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今回の「耳恋」はOggiとのコラボ企画! ゲストは人気声優の内田雄馬さんです!
仕事に家事に育児に…毎日頑張っている女性のみなさんに、日頃の疲れが吹き飛ぶようなご褒美を! そんな想いでスタートした、WEB Domaniによる大人の男性声優へのインタビュー連載『女は耳から恋をする』。今回はなんと女性誌『Oggi』とコラボレーション。撮り下ろしポートレートやインタビューを、WEB Domaniだけでなく現在発売中のOggi6月号でも6ページにわたって掲載しています(この記事を読み終わったら、ぜひOggi6月号もチェックしてみてくださいね)!
そんな記念すべき初コラボ回にご登場いただいたのは、現在放送中のアニメ「フルーツバスケット」The Finalで草摩 夾役を演じている、声優の内田雄馬さん。爽やかかつ存在感のある声で、さまざまな注目作品において主要キャラクターを担当。近年は繊細な心情表現にさらに磨きがかかり、その演技力の進化はとどまることを知りません。
▲ここでしか見られない撮りおろしポートレートとともにインタビューをお届けします。天性の明るさと華やかさが滲み出た笑顔も内田さんの大きな魅力ですよね!
物語はついにクライマックスへ…! 『フルーツバスケット』草摩 夾に対して感じている想いとは?
累計発行部数が3,000万部を超える〝全世界でいちばん売れた少女漫画〟としてギネスにも認定されたことがある『フルーツバスケット』。異性に抱きつかれると十二支の動物に変身してしまう〝物の怪憑きの呪い〟を背負って生きてきた一族と、突然の事故で大好きな母親を亡くした女子高生の出会いから生まれる物語は、ファンタジー要素を織り交ぜながら、人間の心の弱さと強さ、絆の在り方を繊細に描いた珠玉の名作。様々な過去やトラウマを持つ登場人物が自分自身と向き合い強くなっていく姿は、時代を超えた共感と感動を呼び、連載終了から15年たった今もなお世界中の人々の心をつかんで離しません。悩みを抱えていた思春期、〝フルバ〟に心を救われたという読者の方もきっと多いはず。
そんな色褪せない名作が、2019年4月より3シーズンかけて全編アニメ化。1stシーズン、2ndシーズンを経て、現在クライマックスとなるザ・ファイナルが放送されています。今作で内田さんが演じているのは、短気でぶっきらぼう、でも本当は優しい心を持つ不器用な少年・草摩 夾。一族の中でもとりわけ異質で深く重い〝呪い〟に縛られて生きてきた彼が、葛藤しながら主人公であるヒロインに心を開き、前へ進もうと成長していく様子は作品における重要なストーリーのひとつ。2年以上にわたって、作品や夾というキャラクターと共に歩んできた今、内田さんの心にはどんな思いが広がっているのでしょう。
「2年以上の年月は経ちましたが、当初からザ・ファイナルに到るまで、僕自身の中での大きな変化はないんです。夾がどんなことを考えて、どう動くのか。物語の中で変わっていく彼の姿をそのまま受け止めて演じてきました。主人公の透(とおる)をはじめとして沢山の人に支えられて、小さな変化を少しずつ積み上げて…最後の最後にようやく大きな一歩を踏み出そうとしているところ。その一歩を踏み出すまでがとにかく長いんですけど、それが夾の本当の変化・成長だし、『フルーツバスケット』という物語の道のりだと思うんです。観る人にとっては、可哀想で辛いと感じてしまうかもしれませんが、最後まで見届けてもらえたら嬉しいです」
▲作品や役に対してのインタビューをしている最中は、天真爛漫な普段のイメージから一変して落ち着いた印象に。
「夾の想いを煮詰めてつくりあげた」というザ・ファイナル。夾が踏み出す一歩の〝重たさ〟を演じながら常に感じていたといいます。なかなか最後の一歩を踏み出せない夾の姿を、内田さん自身はどう客観的に見ていたのか聞いてみると…
「もう〜〜〜、しゃっきりせい!と思っていました(笑)」
と、なんとも素直なコメントが。未来へ向けてのアプローチ、そして心を寄せるヒロインへの想いと行動にみられる〝歯がゆさ〟も、最終章の見どころのひとつかもしれません。
「夾って、自分という存在をまだひとりでは持ちきれないんですよ。だから『放っておけないな』と感じさせられます。その一方、由希(ゆき)はどんどん居場所を見つけて、夾ができずにいる〝未来へ進む〟選択をして自立していくんです。もちろん夾も変化はしてはいるけれど、由希とくらべるとまだまだで…その違いがまた歯がゆいですよね」
内田さんが比較対象として挙げたキャラクターは、物語の中で夾とは正反対の存在として描かれる少年・草摩由希。互いの違いに劣等感を抱き、反発しながらも憧れる…そんなふたりの少年の心の変化も作品の見所のひとつです。
▲今回の撮影は、草摩由希役を演じている島﨑信長さんとおふたりで。多忙なおふたりのスケジュールを合わせるのは至難の技! とても貴重なツーショットなんです。
〝いい男枠〟はあのキャラクター! でも〝好き〟なのは…「やっぱり透しかない」
由希をはじめ、個性豊かなキャラクターが数多く登場するのも『フルーツバスケット』の魅力。…せっかくなので聞いてみたい! 内田さんが特に好きなキャラクターって一体誰なんでしょう?
「うわ〜、めちゃくちゃ難しい質問ですね! どんな切り口で〝好き〟を捉えるかにもよるんですけど…紅葉(もみじ)は本当にいい男だなって思います。年齢なりの心の揺らぎを持っているけれど、ちゃんと相手を思いやる選択ができる。彼は強いですね。高校生であれだけのことを考えられるなら…将来はもっといい男になっちゃう。見た目も成長してかっこよくなっていきますしね!」
と〝いい男枠〟として、うさぎ憑きの少年・草摩紅葉の名前を上げた内田さん。「でも、〝好き〟ってところでいえば…」と続けます。
「やっぱり透(とおる)しかないんです。この物語をみていたら、透のことを好きになっちゃいますよ。一生懸命で、その頑張りに嫌味がなくて、自分の中に葛藤を抱えているのに気づけば人のために動いている。相手のための選択をしていく。たとえそれがエゴだとしても、相手のために何かできることをしようと思う気持ちは、とても尊いものだと思うんです。すごい女の子ですよね」
と、物語の中で夾が心を寄せる主人公・本田 透を〝好き〟だと迷いなく言い切った内田さん。その真っ直ぐな告白(!?)が、どこか夾の姿と重なるようでドキリ。と同時に、夾を演じる内田さんから聞けて嬉しい言葉でもありました。
「そんな透の変わらない心が、変化を怖がる夾を前へと押し出してくれた。自分の人生をなかば諦めていた夾という人間をまっすぐに見つめて、どんな状態であっても『あなたはあなたでいい』と透がずっと伝え続けてくれたからこそ、夾は変わろうとし始めることができたんです」
▲丁寧にじっくりと、自身が演じる夾について語ってくださった内田さん。とめどなくあふれてくる夾に対する考えを伺っていると、冷静に客観的に、どこまでも深く夾の想いを掘り下げて演じられていたことが伝わってきました。
「誰もが一度は抱える悩みを丁寧に描いているから、時代を問わず愛される」——改めて考える『フルーツバスケット』の魅力
『フルーツバスケット』が描くのは、そんな繊細な心理描写。もがきながらも前へ進んでいくキャラクターの姿に、現実世界で悩みを抱える自分自身を重ね合わせては勇気付けられる…〝フルバ〟はいつだって心に寄り添い、明かりを灯してくれる作品です。
「〝フルバ〟は、誰もがどこかで一度は抱えるような悩みを丁寧に描いているんですよね。生きていく上で、ひとつ区切りをつけなくてはいけないタイミングや気持ちってあると思うんですけど、それを表現してくれている。時代というよりそれぞれの〝世代〟に寄り添ってくれているというんでしょうか。だから時代を問わず長く愛されるんでしょうね。共感できる部分もある一方で、大人の立場として作品を見ていると『あと一歩こうすればいい方向に変わっていけるんじゃない?』とキャラクターたちにアドバイスしたくなったりもするし…そんないろんな見方ができるのも面白い部分なのかもしれません」
原作連載当時、リアルタイムで作品を読んでいた! という〝フルバ世代〟な読者の方も多いはず。大人になった今改めて作品に触れてどう感じるか、自分自身の変化や成長を感じながらアニメを鑑賞するのもおすすめです。
そんなTVアニメ「フルーツバスケット」は、毎週月曜日深夜1時30分より絶賛放送中。物語の核心にいっそう近づき、成長していく夾や由希たちの姿は必見です!
そして、WEB Domaniでは「フルーツバスケット」島﨑信長さんver.のインタビュー記事も同時に公開中! こちらも合わせてチェックしてみてくださいね。
内田雄馬さんへのインタビューはVol.2に続きます。次回は、〝島﨑信長さん〟や毎日欠かせないルーティーンなどについて語っていただきました。お楽しみに!
■TVアニメ「フルーツバスケット」The Final 大好評放送中!
2021年4月5日より毎週月曜深夜1:30~テレビ東京・テレビ愛知・テレビ大阪ほかにて放送中。原作・総監修:高屋奈月「フルーツバスケット」(白泉社・花とゆめCOMICS)/監督:井端義秀/シリーズ構成:岸本卓/キャラクターデザイン:進藤優/美術監督:神山瑶子/色彩設計:菅原美佳/撮影監督:蔡伯崙/編集:肥田文/音響監督:明田川仁/音楽:横山克/音楽制作:トムス・ミュージック/アニメーション制作:トムス・エンタテインメント/製作:フルーツバスケット製作委員会
■公式サイト/公式Twitter/公式Instagram ※放送情報は変更になる可能性があります。
©高屋奈月・白泉社/フルーツバスケット製作委員会
声優
内田雄馬
うちだ・ゆうま/1992年9月21日生まれ。2012年声優デビュー。主な出演作に『BANANA FISH』アッシュ・リンクス役、『呪術廻戦』伏黒 恵役など。アーティストとしても活躍中で、最新シングル『Comin’ Back』が好評発売中。
■衣装クレジット
内田さん分[白パーカスタイル]パーカ¥42,900(キャバン 代官山店<CABaN>) カットソー¥20,900(TOMORROWLAND<TOMORROWLAND>) その他/スタイリスト私物、[キャメルニットスタイル]トップス/スタイリスト私物
島﨑さん分 カットソー¥17,600(Sian PR<CONTOROLLA+>) その他/スタイリスト私物
撮影/曽根将樹(PEACE MONKEY)スタイリスト/浅井直樹(Vigroo) ヘア&メイク/瓜本美鈴(島﨑さん分)、花嶋麻希(内田さん分) 構成/旧井菜月、福本絵里香