脳の成長期のピーク「プレゴールデンエイジ」
「プレゴールデンエイジ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。集中力が高まり、運動学習能力が向上する6歳頃から12歳頃までを指す「ゴールデンエイジ」の前段階で、年齢的には2歳から6歳頃まで。
苦労せずにさまざまな情報をどんどん取り入れることができる、特別な能力を授かっている時期と、今注目されています。
このプレゴールデンエイジでの教育に着目した幼児教育スクール「Pitスクール」が、2020年12月、港区白金台に開園。30年以上保育に携わる、Pitスクール校長の中村真美さんに、子どものしなやかな心を育むためのヒントを聞きました。
2歳から6歳頃までの「聞く力」が英語脳を育てる
Pitスクールでは、「時代の変化にも対応できるのは強さよりも柔軟さ」という考えのもと、体感と音感のトレーニングを軸に子供たちの可能性を統合的に伸ばし、しなやかな未来力を育むことを目指しています。「音感」のトレーニングという言葉は、あまり聞き慣れませんが、この時期に耳を鍛えていると、日本人が苦手とされる、LとRの聞き分けができるなど、英語脳が自然に身に付くそうです。
できるだけ「本物」に触れるため、スクールにはグランドピアノを含め、ピアノが3台も。タンバリンや太鼓などの楽器も、美しい音を奏でるものだけど選んでいます。
そして、体感・音感トレーニングとあわせ、Pitスクールで大切にしているのが、自分で選び、考える力とマインドセットです。
「私たちは、子どもとの関わりの中で、触れ合い、見守り、理解がとても重要だと考えています。親は子どもを心配するあまり、失敗をさせないために“教えてしまう”ことがあります。例えば、転ぶのがわっていると、親はどうしても子どもが転ばないように手を貸してしまう。もちろん大きな怪我につながることは止めるべきですが、子どもは転んだことで学びます。あっ転ぶと痛いんだなと。実体験をすることで、危険を察知する力や、回避する力が身についてきます。
Pitスクールでは、自分がされて嬉しいことを “ぽかぽか行動”、自分がされて嫌なことを“ちくちく行動”と呼び、『それはぽかぽかかな?ちくちくかな?』と、子どもたちにも聞いています。例え、友達同士で喧嘩をした時も、無理に謝らせる、仲直りをさせたりはせず、何でそうなったんだろうね?どうしようか?と、子ども自身で考え、行動するのを見守ります。そして、子どもがどんな行動をしたとしても、考えて、行動したことを認めて声をかけます。経験し、考え、行動する。その繰り返しが、しなやかで折れない心を育てていくのです。親が失敗する姿を見せるのも良いと思います。親が失敗しても、諦めず挑戦する姿を見れば、同じように失敗しても立ち上がろうとします。そうすれば、大人になった時に、自分で乗り越えられる力がつくと考えています」(中村校長)
「愛情をもらっている」安心感が、心の安定をつくる
「子どもが小さいうちから保育園に預けて、愛情不足にならないかな」先輩ママから、そんな悩みを打ち明けられたことがあります。確かに、私も子どもが保育園に通い始めた頃、少し不安になったことがありました。しかし、大切なのは、一緒にいる時間の長さではなく、愛情を伝えることだと、中村校長は言います。
「1日5分でも良いので、抱っこしてあげる、絵本の読み聞かせをしてあげるなど、スキンシップをとるようにしましょう。そして、何があってもあなたのことを助けるからね。あなたのことが大好きだよ。と、愛情を伝えるようにしましょう。子どもは、親の態度や言葉を通じ、愛情をもらっているとわかれば、安心して伸び伸びと活動することができます。親子で同じ景色を見たり、同じ遊びをしたり、一緒に実体験をして、共有・共感することも大事です」(中村校長)
今回の取材をきっかけに、我が家でも「これはぽかぽかかな?」と声をかけるようになりました。3歳半の子どももすぐに理解して、「チクチクだからやっちゃだめ」「ぽかぽかだね」と話すようになりました。どれも、すぐに実践できることなので、試してみてくださいね。
【施設概要】
Pitスクール 白金台校(認可外保育園)
108-0071 東京都港区白金台2丁目7-5
03-6456-2335
Pitスクール白金台校校長
中村真美さん
大学で児童教育を学ぶ。都内にある大学まで一貫の幼稚園に30年以上勤務。教頭職を8年経験し、同園のプレナーサリーにて未就学児の教育にも力を注ぐ 。
Pitスクール教育内容と、代表の三屋氏に惹かれ、Pitスクール校長に就任。