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「愛おしい」の3つの意味と例文
小学館『デジタル大辞泉』によると、「愛おしい」の意味は「大事にして、かわいがりたくなるさま。たまらなくかわいい」とあります。
このほかに、「気の毒だ」「つらい」など、愛情とは異なるニュアンスの意味も持ちます。これらの意味の違いを知るには語源から辿ることが必要です。まずは「愛おしい」の意味や例文を紹介します。
大事にしてかわいがりたくなるさま
「愛おしい」は、相手を大事にしてかわいがりたくなる気持ちを表しています。この意味で使う「愛おしい」の例文を見てみましょう。
・彼女はとても魅力的で、みんなから愛おしく思われている
・自分の子供を愛おしく感じるのは当然でしょう
・私にとって彼女はとても愛おしい存在です
・彼はとてもわがままな性格ですが、それさえも愛おしく感じます
・私たち夫婦は結婚して20年経ちますが、今でもお互いを愛おしいと感じています
気の毒に思うこと
「愛おしい」は古語の「厭ふ(いとう)」が語源とされています。「厭ふ」は「つらいと思う」「苦痛で心身を悩ます」といった意味があり、「愛おしい」は相手を「気の毒に思う」という意味で使われるようになりました。
一説には、「いたわしい」と関係する言葉とも言われています。そこから「気の毒」や「かわいそう」が派生し、やがて「守るべき相手を可愛く思う」という意味を持つようになったのです。
「気の毒に思う」という意味の「愛おしい」について、例文で確認しておきましょう。
・被害にあった人たちが愛おしい
・両親を亡くした子供たちが愛おしくなる
この意味の「愛おしい」には、ただ気の毒に思うよりも、弱くて守りたい者に対し心から思いやる気持ちが込められています。
つらいと感じること
「愛おしい」の3つ目の意味は「つらい」「困った」です。もともとの語源に近い意味ですが、一般的にはあまり使われることはありません。例文を見てみましょう。
・人のいやがる仕事ばかりするのは愛おしい
・周りが大変なときでものんびりしているのは愛おしい
この意味で使う場合は、誤解を避けるために「厭(いと)わしい」を使う方が意味が通じやすいでしょう。
「好き」「愛しい」「恋しい」との違い
「愛おしい」は「好き」「愛しい」「恋しい」という言葉に似ています。相手に好意を持っているという点では共通していますが、意味合いや対象は異なるため使い分けなければなりません。
「好き」という言葉は、単にその人の好みを表しています。しかし、「愛おしい」は相手のことを考え、大切にしたいという思いが込められている言葉です。「好き」というよりも「愛おしい」を使うことで、その人のことをより大切に考えていることをアピールできるでしょう。
「愛おしい」と「愛しい」はどちらも古語である「厭う」を語源にしています。「厭う」が「いとほし」となり、それが「愛おしい」に変化し、さらに「愛しい」になりました。意味はほとんど同じですが、使い方が異なります。
「愛おしい」は人だけでなく動物や物などにも使われ、「愛しい」は異性や子どもなど、人が対象です。「恋しい」は、強く心が惹かれる感情を表します。相手を守り、大切に可愛く思う「愛おしい」とは、表す感情が異なることを覚えておきましょう。
相手を愛おしいと思う5つの瞬間
愛おしいという感情は、主に恋人や子供、ペットなどに抱きます。パートナーから明るい笑顔を向けられたとき、自分のために何かしてくれたとき、寝顔を見たときなど、愛おしさを感じる瞬間はいろいろあります。
ここでは、相手を愛おしいと思う5つの瞬間について紹介します。