搾菜、買ったはいいけどこれどうやって使おう!?
近ごろはスーパーの中華食材コーナーや輸入食品店、またオンラインでもさまざまな中華食材が手に入るようになり、日本人と中華料理との距離がグンと縮まったように感じます。
いつもの食卓に非日常的な風を吹かせてくれる異国の食材の力にますます頼りたいこのごろ、私は以前よりも頻繁に中華街まで仕入れに行くようになりました。
小旅行気分でひと度街に足を踏み入れれば、鼻を刺激する中薬やスパイスの香りや四方八方で飛び交う中国語の会話に、普段は息を潜めている中華愛の血も騒ぎ、あれこれ予定していなかったものまでカゴに入れてしまいます。
でもたまにあるんです。買ったはいいけどこれどうやって使おう! という食材が。
朝ごはん屋をしていてそんな声をよく聞くのが「搾菜 (Zhà cài)」かもしれません。
▲ 搾菜は茎の基部が大きく肥大しているカラシナの変種。このように塊で販売されているものもあれば、薄切りにされていているものも。
脇役としてこじんまりテーブルの端に置かれていたり、定食のたくあん的に出されることが多い搾菜ですが、実は朝ごはんだけでもいろんなメニューに旨味として使われています。
たとえば「鹹豆漿 (Xián dòujiāng)」。あたたかい豆乳スープにお酢を入れることで、豆乳のマイルドさとお酢の酸味の絶妙な融合とおぼろ豆腐のようなほろほろ食感を楽しむことができる台湾朝ごはんの代表格です。
▲ 以前朝ごはん屋でお出しした「豆乳スープと台湾おにぎりのセット」。豆乳スープには、細切りにした搾菜と炒った干しエビとお酢と少量の醤油を。おにぎりにもみじん切りにした搾菜を少量入れました。
乾麺やスープや肉まんなどにも搾菜入れることで味の輪郭がしっかりとし旨味もグンとアップ。
さまざまな応用が利くヘルシーな発酵食材なので、調味料感覚で常備しておけば「ちょっと今日は中華風にしよう」というときに役立ちます。
味つけされた薄切りのものを使いこなせるようになったら、塊から自分好みの搾菜に仕上げてみるのも楽しいかもしれません。
【続】
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ライター
有田 千幸
外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経てライターに。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガル。環境を意識したシンプルな暮らしを心がけている。プライベートでは一児の母。ワインエキスパート。中医薬膳師。家庭薬膳アドバイザー。@chiyuki_arita_official