偽装結婚と疑われる結婚に利用され、離婚後は不倫相手との子どもを産みシングルマザーに
【取材データ】
里香さん(仮名)、40歳。今年4月に会社を辞めて、美容貿易系の会社を経営。24歳のときに両親の反対を押し切って、韓国人男性と結婚。夫が日本の在留ビザが欲しくて自分と結婚したのではないかという思いが強くなり、離婚。その後韓国で仕事をするが、3千万円の詐欺被害に遭う。その後に出会い、癒してくれた不倫相手の子を妊娠し、シングルマザーに…という、波乱万丈な人生を送っている。
韓国人男性とのデキ婚に、両親は猛反対
今回取材した里香さんは、「なんだか外国人男性にやたらモテそう…!」という、オリエンタルムード漂う美女。3歳の男の子を育てながら、今年の春にアパレル会社を起業したばかりのヤリ手でもあります。
が、お話を聞いてみると、なんだかドラマのようにヘビーで、かなり大変な経験をされていることが判明。その後交際した既婚男性との間にできた子どもを女手ひとつで育てていると言うのです。
東京生まれで、会社経営者の実家でお嬢様育ち。留学経験もあり語学も堪能な才女で頭もいい。
―その里香さんが、なぜそんなハードモードな人生を歩むことになったのか。それはまず、彼女がした、最初の結婚に問題があったようです。
里香さんには23歳のとき、結婚したいくらい好きだった年下の恋人がいたのですが、相手が若かったために結婚を躊躇され、破局。その傷を埋めるように付き合った、韓国人の男性との子を身籠り、まだお互いのことをよく知る間もなく結婚を決めたそう。
里香さん:今まで男女交際に口出ししてこなかった母に、初めて反対されました。母は、趣味で占いをしているような人なんですが、彼のことを「人間的にも男性としても、器がちっちゃっくて魅力がない」と断言してて。だけど私も若かったので、それを押し切って結婚しちゃったんですよね。
デキちゃった結婚のため、式は挙げないつもりだったのが、彼の母親の希望で、韓国で挙式することに決定。が、その前に流産してしまいます。
里香さん:今思えば、あれは「結婚するな」という知らせだったのかもしれません。あのときにやめておけばよかったんです。
「私、偽装結婚に利用されてた!?」
韓国人の夫は、日本で美容系の職に就き、1歳年下。日本では「冬ソナ」人気で、第一次韓流ブームの頃でした。
里香さん:今だったら結婚相手の条件にもっと慎重になると思うんだけど、当時は若かったから。彼が外国人であることも、お金がないことも、気にならなかったんですよねぇ。
衝撃の事実が判明したのは、結婚式を挙げて帰国直後のことでした。
里香さん:彼が使っていたパソコンの画面に、韓国語で書かれたメールが開きっぱなしになってたんです。内容はだいたい理解できたのですが、あまりの内容に、もしかしたら私の取り違いなんじゃないかと思い、画面をスクショして韓国語が堪能な友人に送ったんです。
「日本に住むためとは言え、こんなに辛いとは思わなかった。妻のことを好きになれるかわからないけど、がんばってみる」
―友人が翻訳してくれた内容は、里香さんが思った通りの内容。心臓が口から飛び出すんじゃないかと思うほど、バクバクと音を立てました。
さかい:どういうことですか…!?
里香さん:確証はないんですが、彼は、日本の永住権が欲しくて、私と結婚したみたいなんです。そう言えば、結婚式のときに彼の実家に行ったときも、すごく貧しくて、6畳一間に家族3人で住んでいて。今考えると、日本に住んで稼ぐことで、家族を助けたかったのかもしれませんね。
さかい:知らないうちに利用されていたのかもと思うと、怖いですね…。
里香さん:恐らく…。日本人は全体的に中流社会が当たり前だと思っている気風があって危機意識が低いから、カモになりやすいのかな…とか思ってしまいました。海外では、まだまだ、貧富の差が激しい国が多いので、こういうケースはよくあると、後から知ったんです。
メールの内容について夫を問いただすと、「別れた女性がストーカーになり、神経を逆なでしないように、ああいうメールを送った」という、腑に落ちない答えが。
―その後、夫は否定するものの、やはり偽装結婚に利用されていたのかもという気持ちはどんどん強まり、離婚。離婚後に詐欺で大金を巻き上げられたり、そこでボロボロになって頼った既婚男性の子を身籠ったりと、里香さんの人生の波乱はまだまだ次回に続きます。
インタビュー・文
さかい もゆる
出版社勤務を経て独立。と思った矢先、離婚してアラフォーでバツイチに。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛けるフリーランスエディター。Web Domaniで離婚予備軍の法律相談に答える「教えて! 離婚駆け込み寺」連載も担当。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。