Summary
- 「連絡させていただきます」は、相手に許可を得て遠慮しつつ連絡すること
- 二重敬語にあたり、失礼な印象を与える場合もあるので言い回しに注意する
- 状況に応じて「連絡いたします」や「連絡申し上げます」などを使用する
Contents
「ご連絡させていただきます」の意味とは?
「ご連絡させていただきます」は時と場合により、失礼な表現にあたることがあります。まずは「ご連絡させていただきます」の意味について整理しましょう。
相手に許可を得て遠慮しつつ連絡すること
「ご連絡させていただきます」を日常の中で特に意識することなく使っている方も多いでしょう。「連絡させていただきます」は、相手に許可を得て遠慮しつつ連絡することを意味する言葉です。
「ご連絡させていただきます」の表現は「ご」「連絡」「させて」「いただきます」の4要素に分解することでより理解しやすくなります。
「ご」:丁寧語もしくは謙譲語を意味する接頭語
「連絡」:別々のものがつながることを意味する
「させて」:使役の助動詞
「いただきます」:もらうの謙譲語
それぞれの詳しい内容については後述しますのでご確認ください。
「させていただく」は相手の許可が必要
文化庁では「させていただく」は「相手の許可を受けて行う」「相手が何らかの恩恵を受ける」という2種類の条件を満たす場合にのみ使える言葉としています。つまり相手側が自分からの連絡を許可していない場合、「ご連絡させていただく」は間違った使い方ということです。
例えば「ご挨拶させていただきます」は「挨拶」については「相手の許可」や「恩恵」といった要素を含みません。あいさつや発表などの「相手の許可」が必要のない場合は正しい使い方とはいえないことを理解しておきましょう。
「ご連絡させていただく」は二重敬語にあたる
「ご連絡させていただく」は二重敬語にあたります。二重敬語とは、同種類の敬語が2つ以上含まれる表現のことです。敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類があります。
この3種類のうち、2種類および同種類が2回使われる表現は二重敬語です。前述の通り「ご連絡させていただく」を分解すると「ご」と「いただく」の謙譲語が2回使われており、二重敬語にあたります。
二重敬語の使用は、失礼な印象を与えたり、無礼と捉えられたりする場合もあるので注意しましょう。この場合の言い換えには「ご連絡します」や「連絡いたします」などがあります。
「ご連絡させていただきます」のよくある例文
ここからは「ご連絡させていただきます」によくある例文をいくつか紹介します。実際に使う場面を想定しながら確認しましょう。
後ほどメールにてご連絡させていただきます
「後ほどメールにてご連絡させていただきます」は電話や対面でコミュニケーションをとった後に、メールで議事録や資料などを送付をする際に使うことが多いでしょう。
「後ほどご連絡させていただきます」は、何らかの要因で相手や自分の都合が悪くなり、話が途中で止まってしまった際に使う言い回しです。メールだけでなく、電話やチャットでの連絡の際にも利用できます。
こちらよりメールにてご連絡させていただきます
ビジネスシーンにおいては、先ほどの例文のようにメールの文中に「ご連絡させていただきます」を使うことがありますが、この場合、相手が普段からやりとりがある人でなければなりません。なぜなら「普段からやりとりがある=相手に許可を得て恩恵を受けている」という流れが成り立つからです。
また、場合によっては「させていただきました」と過去形にする場合もあります。たとえば、相手と連絡が取れずやむなく連絡した場合や、電話や面談の内容を確認する目的であれば「メールさせていただきました」とする形です。
当方初めてご連絡させていただきます
営業や問い合わせの電話など突然の連絡で使うことが多いのが「当方初めてご連絡させていただきます」という表現です。「連絡をする側が許可を取っていないことを、連絡を受けた側に対して申し訳ないと思っている」という意味があることは分かります。
しかし「相手の許可が必要」という条件からすると間違った使い方といえるでしょう。この場合の言い換えの例としては「当方初めて連絡いたします」とするのが一般的です。