まずは、心のトキメキと自分への関心を取り戻すことから!
「潤う女」でいるために今できることとは?
膣周りの粘液力は、幸せを感じる力に直結していることを心して。同時に、デリケートゾーン専用のコスメやアンダーヘアのお手入れ、オーガニックなサニタリーグッズなど、取り入れられるところから始めてみて!
#1 自分の体をひさしぶりに、じっくり見てみよう
最近、自分の体をじっくり見たのはいつでしょうか? 多くの女性は腕や脚くらいまでなら、肌の潤い度やムダ毛のことなど、普段から小まめに気にかけているはず。でも、デリケートゾーン、膣周りとなるとどうでしょう?
「アンダーヘアを処理して初めてデリケートゾーンをじっくり見て、肌がこんなにシワシワでたるんでいたり、黒ずんでしまうものなのかと、驚く人がほとんどです。老化するまま何もしなければ、年を追うごとに膣周りが乾いてガサガサに。膣周りは、外側にある大陰唇、小陰唇といった部分が脂肪層を含む皮膚層、膣の中は粘液がにじむ、ザラッとした粘膜層という構造になっています。まずは、入浴後など、定期的に膣周りの状態を把握することをおすすめします」(森田先生)
膣周りの現状、洗い上がり、すみずみまで潤った状態か、の確認などに最適な仕様の楕円形のミラー。バルドゥッチ トレスマリア ミラー ¥1,800
#2 指と指との触れ合いから、始めてみよう!
人間は、生まれたときから肌と肌の接触によって感受性が育てられます。女性としての健やかな毎日に、触れ合いはなくてはならないもの。
「肌にある受容体が心地よい刺激をキャッチすると、脳が反応してオキシトシンやβエンドルフィンといった幸福ホルモンが分泌され、心や体が癒されます。手に触れる、でもいいのですが効果的なのは、いわゆる性感帯、くすぐったい場所。耳の後ろあたりから、首筋、脇を通って胸を一周し、体の横をなぞって膣に降り、膣からお尻を通って背中の真ん中を上る。このラインを私は“センシュアルライン”と呼んでいます。快感を得ると神経がゆるまり、気持ちが優しくなれる、といった側面もあります。実際、ストレスホルモンであるコルチゾールが減少することもわかっています」(森田先生)
まずは、手をつなぐ、から試してみて。
#3 顔と同じようにお手入れする意識をもつ
デリケートゾーンのムレやかゆみ、においといったものはどこからくるのでしょう?
「ムレやかゆみ、においは、アンダーヘアについた汗や尿、大陰唇や小陰唇の溝の部分に溜まる恥垢といったものが酸化することで起こります。それらの汚れを落とすとき、洗浄力の強いボディソープや石けんを使うと膣の中を守っている大切な粘液まで洗い落とされてしまうリスクが高まります。粘液を守るには、膣の中に洗浄成分が少し入ってしまったとしても大丈夫なように設計されている、専用洗浄剤で洗いましょう」
「その後は、膣周り全体に専用のクリームを塗って保湿を。肌のターンオーバーが促されることで膣周りの黒ずみを防ぎ、弾力もキープできます。特に乾きが気になる方は、入浴後に専用ローションを膣の中に塗って潤いを与えるのも効果的。SEX時の潤滑剤としても使えるものも」(森田先生)
(左) 植物性の低刺激な洗浄成分で、適正なpHに導く泡ソープ。コスメキッチン ピュビケア オーガニック フェミニン シフォン ソープ ビターオレンジ&レモン 220mL ¥2,100
(中央)デリケートゾーン用のにおい・おりもの対策ジェル。産婦人科医と共同開発、膣内の自浄作用を弱めないよう乳酸を配合。ハナミスイ イン クリア 3本入り ¥1,200
(右)植物成分やホエイで肌の自然なバランスを守りながら保湿。コスメキッチン ビオトゥルム フェミニンクリーム 75mL ¥3,700
お話を伺ったのは…
植物療法士 森田敦子さん
日本での植物療法の第一人者。客室乗務員時代、アレルギー性喘息を患い植物療法で回復したことから、退職し渡仏。仏の国立大学で植物薬理学を学ぶ。40代で第一子出産。現在は、介護の分野でも精力的に活躍。最新著書『潤うからだ』(ワニブックス)が話題に。
Domani 11月号「HAPPYエイジングは「デリケートゾーン」から」より
撮影/金野圭介 イラスト/ホンダ シンイチ レイアウト/山本知香子 文/いしずか久見子 構成/高橋知代(本誌)