こんにちは、editor_kaoです。
2022年最初のコラム! 今回は、個人的なおしゃれの目標について、書いてみようと思います。
新しい服を着たい気持ちと、ミニマルに生きたい気持ちのはざまで
今、この原稿を書いている時点では、暦はまだ2021年。この1年間、どんなおしゃれと触れ合ってきたかを、改めて思い返してみました。vol.9の「2,990円のニットを買う人と、1億9,800万円のジュエリーを買う人」でも書いたのですが、2021年は個人的に仕事環境が変化した年で、雑誌やウェブ、カタログやSNSも含めて、今までとは違った、幅広い媒体と関わることができました。新しい出会いも、寂しいお別れもあった、プチ激動な1年だったんです。
それだけに、携わったブランドも、いつも以上に多くて。インスタグラムを開設していなかったら、知らなかったであろうブランドが発見できたのも、よかった。ここ数年で出版業界は大きく変化していますが、「方法にこだわらず、いいものや楽しい出来事を紹介したい」という気持ちで仕事をしてきましたし、それは、ある程度、達成できたかと思います。
そういったなかで、自分のおしゃれについては「誠実でありたい」ということを、何度も思いました。「数少ないワードローブを、一枚一枚大切に着る」というのが、私の理想なのですが、しかしこれは仕事柄、無理な話で。人に何かをすすめるには、自分でも実際に着てみたり、持ってみたりしないとならないですし、幅広いブランドに携わっている今、守備範囲はさらに広くなってしまいました。あとまあ、元来のミーハー心もあるので、新しいアイテムを試したい欲も大健在。インスタグラムの投稿だって、同じ服の同じ組み合わせばかり、というわけにいきません(よね?)。実際は、以前よりかなりお買い物の数は減っているのですが、クローゼットはすでにパンパン(これは近いうちに整理する予定)。自分でも把握しきれず、好きだったのに忘れていたアイテムが、シーズンが過ぎてから発掘されたりするから、本当によくないんです。やっぱりミニマリストとか、丁寧な暮らしとか、憧れますよね……。
おしゃれにはいつも、きちんと向き合っていたいのです
それでは、理想のワードローブが実現できない私の「誠実」とは? せめておしゃれに対しては、敬意を表したい、と思っています。正直、私は「おしゃれが好きで好きでしかたない」わけではありませんが、「おしゃれで生活している」のは事実。だったら仕事でもプライベートでも、服や小物に対して、雑な向き合い方はしたくないんです。
これ、あまり言っちゃいけない話のような気もしますが、周りのプロの人を見ていても、わかるんです。おしゃれに敬意があるかないかって。たとえばスタイリストさんがリースしてきた、ラックに並べられている服を見ただけでも、それは明確。これは量の問題ではなく、ファッションに愛があるスタイリストさんって、服の並べ方もきれいなんです。リースしている服に筋が通っているので、たとえそれがものすごい数だとしても、めちゃくちゃに見えない。
だからつまりは、もっている服に「筋があるか」どうかではないかと。いいかげんなワードローブは、コーディネートもやっぱりいいかげんになってしまう。私は「10枚の理想のワードローブ」を着回す人生は、残念ながらおくれないけど、「50枚の大量のワードローブ」を、筋をもって組み合わせる人生なら、おくれるかも。ミニマリストにはなれませんが、まずはこれを目標に、2022年のスタートを切ろうかと思います!
【今日のひと手間】
スウェットのサイズ感について。同じ“ユニクロ”のものなのですが、ピンクはS、グレーはLを選んでいます。個人的な見解としては、定番カラーはオーバーサイズが今っぽいけど、きれい色はジャストフィットのほうが大人っぽい印象!
エディター
editor_kao
大人の実用ファッションを中心に、人物インタビューや日本の伝統文化など、ジャンルレスで雑誌やブランドサイト、ウエブマガジンで活動中。また、インスタグラム@editor_kaoでは、私服コーディネートを紹介するかたわら、さまざまなブランドや百貨店とのコラボレーションも手がけている。ライフスタイルWEBメディアkufura(クフラ)でも「4ケタアイテムで叶えるオシャレ」を連載中。
イラスト/柿崎こうこ