エッセイ集『思い、思われ、食べ、ぼる塾。』をより楽しむ方法は？
「幼馴染のはるちゃんのエッセイは私にとっても新しい発見が多かった」（あんり）
––––今作は、ぼる塾4人のリレーエッセイですよね。他のメンバーが書くエッセイについて、どんなことを思いましたか？
あんり：個人的には、はるちゃんの書く記事が本当に興味深かったですね。ふざけて書いているときもあるのですが、真面目に書いているときは、新しい発見がすごく多かったように思います。元々私とはるちゃんは幼馴染ですが、長年の付き合いだからこそ多くを語り合わないというか…それは私たちの心地よい距離感ではあるのですが、お互いが今どんなことを考えているのかわからないことも多かったんです。こうして改めて文字になると “はるちゃんは、今こんなことを考えているんだなぁ”と知ることができました。
きりやはるか（以下はるか）：泣いた？
あんり：いや（即答）。
はるか：感動した？
あんり：感動というか、単純に興味深かったね。こんなこと考えているんだって思ったよ。
はるか：もっと好きになってくれた⁉ うれしい～！
あんり：そうは言ってないけどね（笑）。
「その時に自分が思ってることを書こうと思った」（はるか）
––––はるちゃんのエゴサをテーマにした回の文章は内容も深くとても印象的でした。
はるか：最初に編集部の方にお話を頂いたときに、“何を書いたらいいんだろう”って色々と悩んだんです。でも、考えても考えても、何を書いていいのかわからなかったので、とりあえず思ったことを書いてみようと。そうしたら最初の記事のように、意味の分からない文章になってしまって（笑）。でも、書くのは楽しいし、好きだし、意外と読んでみたらそれはそれで面白いと思ったので、「これでいいかも」と思ったんです。
順番が回ってきた時に、その時に思っていることを書こうと思ったら、エゴサのテーマを思いついたんです。田辺さんに「急にこういうテーマの記事を書いたら変かな？」って相談したら、「全然いいと思う」と言ってもらえたので、そのまま書き進めることにしたんです。
「私には私の良さがある」と自分に言い聞かせて書いていました（田辺）
––––田辺さんも、自信の趣味趣向についてしっかりと書かれていましたよね。
田辺智加 （以下田辺）：私、文章を書くのが本当に嫌いで、ホントに嫌いなんですよ！ 今も嫌い！
あんり：パワフルだな。
田辺：でも、私が書くなら趣味のことしかないって思ったんです。
酒寄希望（以下酒寄）：あんりちゃんの連載がアップされるタイミングが、私の締め切り日なんです。その時から田辺さん、ドキドキし始めているよね？
田辺：だって作文も3枚書くのに何日もかかる私が、CanCam.jpでエッセイを書くんだから、さすがにドキドキしちゃうでしょ！ でも、シンプルに「私は今、これが好きです！」という伝え方でいいと決めたら、案外スラスラ書けるようになったんです。最初に文章が上手い、あんり、酒寄さんという順番にアップされていったから、“本当にこれでいいのか？”とも思ったんですが、「人と比べるのはよくない、私には私の良さがある」と自分に言い聞かせて書いていましたね。
––––まさに人生の教訓ですね。
田辺：本当にそうですね。次第に、決められた文字数も超えられるようになって、ビックリしました。
「普段は本を読まない人でも、ゲラゲラと笑ってくれるような文を書きたいと思っていた」（酒寄）
––––酒寄さんはnoteも書かれていますし、書く習慣があったと思いますが、いかがでしたか？
酒寄：元々さくらももこさんや三浦しをんさんの本のように、文字だけで笑わせられるエッセイがすごく好きだったんです。私のような普段は本を読まない人でも、ゲラゲラと笑ってくれるような文を書きたいとずっと思っていたので、すごくいいチャンスをいただけたなと思っています。しかも、連載がCanCam.jpさんだったので、美容に交えたテーマで面白いことを書けたらいいなと思っていたんですが、どんどん美容が関係なくなっちゃいました（笑）。
田辺：酒寄さんは、猫塾の時からTwitterの140文字に何を書いたら面白いかということをすごく考えていたよね。私なんか思ったことを適当にツイートしていただけなのに、酒寄さんは何回も考え直していて、すごいなって思っていたよ。
あんり：まさに、この本の告知ツイートも、毎回面白い文と一緒にツイートしていて、すごいなって思いますね。普通告知が続くとあまりいい気がしないと思うんですが、酒寄さんのツイートはそうは思わない工夫がされているんです。
はるか：楽しみなくらいだよね！
––––さて、この本をより楽しむ方法を教えてください。
あんり：メンバーで使い分けて欲しいですね。何も考えたくない時ははるちゃん、ちょっと考えたいときは私、楽しみたい時は田辺さん、笑いたいときは酒寄さんと、気分でメンバーを選んでくれたらフィットすると思います。きっと、何も考えたくない時に私の記事を読んだら、ちょっとうざったいと思うんですよ（笑）。
はるか：良いこと言うね。それが最高の読み方だよね。
––––本当に4人の違った個性が凝縮されている1冊ですよね。
あんり：こんなバラバラなカルテットはいないと思います。全員考えていることが違うので、それがこの1冊に入っているのはすごいと思いますよ。
––––さらに撮りおろしの美しい写真もすごく魅力的でした！
あんり：酒寄さんなんてほぼ深津絵里さんだからね！
撮影／峠 雄三 （『思い、思われ、食べ、ぼる塾』より）
はるか：沖縄で撮影したんですが、ポーズを決めて撮影をしたり、普段のオフの姿がそのまま反映されているかのようなんです。田辺さんもいつも通りの姿で映ってるよね。
撮影／峠 雄三 （『思い、思われ、食べ、ぼる塾』より）
撮影／峠 雄三 （『思い、思われ、食べ、ぼる塾』より）
あんり：いつものぼる塾もいるし、こじゃれたぼる塾、背伸びをしたぼる塾など、いろんな姿が見られます。
撮影／峠 雄三 （『思い、思われ、食べ、ぼる塾』より）
あんり：バスローブはちょっと気取っていると思うので、笑いながら見てもらえたら嬉しいです。
撮影／五十嵐美弥（小学館） 取材・文／吉田可奈
2022年10月13日発売（小学館）
CanCamでの人気連載がついに書籍化！ぼる塾4人のリレーエッセイ。愛するアイドルやスイーツについて語る田辺さんや、個性的な文章が印象的なはるかさん、クスっと笑えて考えさせられるあんりさんに、育休中の酒寄さんが語るおもしろくて深い話と、読みごたえたっぷり。沖縄で撮影した4人の仲の良さが伝わる撮りおろしフォトは必見です。
ぼる塾（ぼるじゅく）
酒寄希望、きりやはるか、あんり、田辺智加による4人組お笑いカルテット。NSC東京校18期生の猫塾、20期生のしんぼるが2019年に即席ユニットとして結成。産休中の猫塾 酒寄を除く3人で『M-1グランプリ2019』に出場し3回戦まで進出し、その後正式にカルテットを結成。4人の仲の良さから生まれる独特の空気感にファンが多数。現在は劇場でのライブのほか、様々なバラエティ番組や執筆活動など各々の得意分野を活かし、個人でも活躍の場を増やしている。
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