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LIFESTYLE 子育ての悩み

2021.08.10

〝お尻ぺんぺん〟実は法律で禁止されてるって知ってましたか?

 

子どもに何度言ってもいうことを聞かなかったとき、皆さんはどうしますか? 声を大きくしたり、ちょっとお尻を叩いたり…昔はよく見かけた光景だと思います。しかし、この昔ながらのしつけは今の時代、法で禁止されているって知ってますか?

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ママ世代とは違う「体罰」の概念

ママ世代が子どもの頃、家庭や学校ではまだ子どもがお仕置きをされることがあったと思います。行儀が悪くてお尻をペンと叩かれたり、食事のマナーが悪く手をパチンと叩かれたり。

しかし、この昔ながらのしつけは、今の時代では「体罰」とみなされます。スクールカウンセラーとしても活動している、臨床心理士・吉田美智子さんに「体罰」について詳しくお聞きしました。

どんなことが体罰になる?

「まず皆さんが昔受けた、しつけという名の軽い体罰は、2020年4月に施行された改正児童虐待防止法により、法律で禁止されています。具体的にどのような行為が体罰になるのかというと…

●言葉で注意しても聞かないので頭を叩いた
●約束を守らなかったので反省するまで立たせた
●お友だちを叩いたので、同じ気持ちをわからせるために子どものことを叩いた
●宿題をしなかったのでおやつを抜きにした

自分が子どもの頃には普通に見かけていた光景ではないでしょうか? しかし、今はNG行為とされます。ちなみに、子どもを【怒鳴る】【けなす】なども、言葉の暴力として不適切とみなされます」

どうして親は子どもに体罰をしてしまう?

<パターン1>言葉で言ってもわからないからつい…

「何度も同じことを注意していると『もういい加減にして!』と、親も我慢の限界がきてしまいつい手が出てしまう。一番よくあるパターンではないかと思います。これには、親がその問題に対して見直す点が」

●何度も注意していることを、本当に子どもは理解している? 
「親の言葉が足りず説明不足だったり、子どもは一応頷くが難しい言葉で説明していたり、そのことを理解するには年齢的・精神的にまだ早い時期だったり。注意している事柄、注意しているときの言葉など再確認しましょう」

<パターン2>親がイライラしてつい手が出てしまう

「親だって人間なので、毎日繰り返される子育てや家事にキャパシティを超え、ついイライラすることも。これは自然なことですが、子どもに当たっては自分が後で後悔するだけです」

●イライラっときたら部屋を出てみる
「例えば、仕事で帰宅が遅くなり、急いで夕飯の準備をしているのに、子どもがおもちゃを全部ひっくり返して出した。『ザザザー』とおもちゃが流れ出る音に、イライラ度が急上昇しますよね。そんな時は部屋から一度出てクールダウンしてください。お風呂の準備、洗濯機を回しに行く、トイレに入ってみるなど別の行動をしましょう」

●実は別の不安がある場合も
「上記のシチュエーションにイラッとするのは『自分の想定外の行動をとられた』という理由。しかし、子育て全般や夫婦関係などに不安定な感情ある場合も。この場合は、しっかりとその問題と向き合い解消してくださいね」

<パターン3>実際に体罰は効果があるから

「確かに叩いてしまえば、子どもはまた叩かれたくないため同じことはしないようになるかもしれません。しかし、子どもを恐怖で支配するのはNGです。親が体罰を与えると、子どもはフリーズしてしまい、自分の頭で考えることを放棄してしまいます。子どもの脳や心の発達に悪影響を与えるので注意しましょう」

●その体罰は自分へ返ってくる
「子どもは自分が体験したことを体現します。お友達を暴力で支配しようとしたり、やがては親に対して暴力を振るうことも、当然ながら想定されます。世代連鎖にもなりかねませんよね。親の育て方は、子ども、孫、その先まで続くことを意識して子どもと接せられるといいですね」

体罰のないしつけの方法とは?

「では体罰のないしつけ・子育てをするにはどうすれば良いのでしょうか。

1.まずは子どもの気持ち・考えに耳を傾けましょう
2.【言うことを聞かない原因】を今一度しっかり考え直し、伝える方法を見直す
3.【叱る】から【お願い・提案】ベースに変える

特に〝3〟は、親の思考のチェンジが鍵になります。『ダメ・イケナイ!』という決まり文句より、『こうして欲しいな・こっちの方が良くない?』に変えてみませんか? 子どもも素直に聞きやすくなりますし、自分自身も苦しくなくなるはずです。そして〝今できなくてもいつかはできる〟 をモットーとしてください」

体罰のない子育てを当たり前にするのは今のママ世代です。ちょっと手が出てしまうくらいはコミュニケーションのうち、なんてことはありません。セクハラと同様です。相手はコミュニケーションのつもりでも、される側が不快に感じたら訴えられますよね。気持ちを上手に言い表せない子どもだからこそ、力で押さえつけるのではなく、ゆっくり・じっくり・丁寧に付き合ってあげてくださいね。

取材・文/福島孝代

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臨床心理士

吉田美智子

東京・青山のカウンセリングルーム「はこにわサロン東京」主宰。自分らく生きる、働く、子育てするを応援中。オンラインや電話でのご相談も受け付けております。
HP
Twitter: @hakoniwasalon

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