mailoveのvenus maiです。前から楽しみにしていた映画「女神の見えざる手」を観てきました!
政治ドラマであり、サスペンスであり、スパイ映画のようでもあり、女性の生き方・働き方についても考えさせられる、とにかく濃厚でスリリングでな映画!!最後まで一瞬たりとも気が抜けません。アメリカ議会のリアルな裏側を描いているという点でも、非常に興味深いです。脚本も映像も構成もファッションも、最高にスタイリッシュ!
凄腕ロビイストである、主人公“エリザベス・スローン”。
1976年7月26日生まれ。国家や企業の税規制に関するロビイ活動に励む有能ロビイスト。常にあらゆることを予見し、敵の動きを予測し、対策を考え、相手を出し抜くことはあっても、決して出し抜かれることはない。味方も欺き、人を道具のように操る。勝つためにはなんでもする…緻密で冷徹な氷の女。
その彼女が、銃規制法案を阻止したい大物政治家たち(実際にアメリカでは銃規制を緩和したい全米ライフル協会が、絶大な資金力と会員数によって、大統領選にも大きな影響を与えていると言われています)の誘いを断り、逆に銃規制法案を通すための不可能とも思える挑戦を仕掛けていく。戦う相手は彼女のやり口を知り尽くした元同僚や上司、巨大な資金と権力を持つ政治家。裏の裏の裏を読みながら、無謀な手を使いながら、突破していく彼女の行き先は…といったお話。
アメリカの議会を操っているとも評される戦略のプロであり、交渉の達人である“ロビイスト”については、ドラマ「ハウス・オブ・カード」でも詳しく知ることができます。議会で法案を通すためには、裏で驚くほど生臭い駆け引きが行われているんですよね(余談ですが、アメリカ議会や大統領選の裏側をこれでもかというぐらい描いたこの傑作ドラマ「ハウス・オブ・カード」、主演のケビン・スペイシーの暴行疑惑で、急遽打ち切りの報道が!すごく続きを楽しみにしていたので、本当にショックです…)。
働く女性が主人公ですし、ファッションもおしゃれで、業界の裏側を描いている。でも「プラダを着た悪魔」的なものを想像していると、強烈なパンチをくらいます。
すべての戦略を仕掛けるエリザベスは、寝ることすら惜しみ、薬が手放せず、食事は毎日同じ場所。できれば錠剤で済ませたいぐらい。“できる女性”、“強い女性”。けれど、絶対敵に回したくないし、正直、味方にもなりたくない!他人も自分も、すべては交渉の道具で、勝つためには本当に、文字どおりなんでもする。この、なんでもする部分が、まあエグいんですが、見どころです。
問答無用に容赦なく、えげつなく、真の意味での女性性とは対極にある、戦略とコントロールに満ちた世界。ですが、その女性性が失われていることに苦悩するところも含めた、複雑で哀しく孤独な姿が、ものすごく魅力的。ジェシカ・チャスティンの素晴らしい熱演!(原題は「miss sloane」ですね。邦題が素晴らしい!)
エリザベスが身につけるファッションも魅力的
サン・ローラン、ヴィクトリア・ベッカム、ジャンヴァティスタ・ヴァリ、アレクサンダー・ウォンなどトップブランドをふんだんに使い、“知的なできる女性”のワードローブを表現。基本は、黒を基調にしたパンツスタイルや体にフィットするワンピースで、それにレースの靴を合わせていたり、黒ジャケットの下に花柄のカーディガンを忍ばせていたりと、小技の効いたモードなスタイル。ドレスアップ姿も参考になります。
服を着たまま眠ってしまった主人公が、メークを落とすところからまず始める朝のシーン。働く女性のあるある!ブラウスは胸元までしっかりとめてコンサバに。だけど、ネイルは黒く塗ってある、その心意気。
ネイビーのワンピースに、靴だけ赤。
ベッドシーンでも、時計だけは外さない。
会食で目立つために、わざと肩を出したワンショルダーでいく戦法。
真っ赤なリップが定番の主人公。だけど、そのリップを塗っていない時こそ、大事なシーンだったりする。これはぐっときました。
ファッションすらも戦略の一つで、すべてが“有能”というイメージにつながる。けれど、そこに自分の弱さや本心が、実は垣間見えたりする。そんな部分も含めて楽しめます。
働く女性たちは必見!!私も、もう一度観に行ってしまいそうです!