運動神経は生まれつきじゃない!適切な運動環境で培われるもの
小学校に入ると体育の授業が始まったり、クラブ活動があったりで、運動神経のよさも気になってきますよね。基礎体力をつけたいと思い、子供にスポーツを習わせる場合もあると思います。では、水泳や体操といった運動は、何歳くらいから始めるのがよいのでしょうか? さまざまなスポーツを子供たちに教えている、コナミスポーツ(株) スクール事業部 水原康賀さんにうかがいました。
「運動神経は生まれつきのものではなく、幼少期からの運動経験により培われていきます。図①は『スキャモンの成長曲線』と呼ばれるもの。幼少時代の発達を見ていくと、20歳を100%としたときに運動神経と直接関係する『神経系』の発達は出生直後から急激に発育し、6歳までには、90%に達していることがわかります。
それと時期を同じくして、『動作の習得』の発達は、徐々に発達量を増し、8歳から9歳をピークに発育していきます。そして、10歳から12歳は『ゴールデンエイジ』と呼ばれる『即座の習得』* が可能な年代となり、身体的にも精神的にも大きく発育します。ですから運動は、吸収力の高い幼少期から始めるのがベストで、児童期に多くの運動経験をすることが大切です」(コナミスポーツ(株) 水原さん 以下同)
*「即座の習得」とは新しい運動を何度か見ただけで、すぐにその運動を見よう見まねでこなしてしまう能力のこと
さまざまな運動を体験することで「コーディネーション能力」が育まれる
「吸収力の高い幼少期・児童期にさまざまな動きを経験することで、7つの能力、識別能力・定位能力・変換能力・反応能力・リズム能力・バランス能力・連結能力を育てることができます。これは『コーディネーション能力』と呼ばれるもので、自分の体を思い通りに動かすために必要なもの。五感で捉えた情報をすばやく処理し、脳からの命令通りに瞬時に適切に体を動かす能力です」
では、運動の種目ごとにどんな能力が発達するのか見ていきましょう!
基礎体力が育まれる「スイミング」
「スイミングを続けることで、まず有酸素運動による心肺機能の向上が期待できます。さらに、全身運動による基礎体力の向上やバランスの取れた体づくりにも役立ちます。また、水に慣れることで水難事故対策にも。プールに入り、皮膚に刺激を与えることによって自律神経の働きを高め、風邪をひきにくくなるというような、免疫力向上も期待されます」
体育の授業にも役立つ「体操」
「運動の基礎になる体づくりや基礎体力の向上に加え、柔軟性の向上が特徴的。さらに、姿勢がよくなるなど、普段の生活にも役立つ面もあります。鉄棒や跳び箱などを練習することで、学校の体育の授業をさらに楽しむことができるでしょう」
コミュニケーション能力にも影響を与える「ダンス」
「体を使い表現する表現力や、音楽に合わせて踊るリズム感、多様な動きによる柔軟性の向上を期待できます。さらに、チームで踊ることによって、コミュニケーション能力や競争心、協調性などを育むこともできます」
チームワークが身につく「サッカー」
「チームプレーによる協調性(チームワーク)やチームの一員になる競争心を培えるのが大きな魅力。さらに、走りながらパスを行う洞察力や役割による判断力も身につきます。サッカーも有酸素運動なので、心肺能力や基礎体力の向上にもおすすめです」
瞬発的な判断力が培われる「テニス」
「ボールを打つ、走る、止まる、飛ぶなど総合的な運動の基礎能力向上に加え、走ることによる心肺能力の向上が期待できます。さらに、相手やボールの動きをみて、現状を瞬間的に判断することによる瞬発的な判断力がつくのも特徴的。1回ミスをしても冷静に分析し、次のプレーに活かす精神力も鍛えられます」
体力をつけたい、体育の授業に役立てたい、チームプレーを体験させたいなど、目的や伸ばしたい能力によって選ぶのもよさそうですが、幼少期の運動で何より大切なのは「運動体験をするきっかけづくり」だそう。「この能力を身につけるにはこの種目でなければダメ」ということはないので、いろいろ体験してみて、子供が楽しんで続けられそうなものを見つけられるといいですよね。
次回は、スポーツを上達させるためにできることや、習い事を長く続けるコツ、さらにチアダンスやトランポリンといった人気上昇中の習い事についてご紹介します!
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