子どもの将来にまで役立つ「自己肯定感」
この数年でより耳にするようになった「自己肯定感」。これは新たな子育て論であって、流行りのひとつなのでしょうか。スクールカウンセラーとしても活動している、臨床心理士・吉田美智子さんに「自己肯定感」についてお話をうかがいました。
人生100年時代だからこそ、身につけておきたい!
「【自己肯定感】とは〝今の自分を肯定できる・好きだと感じられる気持ち〟として1994年に臨床心理学者・高垣忠一郎氏が提唱しました。その後、外国の子どもたちと比べて、日本の子どもたちは学力は高いのに自己肯定感が低い傾向がわかり、自己肯定感を高める教育が求められるようになりました。
自己肯定感が持てている人は、自分を認め、尊重できるので、物事に対しチャレンジ意欲を持ち、頑張れると言われています。このように高いパフォーマンス力が発揮できるとされる自己肯定感ですが、子どもたちにとって【人生をうまく生き抜く】ために必要だと考えます。今は人生100年時代と言われています。その長い時間の中でいつも右肩上がりとはいきませんよね。成功が約束されない、不安定な時代に、自分らしく幸せに過ごすために自己肯定感を育むといいと思います」
子どもが社会人になりうつ病や適応障害にならないためにも
「親世代は、努力主義・成果主義で育ってきています。そのため、成果が出せないときや、失敗したときなど自分を責める傾向があります。それが、抑うつや適応障害などメンタルヘルスの問題に繋がっているように、現場では感じています。ですから、子どもたちの自己肯定感を正しく育てていくことができれば、〝自分の弱みを認められる〟〝失敗を受け入れられる〟ことができ、将来メンタルヘルス問題にも太刀打ちできると考えます。
自己肯定感は、自信や自己有用感とは異なるので、肯定感がたくさんありすぎて困る・肯定感が強すぎると良くないということはありません。ぜひ、子どもの自己肯定感をしっかりと育んであげてください」
取材・文/福島孝代
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臨床心理士
吉田美智子
東京・青山のカウンセリングルーム「はこにわサロン東京」主宰。自分らしく生きる、働く、子育てするを応援中。オンラインや電話でのご相談も受け付けております。
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