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2023.10.05

「怪我の功名」はどんな場合に使うのが正解?由来や正しい使い方、類語をご紹介

「怪我の功名」は、失敗やなにげなしに行ったことから、偶然に好結果が生まれることを指す言葉です。ポジティブな意味ですが、一度失敗していることが前提であることに注意して使いましょう。このコラムでは、言葉の由来や使い方についてわかりやすく解説します。

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「怪我の功名」とは、意図せず好結果となること

【怪我の功名:けがのこうみょう】
過失と思われたこと、なにげなしにやった事が、意外によい結果になること。

(引用:小学館『デジタル大辞泉』より)

「怪我の功名」とは、失敗や過ちなどから、偶然にも好結果が生まれることを意味することわざで、読み方は「けがのこうみょう」です。たとえことわざを知らなくても意味を想像しやすく、比較的よく使われる表現の一つといえるでしょう。

ここからは、怪我の功名の語源、似ているけれど多少意味が異なる「災い転じて福となす」「不幸中の幸い」との違いについて解説します。

怪我の功名

語源は高い評判という意味の「高名」

怪我の功名の「功名」の語源は「高名」であり、手柄を立てるという意味の言葉です。高名がいつしか功名に変わったようです。また怪我は、もともとは誤るや汚れる、偶然の負傷という意味を持つ「穢れる」の当て字とされています。そのため怪我の功名は、「過ちが偶然、手柄につながる良い結果に転じる」ことをあらわします。

「災い転じて福となす」との違い

「災い転じて福をなす」は、災難を活かして幸福を手に入れるという意味のことわざです。災難を意識的に活用するニュアンスが含まれています。一方、「怪我の功名」は失敗や過ちが「偶然」幸福に転じるという意味です。二つのことわざは一見似ていますが、幸運を招いたのが工夫や努力によるものか、偶然によるものかという明らかな違いがあります。

「不幸中の幸い」との違い

「不幸中の幸い」とは、不幸な出来事の中にも救いとなるような幸運があるという意味の言葉です。そもそも、不幸な出来事というのは起きないことが望ましいもの。それでも、救いとなるようなことがあったから最悪の状況は脱することができてよかったという、自分を納得させたり、他人を慰めたりするニュアンスで使います。「怪我の功名」は過ちや過失だと思っていたことが結果的に幸運に転じることを意味するため、「不幸中の幸い」との違いに注意しましょう。

「怪我の功名」の使い方のコツ

「怪我の功名」は、過失などから偶然に幸運が生じるという意味をもちます。努力して掴み取った幸運にはあてはまりません。また、「こうみょう」の漢字を誤って使うケースにも注意しましょう。

「怪我の功名」は、逆転勝利の意味をイメージすると使いやすくなります。実際に例文をご紹介するので、この点を踏まえて確認してみてください。また、怪我の功名を正しく使うには、間違えて「光明」や「巧妙」を使わないことも重要です。それぞれ詳しく解説します。

的の中心に3本の矢が命中している

逆転勝利の意味で使う

「怪我の功名」は、偶然もたらされた逆転勝利のニュアンスがあります。それを踏まえて使用すると、正しい使い方ができるはずです。努力を積み重ねた正当な結果として幸運を掴み取ったようなケースに使うのは適切ではありません。たとえば「頑張った甲斐あって、勝利を掴み取った。まさに怪我の功名だ」という使い方は誤りです。

「怪我の功名」を使った例文4つ

それでは、実際に「怪我の功名」を使った例文を見てみましょう。

例文

・目的地にはたどり着けなかったが、偶然にも前を通りがかったお店で、ずっと欲しかったスニーカーを手に入れることができた。まさに怪我の功名だ。
・君が寝坊で遅刻したことにより、事故に巻き込まれなくて済んだのは、怪我の功名だろう。
・希望の大学には合格できなかったが、その後学んだ学問があったからこそ、今の天職ともいえる仕事につくことができた。これこそ怪我の功名ではないか。
・今回の実験の成功は、その前の大きな失敗があってこその結果です。まさに怪我の功名ですね。

 

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