原因を根掘り葉掘り聞いてませんか?
園や学校から帰ってきたら、なんだか落ち込んでいて元気がない子ども。「何かあったの?」と聞いても、教えてくれずダンマリを決める姿に親としてはモヤモヤ。事を推測して、根掘り葉掘り聞きたくなりますが、このような時どう接するのがベストなのでしょうか。スクールカウンセラーでもあり、臨床心理士・吉田美智子さんにお話を伺いました。
ダンマリのときこそ、親の力が試されるとき
子どもがいつもとは違う、暗い表情でいると親としては心配になりますよね。その原因が知りたと思うのも当然の心理だと思います。このとき子どもの心の中ではどのような動きが起こっているのでしょうか。大きく分けてふたつの思いがあると考えられます。
1.自分の中でも整理がつかず、聞かれても説明ができない
2.説明しようと思えばできるけど、言いたくない(親に教えたくない、口出しされたくない、心配かけたくない、親に言ってもどうにもならないと思う、など)
このような場合、親が子どもの心のドアをノックし続ければ続けるほど、頑なに閉じたままになりがちです。ドアの前に立ち、「何かあったみたいだから、ここにいるし、相談があったら声かけてね」という意思伝達がベストかと思います。
一時は殻に閉じこもりますが、そのうちに子どものペースで話し始めたり、数日後に「実はあのとき…」と打ち明けてくれたりもします。また、何も話さないパターンもあるかと思います。笑顔が戻っていれば、〝自分の力で解決できて、乗り越えたんだな〟と解釈してあげてください。
自分で解決できるのは成長の証ですし、喜ばしいこと。 親としてはちょっと寂しい気持ちになると思いますが、根掘り葉掘り聞いて、あれもこれも解決に導くだけが愛情でないことも、心のどこかに備えておけるといいかもしれません。
また、何も話してくれないまま表情が悪くなる一方や、家で理由なくイライラして絡んでくる、生活態度や持ち物が荒れているというような場合は、学校での様子を担任の先生に聞いてみることをおすすめします。ひとりでは太刀打ちできない壁があるのかもしれません。
子どもに笑顔がないと、親も辛い気持ちになって焦ってしまいますが、ひと呼吸おいて様子を見てあげる余裕を持てるといいですね。
画像/(C)Shutterstock.com
取材・文/福島孝代
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臨床心理士
吉田美智子
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