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2018.05.21

オードリー・ヘップバーンも訪れた【奈良】の老舗ホテルに入ってみたら…

この季節に雨の中を観光するのもいいけど、1日ゆったりとホテルで過ごすっていうのも1人旅ならではの贅沢な過ごし方!ライター高橋が魅了された奈良ホテル、普段とは違う目線で選ぶ宿泊施設の見つけ方としてぜひご覧ください。

Text:
高橋聖子
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西の迎賓館で過ごすタイムスリップ時間
 

奈良・春日大社の一の鳥居からほど近く、昔ながらの町並みも見渡せる高台に建つ奈良ホテルは、明治42年(1909年)に建てられた歴史あるホテル。外観は、瓦葺屋根で木造建築の古都奈良にふさわしい風格のある佇まい。現在は本館と新館(1984年)がありますが、本館を設計したのはあの東京駅や日本銀行本店などを手掛けた建築家の辰野金吾氏です。

一歩中に入ると外観の雰囲気とガラッと変わり優雅でノスタルジーな雰囲気に、まるで気分は明治時代にタイムスリップしたかのよう。「辰野金吾さんは西洋建築のレンガ造りを得意としていた方ですが、当時周囲との景観を損なわないようにという市からの要望を踏まえ、和洋折衷の造りとなったそうですよ」と教えてくださったのは、今回館内案内をしてくれる津川あかねさん。奈良ホテルではお客様から要望があった場合、朝の9時から館内案内をしているとのことで、私もお願いして色々と教えていただきました。

歴史ある調度品にうっとり♡

ロビー「桜の間」を入ってすぐに目を引くのは、正面にある平成の大時計。これは、現在の天皇が即位された時にお祝いの意を込めて記念に設置された大時計。この大時計の音色は、15分ごとに奏でるメロディの他にも1時間ごとに12回の違うメロディまで奏でちゃう!なんともロマンチックな調度品です。この日私が聞いたメロディの1つは、見た目の重厚感ある印象とは全く違い、穏やかで優しい音色でした。ここに座ってるだけでアルファ波で満たされそう…。

実はこの大時計の左窓には、およそ70年ほど前(ちょうど戦後あたり)のガラスが今も1枚だけ残っているとのこと!他のガラスと比べると厚みが均一ではないため、少しぼこぼこしているのが特徴的です。その窓から眺める景色には、もしかするとその頃の映像が見えるかも!?…なんて想像が膨らんでしまい、ついつい試してしまった私。ぜひ、みなさんも探してみてください。他にも、カーテンレールやカーテンフックが109年前のままだったり、アインシュタイン博士が演奏したピアノやマントルピースなど、現代にいながら色んな歴史の1ページを垣間見てるような不思議な空間でした。

伝統あるホテルで見つけた、インスタ映えスポット!

ロビーを出ると、吹き抜けの格天井(ごうてんじょう)や大階段が優雅にお目見えします。実はこの大階段の下から7段目は、かなりのインスタ映えスポットとのこと!足が二倍長く見えちゃうんだそう。

それでは津川さん、よろしくお願いいたします!

 ▲どうです?この角度なら憧れの八頭身も夢ではない!??

そして華麗な赤絨毯の階段をゆっくりと二階へ上がっていくと、春日大社本殿の釣燈籠をイメージした珍しい和風のシャンデリアがあり、これがまた圧巻なんです。ついつい見惚れていると、「1983年にオードリー・ヘップバーンが家族で宿泊した際にこのシャンデリアを見て『ワンダフォー、ビュティフォー!』と何度も連呼していたそうですよ」と津川さんが、想像でモノマネまで披露してくれました。そして、それを裏付けるかのように、ここでオードリーヘップバーン家族が記念に撮っていた写真をみて、私もつい同じ角度でパシャリ。

▲オードリー家族が撮っていたアングルとほぼ同じ。真似しちゃってください♪

憧れのオードリー・ヘップバーンも宿泊したお部屋

 ▲この扉を開ければオードリーが宿泊した部屋が…♡

そして向かったのが、オードリーが実際に宿泊したというお部屋へ。本館には2部屋しかないデラックスツインというタイプ。部屋の中も和洋折衷を取り入れたデザインとなっているのが印象的で、2部屋しかないこの部屋は、中で隣と行き来できる造りになっているそう。いまだにどの世代にも人気で女性の憧れでもあるオードリー・ヘップバーンが宿泊したお部屋に足を踏み入れさせていただきました。

 ▲御簾(みす)や正倉院文様の宝相華をデザインとした絨毯に日本古来の気高い趣を感じます

火除けのまじないとは!?

他にも、新館や館内に飾ってある美術品や擬宝珠のお話などを聞いて回ったあとに、ちょっとしたエピソードも教えてくださいました。それは、奈良ホテルが木造建築であるゆえ火事になることが一番の恐れだったため、願掛けの意味を込めてホテルに仕掛けられた火除けのまじないについてでした。そのまじないは、建物のデザインに3つ施されているとのことで、そちらも最後に見させていただくことに。

1:ロビーを出た隣のバー入り口にあるエッチングガラス

絵には、東大寺の鐘楼と興福寺の五重塔が描かれていますが、よく見ると魚が縦に描かれているのがわかりますでしょうか?これは、水の中を泳ぐ魚にここは守られている。という意味が込められているそう。

2:屋根の上

鴟尾(しび)と呼ばれる瓦葺屋根につけられる飾りの部分。語源などは明らかではないそうですが、ここから鯱(しゃち)へ変形したそうです。鯱はよく雨を降らす神魚として、建物が火事の時は水を噴き出して消すという守り神の意味。新館の入り口に展示されてるものもありました。

3:本館入り口の真下にある懸魚(げぎょ)

懸魚部分にあるウイスキーの樽の栓のようなものがありますが、その栓を抜くと大量の水が出てくるという意味が込められているそうです。

神宿る古都奈良で火除けのまじないって、効果ありそうですよね。

最新技術のあるホテルもいいけど、過去にタイムスリップできるようなゆったりとした時間が流れる奈良ホテル。雨が降った日は、わざと観光せずに、好きな本を持ってゆっくりとロビーで読書したり、館内の見どころを巡って過ごすっていうのも、オトナの1人旅ならではの醍醐味です。

取材協力
奈良ホテル公式サイト

ライター

高橋聖子

1981年北海道生まれ。ドラマの衣裳コーディネーターやアパレルPRを経て、36歳にしてフリーに転職。現在は、駆け出しライターとカフェ店員のダブルワークに奮闘中。趣味は、日本の古き良き町並みや文化に触れること・カフェ巡り・国内ぶらり旅。

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