8ヶ月に渡った撮影現場はまるでコメディ? 「誰がより笑わせられるか」がカギ
「Disney+」のコンテンツブランド「スター」にて9月27日(水)から独占配信がスタートした話題のドラマ『最悪の悪』。主演のチ・チャンウク(パク・ジュンモ役)、ウィ・ハジュン(チョン・ギチョル役)、イム・セミ(ユ・ウィジョン役)が来日! ドラマの魅力についてお話をうかがいました。
ストーリー
1995年、韓国から日本へ流れる麻薬密売組織を解体するため、韓国と日本が合同捜査に乗り出す。田舎町の刑事ジュンモは、昇進を狙って新興の犯罪組織に潜入捜査する。まさか自分が、妻のウィジョンと犯罪組織のボス、ギチョルの複雑な関係に踏み込むことになろうとは考えてもいなかった。逃れられない運命の輪に巻き込まれ、ジュンモの不安は募る。真実を解き明かすためには、より深く、より速く行動しなければならない。ミッションが完了すれば、彼らは元の生活に戻れるのだろうか?このゲームで最後に笑うのは誰なのか、最悪の悪は誰なのか?
――激しいアクションが多く見られますがどのように準備をされ、実際にやってみた感想は?
ウィ・ハジュンさん(以下、敬称略):アクションに関してあらかじめ準備をしたことはありませんでした。ただ、僕が演じたチョン・ギチョルのアクションは、出来るだけ簡潔で素早くしたいと思ったので、ボクシングをベースにしました。実際にやってみたらその時々の状況に合わせて、すごく壮絶な感情を表現できるアクションになったと思います。
チ・チャンウク(以下、敬称略):僕もアクションのために特に準備したことはありません。それよりも、とにかくシーンのことを絶えず考えていました。この人物がどういうことを考えているのか、ということを深く掘り下げるようにして、現場でもアクションの監督と一緒にずっと話をしていましたね。ジュンモならではの感情やアクションを最大限見せられるように、アクションの監督との対話を通じて作っていきました。
写真をすべて見る――今回のアクションシーンの参考にしたり、憧れているアクションスターはいらっしゃいますか?
ウィ・ハジュン:子供の頃は他の友達が漫画を読んだり、おもちゃで遊んでいる頃、僕はブルース・リーとジェット・リーの二人が大好きで、よくマネをして遊んでいました(笑)。
チ・チャンウク:憧れていたアクション俳優はいません。なぜなら、実は僕はあまりアクションが好きじゃないんです(笑)。でも、アクションと言っていいかはわかりませんが、日本の力士を描いた映画『サンクチュアリ』は本当に面白かったです。相撲はアクションと言えばアクションですよね?(笑)
写真をすべて見る――お二人は激しく対立したり、イムセミさん演じるユ・ウィジョンを巡った微妙な関係も描かれていますが、現場はどんな雰囲気でしたか?
イム・セミ(以下、敬称略):まるでコメディのような現場でしたね(笑) 。今日は誰がもっと笑わせられるかという感じで、本当にずっと楽しい現場でした。劇中ではいつも武器を抱えていたり、怪我のメイクなどもしていますが、アクションシーンをする前はいつも笑顔があふれていました。私もアクションシーンの現場をよく見に行ったのですが、アクションシーンを撮るのは3日くらいかかるんです。でも、いつも笑い声があちこちから聞こえてくるような雰囲気でした。
――8か月に渡る撮影だったとのことですが、撮影中に印象に残っているエピソードがあれば教えてください
チ・チャンウク:現場では本当になんでもない話をしたり、言葉遊びやだじゃれを言ったりして、絶えず笑い合っていました。作品の雰囲気はとてもディープで、緊張感のある重いもので、僕の役も最後まで笑うことがないくらい、かなり重い雰囲気でしたが、僕たち俳優はモニターの裏の方でいつもおしゃべりをして冗談を言い合う楽しい雰囲気だったのが記憶に残っています。
ウィ・ハジュン:チ・チャンウクさんが言ってくれたように、いつも裏では笑いが絶えずに本当にコメディショーのような毎日で本当に楽しかったです。実は、この作品の中で僕は怪我が本当に多かったんです。手や顔などから血が出るほどのときもあって、初めて救急車で運ばれたこともありました。そんなこともありながら、この『最悪の悪』という作品はきっと大ヒットするだろうと確信しました。だから撮影は大変でしたが、頑張った甲斐があったなと思います。
イム・セミ:全ての瞬間が印象深く残っていて、どれかひとつ選ぶのは難しいです。とにかく、全てが忘れられないいい思い出です。
写真をすべて見る――イム・セミさんはアクション撮影をよく見に行っていたということですが、それは何故ですか? 実際に見てみてどうでしたか? 2話以降、ご自身はアクションをするシーンはありますか?
(この質問に、「お〜!」と反応するハジュンさん)
イム・セミ:お〜!(と、ハジュンさんの声に反応するセミさん)後者の質問はネタバレになってしまうので控えますが、私の撮影はおふたりより少し遅く始まったんです。ジュンモが江南連合(江南の犯罪組織)に潜入をして、ギチョルと会うシーンが続くのですが、私はそのシーンの一瞬だけおふたりとお会いしました。撮影現場ではアクションを合わせてみたりするので、実際現場はどういうものなのか気になりましたし、みんながアクションを合わせたりカットを細かく区切って撮影していた中、私は体を使わない分、心だけでもと思い応援する気持ちで現場を尋ねたんです。私もアクションシーンは少しだけあるのですが、すごく重要なシーンなのでそこに注目していただければ、ドラマをより楽しめるんじゃないかと思います。
――チ・チャンウクさん演じるジュンモは今までにない役柄だったということですが、どのような挑戦でしたか?
チ・チャンウク:どの作品も毎回作品に入るたびに新しい挑戦だと思っていますが、もちろんその都度大変さはあると思います。今作で僕が表現したかったのは、一般的にはドラマの中で主人公が仕事に対する使命感なり、正義感というのが原動力となって突き動かされるケースが多いと思うのですが、パク・ジュンモの場合はそれよりも人間らしさを表現したいと思ったんです。ファンタジーではなくリアルな、人間味を表現したいと思いました。それをベースにパク・ジュンモならこういう選択をするだろうなという風に考えながら作りあげていき、作品の中でジュンモの人間臭さを表現できたらいいなと思いました。
また、今までと違いなじみのないキャラクターかもしれず、観る人がどのように受け止めるだろうと思いましたが、僕にとってはそれが新しいチャレンジでした。これまでも絶えず自分なりに新しいことに挑んできていて、監督が考えていることや、またそれを裏切るような表現ができたとき、僕自身それに対して快感を覚えますし、新しいものを作り出し、新しい刺激や反応を絶えず探す作業でもありました。自分がこれまで見せたことのない姿、演じたことがない姿を、自分の中で模索しながら引き出していこうとしていた期間でしたが、そういう意味では視聴者の皆さんにも“何か新しい感じがするな”と受け止めていただけるんじゃないかと思っています。
――SNSでは既に盛り上がっていますが、作品公開を目前とした今のお気持ちを聞かせてください
ウィ・ハジュン:今、とてもワクワクしています。思っていた以上にたくさんの方たちがこの作品を楽しみにしていてくださっているようなので、その期待を裏切らないような作品になっていればいいなと思っています。