猫を飼う人は寛大な心が必要だ
「文章が心に刺さる」「写真が素敵」「個性あふれる猫がたまらない」「おいしそうすぎる料理がたくさん」…などなど話題を集めている猫沢エミさんのInstagram。猫沢さんの生き方と生活料理のレシピを組み合わせたエッセイ本『ねこしき』(つまり、猫沢のしきたり)の出版を記念し、インスタ界のスーパー猫・ぐっぴーの飼い主であるさきともがインタビュー。今回は【猫飼いの実態あるある】をテーマに盛り上がりました。
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▲やっぱり猫好きは猫を飼う(あたりまえ)。(写真:鈴木陽介 「ねこしき」より)
猫沢エミさんとぐっぴー飼い主のさきともがおくる
【私たちの猫飼いあるある―実態編―】
さきとも:猫飼いの私たちは、猫や猫がやったことに対しての反応ってだいたい同じなんじゃないかなと考え、「猫を飼っている人がやりがちなこと」のあるあるをピックアップしてみました。
【猫飼いの実態あるある 1】
猫の実年齢がおっさんやおばさんでも赤ちゃん言葉で話しかける
さきとも:これはありますね、みんなそうじゃないですか?
猫沢さん(以下敬称略):普通に話している人はいないですよね、そっちの方が怖い。「早くご飯たべてくださいね」みたいなのは(笑)。さすがに「どうしたのでちゅか?」みたいな話し方はないけど、ちょっと甘え言葉で話しかけていてふと、「ユピは46歳くらいなんだよな…」とよぎることがあります。
▲人間年齢52歳のピガくん(右)と、48歳のユピくん(左)。(写真:鈴木陽介 「ねこしき」より)
さきとも:人間年齢にするとかなり違和感がありますよね。あと、人によるかもしれないですが、猫好きの人は他の家の猫も同じくらい愛でる気がします。犬飼いの人とちょっとそこが違うかな…と感じていて。
猫沢:うーん、そうかもしれませんね。犬も縁があって飼ったらきっとかわいいと思いますけれど、犬だけが好きな人とはちょっと感覚的に違うかも…。猫は集団で暮らさないとか孤独が好きとかという特徴があるって言われていますけど、そんな猫が好きだと「猫しか信じてないでしょ」みたいに思われることがあるんですけどね。でも、猫を飼っている人の方がフレンドリーで仲間感が強い気がします。猫好きの友達は、ほぼみんな猫を飼っていますね。
▲人間年齢48歳のぐっぴー(ピガくんと同い年)。とにかくみんなおっさん。
さきとも:私たちは外で会った猫にも「どしたのー?」と声をかけちゃいます。
猫沢:しちゃいますね。「どっから来たのかなー?」「おうちある?」とか、周りの人を気にせずかなりの大音量で。目線を下にしてね、人間の言葉じゃなくて猫力(ねこりょく)で話そうと念を送るようにジェスチャーで「おいでおいで」とか。
さきとも:あはは! 周りにいる人は結構気になりそうなテンションですね(笑)。
【猫飼いの実態あるある 2】
猫嫌いや動物嫌いの彼氏や彼女とは上手くいかない
猫沢:つき合った人が動物を嫌いだった経験はありますか?
さきとも:結構前ですが、あります。動物全般が嫌いな人でした。当時はとても若くて「この人しかいない」と思い込んでいたので、猫をとるか彼をとるかで悩みましたね。その人と別れてから、話せない分やっぱり猫の方が大切だなと思って、それから誰かとつき合う際には猫が大丈夫か確認するようになりました。
猫沢:私の場合はだんだんと、動物が嫌いな人を好きにならなくなりました。若いときは、カッコいいとかとんがってるという視点で人を好きになることもありましたが、自分の基盤ができると自然に動物好きな人を選ぶようになったというか。動物を好きな人は愛情深いと思うんですよね。
さきとも:うんうん、波長も合う気がします。
▲猫沢家の家族写真。いい顔の猫沢さん、ちょっと警戒気味のピガくん(黒)、イカ耳になっているユピくん(茶)、おおらかなイオちゃん(茶白)。(写真:鈴木陽介 「ねこしき」より)
【猫飼いの実態あるある 3】
家具をボロボロにされてもアートだと言い張る
猫沢:これは猫飼いというより、私ですね。
さきとも:家具のどんなところを攻撃するんですか?
猫沢:これ…ユピのかなりの大作です。爪で研ぎすぎてスポンジが飛んじゃって、ソファの内部の構造までわかるほど。「時の裂け目」っていいうタイトルをつけて。現代アート的なね(笑)。
▲猫沢家のソファにある『時の裂け目』(ユピくん作)。原型を留めない大胆なアート。
さきとも:わー、おしゃれ! 同じ場所で研ぐんですか?
猫沢:そう、ソファの角でやりますね。立って研ぐので、ポール型の爪研ぎを買ったらここではやらなくなりました。早くそうすればよかった。やり始めた頃はまだアートだという受け止めができなくて布を貼って隠していたりしたのですが、必死で作品を創りだしているのを見て諦めがつき、「ユピ先生の活動記録」なんていう動画も撮ってみたり。スリッパもすぐにボロボロにしちゃうし、でもものは考えようですよね。
さきとも:ぐっぴーは家具は全然引っかかないので作品はないのですが、足やデニムを攻撃しますね。とものお気に入りのダメージデニムを引っかきすぎてものすごくパンクにしちゃったり。
▲デニムにスリスリするぐっぴー。膝が好きなのかデニムが好きなのか。
猫沢:人のニオイがついているのが好きなのかな。でもそのデニム、ぐっぴー先生の作品として市場に出したら50万円くらい値がつくかもしれないですよ(笑)。
猫沢家、さきとも家の人と猫の実態が明らかになりましたが、猫飼いのみなさんはいかがですか? 猫を飼っている私は、「その1」に1票。「かわい子ちゃんだねぇ〜♡」と人には聞かせられないような甘い声で毎日話しかけています。それに反応してくれる猫がまたかわいいんですよねぇ。そして猫沢家の巨匠・ユピ先生のさらなる活動記録のインスタアップもお待ちしたいと思います!
取材/さきとも 構成/斉藤裕子
5/9(日)19:30~
丸善・ジュンク堂書店にて、オンラインイベント開催
書籍刊行を記念して、オンラインイベントを実施いたします。掲載レシピの中から「ねこしきベシャメルソース」作成を実演しつつ、保護猫イオちゃんとの出会いやその愛、自分の人生の輝かせ方などを語ります。
猫沢エミ/著 (TAC出版/¥1,650)
SNSでフォロワー急増人気沸騰中、業界にもファンが多い猫沢エミによる「#猫沢飯」が一冊の本になりました。同居する3猫との出会いや彼らとの暮らし、立て続けに看取った両親や家族との関係、仕事のこと恋愛のこと…etc. ドラマチックな人生の節目も平凡な日常も、どんな時だってお腹は減るし私たちは食事をする。最低どん底に凹んだときに食べたいもの、何を食べて立ち上がるのか、そして自分で自分を幸せにするためにはどうすればいいのか。ちょうど半世紀を生きて人生の後半を迎えた女性が、健やかに軽やかにより良く生きていくためにこしらえる、「生活料理人」な著者による普段の食のレシピをお伝えします。
食べることは命をいただくこと、生きること。同時に食べ物は「消えもの」、そして私たち人間だって「消えもの」。
ミュージシャン/文筆家/映画解説者/生活料理人
猫沢エミ
1970年生まれ。2002年に渡仏。2007年より10年間、フランス文化に特化したフリーペーパー《Bonzour Japon》の編集長を務める。超実践型フランス語講座《にゃんフラ》主宰。著書に『猫と生きる。』(辰巳出版)、『東京下町時間』『フランスの更紗手帖』(ともにパイインターナショナル)など多数。
Instagram:@necozawaemi
Domani専属モデル/インフルにゃんサー
ぐっぴー
Instagramフォロワー28.3万人を誇るインスタ猫界のスーパースター。誕生日:2012年11月2日(推定) 年齢:8歳 性別:たぶん男子(去勢済) 出身:東京都足立区 特技:人の話を聞くこと 苦手なもの:掃除機 好きなタイプ:貝殻ビキニの武田久美子
Instagram:@gupitaro
Twitter:@Gupitaro1102
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