):夫(家事3時間13分)、ノルウェーは妻(家事5時間26分):夫(家事3時間12分)など、日本のママへの負担は国際的にみても「異常な」レベルです。
▲出典:内閣府男女共同参画局 男女共同参画白書 平成30年版 I-3-8図 6歳未満の子供を持つ夫婦の家事・育児関連時間(1日当たり,国際比較)
2. 「男性育休」は増えてきたとはと言うけれど
男性育休を義務化する企業も出てきたこともあって、民間企業における男性育休取得率は5.14%になりました。しかし、その期間は1ヶ月未満が83.1%、内56.9%が5日未満という「なんちゃって男性育休」なのです。
※参考:グラフ(平成27年度 雇用均等基本調査)
3. どうしたらパパも休めるの?
男性育休取得率約9割のスウエーデンでは、390日間は休暇前の給料の8割が給付されます。ドイツでは、育休中の収入補てんを手厚くすることで、パパの育休取得を後押ししています。このような所得保障が大事なのは言うまでもありませんが、家事や育児はママがやったほうがいいに決まっているという「アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)」の払拭や、長時間労働を是とする職場風土や評価制度を変え、パタハラを生まない「サイコロジカル・セーフティ」のある職場を創ることも大切です。
パパもママも変わりなく、望めば育休を取得できる。みんなで生まれてきた子どもを愛で育てる。そんな社会を目指したいものです。
Domanist
伊藤孝恵
2児(女児)の母・ 参議院議員。テレビ局、大手化粧品メーカー勤務を経て、人材総合サービス会社で宣伝を担当。2016年に初当選し、ママパパ議員連盟を立ち上げるなど精力的に活動中。過去に結婚させたカップルは17組。
IG:https://www.instagram.com/itotakae/