こんにちは、editor_kaoです。
大阪・万博記念公園で行われた「Warai Mirai Fes 2022」(詳しくはこちらの記事へ)のイベントレポートも最終回。今回は、子どもたちと一緒に学ぶワークショップについて、書いていこうと思います。お金やエネルギー、街づくりなど、未来に向けた豊かな生活に関わるテーマから、私が参加したのは「食を通じた異文化交流」についてのワークショップ。立命館アジア太平洋大学(APU)ムスリム研究センター・センター長のダハラシ・ナリマン先生による授業を、人気お笑い芸人・ぼる塾さんと学んでいきます。ぼる塾さんといえば、「新スイーツ女王」と名高い田辺さんを筆頭に、テレビのグルメコーナーに数多く出演中。一緒に、楽しく勉強できそう!
▲APUのダハラシ・ナリマンさんと、ぼる塾さん。
今話題の「ハラール食」って知ってる?
SDGsを強く意識したフェスだったので、このワークショップも、食文化の多様性と共生がテーマに。ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」と、近ごろ注目されている「ハラール食」についての話が中心でした。
ハラール食とは、イスラム教を信仰するムスリムが食べられるもので、豚肉やお酒はNG。また食材だけでなく、処理の仕方や調理の仕方にも厳格なルールがあるのだとか。近年、イスラム教の人口が増えていることで、注目が集まっているそうです。
お、思ったよりも濃い内容……。しかしながら、参加している子どもたちはみんな、しっかり話を聞いている様子です。私も、メモを取りながら必死に食らいつくことに。
【editor_kaoのワークショップMEMO】
・世界では、宗教上や健康上の理由でいろいろな食のタブーがある。
・ハラール食=イスラム教を信仰する人が食べられるもの
・ハラール食では豚とアルコールがNG!
・イスラム教徒の人口が増えているので、ハラール食に注目が。
途中途中、クイズ形式で、内容のおさらいをしていきながら、ワークショップは進行。最後に、ハラール食と和食をかけ合わせたメニューを考案し、みんなの前で発表して終了となりました。
▲子どもたちのクイズに答える姿は真剣!
大人でも十分に聞き応えのあった、濃厚なワークショップ。でもそれ以上に驚かされたのが、子どもたちの真剣な眼差しで。最後のメニューを発表する際も、少年が「彩り鮮やかなちらし寿司」と回答していて、正直びっくり! ちなみに私のアイデアは「ブリの照り焼き」と、めちゃ渋……。今って、小学生でも料理の見映えとか意識するんですね。SNS時代だからかしら……。
【独占】ワークショップ後に、ぼる塾さんに感想を聞いてみた!
––––思った以上に学びの多い取材でしたが、最後に、一緒に参加されたぼる塾さんにも、お話が伺えました。ワークショップの感想、いかがでした?
田辺さん(以下敬称略):今回初めて『ハラール』という言葉を知りました。今までも海外に行ったときに、食文化の違いを感じてはいたんですけど、それが宗教上の理由かもしれない、ということは考えたことがなかったので、いい機会でした。
あんりさん(以下敬称略):ハラール食のことを聞いて、制限があるからといって、おいしくないものを我慢して食べているんじゃないんだなって思いました。最後にみんなが考えたメニューも、普通においしそうでしたし。
はるかさん(以下敬称略):日本が肉食文化になったのは、実は明治時代に入ってからということを聞いて驚きました。なんでも食べられて幸せを感じられる今の私たちは、恵まれていて、贅沢なのかなって。
––––食肉の処理の仕方(虐待してはならないなど)が厳格というのも、印象的でしたよね。
田辺:『いただきます』『ごちそうさま』って、あたりまえのように言いますけど、言葉の意味を改めて感じました。
––––私たちは「命」をいただいているんだなって、思いましたよね。
はるか:大事ですよね。気持ちを込めて言わないと。
田辺:あと、ワークショップに一緒に参加してくれた子どもたちが、一生懸命自分なりに考えてる姿を見て、小さいうちから偉いなって思いました。
あんり:結構難しい内容だったのに、1時間、きちんと話を聞くだけでもすごいですよね。
はるか:すごかった。
あんり:私の横に座っている田辺さんは、ハラール料理の写真がモニターに登場したときだけ、立ち上がって見ていたんですけど(笑)。全然こどもたちのほうがしっかりしてて。
田辺:あはは。
はるか:途中のクイズは『全然わかんない』って言ってたのに(笑)。テンションの上がり下がりがすごかった。
あんり:まあ、食文化に興味はあるってことですよね。
▲ワークショップは約1時間ほど。知らない話が多くて面白かったです。
ところで普段のSDGs活動、どうしてます?
––––ちなみに、今回のフェスはSDGsがテーマのひとつになっていますが、みなさんが普段意識していることは、何かありますか?
あんり:ゴミの分別は、かなりきちんとするようにしています。あとこれも食の話ですが、私たち、田辺さんの影響でお茶をよく飲むんです(注:田辺さんは紅茶好きでも有名)。それでマイボトルを持ち歩いてますね。
はるか:田辺さんがティーパックをよくくれるので、それを淹れるんです。だからペットボトルのドリンクはあまり飲まないですね。
田辺:あと、あんりとはるちゃんは、エレベーターを使わないね。
あんり:あー。でも使わない日を決めていますね。毎日だとしんどいので、この番組の収録のときは階段にしよう、とか。
はるか:歩くのが好きなので、タクシーを使わないようにすることも。
田辺:それから、これも食の話なんですけど『食べ物を無駄にしない』。
––––あ、フードロスも大きな問題になっていますよね。買いすぎちゃったりとか。
田辺:……そうなんです(いろいろ思うことがある様子)。
あんり:難しいですよね。テンション上がっちゃうと。
田辺:そうなんですよ……ほんとに、本当に難しいですね……うーん(眉間にシワ)。
はるか:田辺さんは自炊もよくするので、食べられる分だけつくる、とかね。
田辺:そうですね。だからつくりすぎたときに、毎日同じものを食べ続けることもあります。
普段、おいしいものを紹介する番組に、数多く出演されているぼる塾さん。食に、人一倍の愛情とこだわりがあるだけに、フードロス問題については、葛藤を抱えながらも、心を痛めていらっしゃるようでした。
▲3人で話している間も、ずっと楽しそう!
最初は「子ども向け」とタカを括っていましたが、意外と大人も気づきの多かった「Warai Mirai Fes 2022」のワークショップ。知らないジャンルのことを、こんなふうに楽しく学べるのは、フェスならではと言えそうですね。
お笑い芸人
ぼる塾
2019年結成。左から、きりやはるか、あんり、田辺智加、そして育休中の酒寄希望(さかよりのぞみ)の4人組。従来の女性芸人のイメージを覆す、まるで女子会をしているような、ワイワイとしたやりとりで人気を博している。
インタビュー
editor_kao
エディター/大人の実用ファッションを中心に、人物インタビューや日本の伝統文化など、ジャンルレスで雑誌やブランドサイト、ウエブマガジンで活動中。また、インスタグラム@editor_kaoでは、私服コーディネートを紹介するかたわら、さまざまなブランドや百貨店とのコラボレーションも手がけている。ライフスタイルWEBメディアkufura(クフラ)でも「4ケタアイテムで叶えるオシャレ」を連載中。
イラスト/柿崎こうこ