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2022.02.12

だから元気!? 1日かけて食べる〝台湾おにぎり〟の衝撃

台湾生活の中で私がいちばん衝撃と感銘を受けたのは何といっても “朝ごはん文化”。種類の豊富さ、グツグツモクモクが掻き立てる高揚感、そしてそれをお目当てにしてかしないでか朝早くからアクティブに活動する現地の人々。台湾という国が今のこの世の中でサバイバーとして経済活動を続けられている秘密はきっと「朝ごはん」にある、私にはそんな気がしてなりません。だから私も始めてみることにしました、朝ごはん屋さん。連載第94回目となる今回は、日本人のおにぎり概念を超える「台湾のおにぎり」について。

Text:
有田 千幸
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どんなメニューよりもインパクト大な台湾のおにぎり

近ごろは日本でも雑誌やWEBなどで台湾の朝ごはんを目にする機会や実際に口にすることができる店舗やオンラインショップが増えてきたことで、メニュー名を聞けば「あ、あれね!」と想像できるものも多くなってきたかと思います。

私も自分の朝ごはん屋でお粥や水餃子や豆乳スープや坦々麺や揚げパンなど、いろんな代表的なものをお出ししてきました。

が、その中でひとつだけ必ずといっていいほど「イメージと違った!」という声が上がるメニューがあります。

それが「台湾のおにぎり」。中国語では「飯糰 (Fàn tuán)」といいます。

パワーが必要な日は「飯糰 (Fàn tuán)」で決まり!

以前台湾の航空会社に勤めていたときに、仲良くなった先輩台湾人CAが私の分まで朝ごはんを買ってきてくれたことがありました。

先輩からはその前の日に「明天幫妳帶早餐、飯糰好不好? (明日の朝、あなたの分も朝ごはん買って行くね。おにぎりでいい?)」と言われていたため、私は海苔と白飯に合いそうなお茶を準備してその日出勤。すると先輩が「來 早餐 (はい、朝ごはん)」と手渡してくれたのは何やら丸太型の白い物。しかも形が想像よりも大きいだけでなく重量のほうもかなりずっしり。

▲ 具材は店によって異なるものの、台湾おにぎりといえばこの丸太型が定番。よく見るのはコンビニで売っているおにぎりの2.5倍くらいの大きさで、薄いポリ袋に入ってきます。

中身が肉でんぶのみのシンプルなものもあれば、薄焼き卵やチーズや高菜や揚げパンまで入っているものあり、もはや概念としては外国の太巻き。

もちろん朝ごはんとしてだけでは食べ切ることができないこともよくある話で、そんなとき台湾の人はこれをバッグに入れてもち歩き、ランチやおやつなどを通し1日かけて食べ切ります。スナック感覚で食べられるので、忙しいときにも重宝。

▲ 私が以前お出ししたものはお米に黒米を2割ほど使用。具材は薄焼き卵、五香粉香る肉そぼろ、ピリッと唐辛子が利いた搾菜、ほうれん草のおひたしと揚げパン。

ちなみにお米はすべて餅米。腹もちがいいので「腹が減っては戦ができぬ」が共通認識である台湾人にとって、これこそまさに真のソウルフードといえると個人的には思っています。

中医薬膳学の世界では普通のお米よりも体を元気にする力が強いといわれている餅米。これを1日かけて食べる台湾人がなぜいつも元気で活気に溢れているのか、このおにぎりを通して少し分かった気がします。

【続】

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ライター

有田 千幸

外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経てライターに。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガル。環境を意識したシンプルな暮らしを心がけている。プライベートでは一児の母。ワインエキスパート。中医薬膳師。家庭薬膳アドバイザー。@chiyuki_arita_official

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