キャリアに迷った時に考えたい、自分の仕事とは？
キャリアを重ねていく中で誰でも「本当にこのままでいいのか」と悩むことがあると思います。会社やプロジェクトが期待通りに進まなかったり、同僚や上司に裏切られたりすることは、多くの人が経験するのではないでしょうか。
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そうした状況で私が座右の銘にしてきた言葉が「仕事はあなたを裏切らない。」です。以前業界の大先輩から言っていただいたこの言葉、時が経つと共に実感しています。過去の仕事の結果を評価頂き前職の仲間と再びプロジェクトを組むなど、今も嬉しい出来事が続いています。
6回の転職を通じて得た教訓
私はこれまで6回の転職を経験してきました。転職を決断する理由はさまざまでしたが、どうしてもポジティブに働けないとき、モチベーションを上げられないときに会社を変わりました。20代前半からファッションや化粧品のPRと宣伝業務という、職人的にスキルアップが必要な職業だった為、転職というより転社。そして当時は今よりも女性のキャリアアップが難しく、転職することでポジションを上げたかったのも理由のひとつでした。
そんな中、この言葉から学んだのは、「常に自分のベストプレイに努めること」の大切さです。スランプに陥った時でも、腐らず小さなモチベーションを最大限、風船のようにふくらまして、目の前の仕事に丁寧に取り組むことが最終的には次のチャンスに繋がるのです。
執着を断つことの難しさ
キャリアを重ねていくと、そのプロジェクトに無くてはならない人の一人になる。ビジネスにおいて人にはそれぞれ役割があり、誰一人欠けてもプロジェクトは痛手です。長年プロジェクトの中心にいると、「自分がいないとプロジェクトが成り立たない」と思ってしまうのは人の常。ましてベストプレイを心掛けて、誠実に努めて来たなら尚更です。
しかし会社もプロジェクトも誰かが欠けても続いていくしかありません。「私がいないと始まらない」は組織として不健全な場合も出てきます。それが若いころは自分の携わるブランドや商品、ショップや人を愛していたから理解できない。ファッションのブランディングはヒトが作るものなので、それくらい熱い気持ちも大切だと今でも思っています。でも熱い気持ちと共に、いつでも離れられる冷静さも重要だと長い年月かけて学びました。会社やプロジェクトと歯車がかみ合わなくなった時、執着を断てば自分の未来の扉を開けることができるのです。
自分の仕事の棚卸し
キャリアの壁に突き当たったときは、自分の仕事の棚卸しをしてみてください。人生の資産には「有形資産」「無形資産」があるといわれています。有形資産はカタチとして見えるものです。不動産とか有価証券、現金、金の置物とかも?! 無形資産は人生なら友人や趣味、特技、健康など。仕事での無形資産はネットワークやスキルでしょうか。ポジティブシンキングなどの気持ちのコントロールも私は含みたいと思います。
自分の今までの仕事を有形資産と無形資産に分けてみてください。PRコンサルティング・ブランディングコーチの私などは、ほぼ無形資産だけで起業した訳ですが、もろもろの契約、仕事のシステムや資料の蓄積、備品などの有形資産も少しずつ出来てきました。ひとつ言えるのは大企業でも零細企業でも、どのような働き方をしていても有形資産も無形資産も蓄積できるということです。もちろん債務になるような働き方にはしたくないですね。その為にも、自分の仕事を棚卸して、無形資産を貯めていけるような働き方を目指してみませんか。
「仕事はあなたを裏切らない」。自分の努力と誠実さは、必ずあなたの未来を照らしてくれるはずです。
ブランディング コーチ
大島文子
ファッションや百貨店、化粧品、ライフスタイル雑貨などのブランディング支援、PRや販促を中心に活動している。8年前に(株)ブルーム&グローという会社を起業。Oggi.jpにて連載していた「ブランディング仕事術」はこちら
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