ボタニカルの意味をチェック
ボタニカルという言葉の、本来の意味を紹介します。同じく自然派を指す言葉として使われる「オーガニック」との違いについても把握しておきましょう。対義語である「ケミカル」についても解説します。
植物の・植物由来という意味を持つ
ボタニカルの元になっている言葉は、「植物の」「植物由来の」という意味を持つ英語です。
ボタニカル【botanical】
[形動]植物の。植物性の。植物学の。
小学館『デジタル大辞泉』より引用
たとえば「ボタニカルシャンプー」は、植物由来の成分を使用したシャンプーです。化学合成された成分ではなく、主に自然植物から抽出された成分を使用している傾向があります。
ボタニカルは「植物」を意味するだけでなく、植物学や植物性といった広いニュアンスを持っています。つまり、植物そのもののほか、植物に関する科学的な知識・研究の意まで含んでいるのです。
オーガニックとの違い
ボタニカルとオーガニックは似ているようで、異なる意味を持つ言葉です。オーガニックは、有機栽培やナチュラルにこだわって作られた食品・製品などを指すときに使われます。
例を挙げると「オーガニック野菜」や「有機野菜」の場合、「有機JASマーク」が付いています。有機JASマークは、農林水産省が定めた規格に適合した栽培が行われていることを示す証です。
一方、ボタニカルは単に「植物由来」を意味し、必ずしも環境に配慮した生産方法を示すわけではありません。また、ボタニカル製品には、オーガニック成分と非オーガニック成分が混在しているケースもあります。
オーガニック(organic)
[形動]
1 有機体の。「オーガニックコンパウンド(=有機化合物)」
2 化学肥料や農薬を使用しない野菜や、添加物を入れていない食料品などをさす言葉。「オーガニックパスタ」
3 インターネット上の各種サービスで、有料広告を介さないこと。検索結果で検索連動型広告を含まない部分や、ソーシャルメディアで広告を介さず配信される記事などをさす。「オーガニック検索」「オーガニックリンク」
小学館『デジタル大辞泉』より引用
ボタニカルの対義語は「ケミカル」
ボタニカルの対義語は「ケミカル」で、人工的に合成された化学物質を指します。食品添加物や化粧品、洗剤など、私たちの周りにはケミカル製品が数多く存在しています。
一方で、近年注目を集めているのが「ノンケミカル」製品です。ノンケミカル製品とは、人工的な化学物質を使用せず、天然由来の成分で作られた製品のことです。
ケミカル製品は合成香料や防腐剤、界面活性剤などを含むことが多く、肌トラブルやアレルギーの原因となる可能性があります。さらに、環境への負荷も懸念されています。
ケミカル(chemical)
多く複合語の形で用い、化学的、化学的に合成した、の意を表す。「ケミカルシューズ」「ケミカルパルプ」
小学館『デジタル大辞泉』より引用
ボタニカルに関連した言葉
ここ最近、植物由来の製品や、植物を生活に取り入れる人が増えているのだそう。ボタニカルに関連した言葉と、具体的な取り入れ方を紹介します。
スキンケアやメイクなど「ボタニカル化粧品」
ボタニカル化粧品は、植物由来の成分を配合した化粧品です。石油由来成分のみで作られた化粧品と比べて肌に優しいとされ、人気が高まっています。
化粧水や保湿クリームなどのスキンケア製品から、ファンデーションやアイシャドウなどのメイクアップアイテムまで、多種多様なボタニカル化粧品が登場しています。
また、シャンプーやコンディショナーにもボタニカル製品が増えています。植物から抽出した水やオイル・エキスを使用し、髪や頭皮に優しい作りとなっているのが特徴です。
植物モチーフの「ボタニカルファッション」
ボタニカルファッションは、植物モチーフのデザインを取り入れたファッションを指します。トップスやワンピース、スカーフといったさまざまなアイテムで「ボタニカル柄」として展開され、ナチュラルで落ち着いた印象であったり、エキゾチックで華やかなイメージを与えます。
花柄とは異なる印象を楽しめるため、単なるトレンドを超えてファッションの定番となりつつあります。
生活に緑を取り入れる「ボタニカルライフ」
ボタニカルライフとは、日常生活に植物を取り入れるライフスタイルのことです。観葉植物を部屋に飾ったり、ハーブを育てたりと、自然の恵みを身近に感じる暮らし方を指します。
ベランダや庭で本格的に植物を育てるのは、ハードルが高いと感じる人もいるでしょう。しかし、リビングに観葉植物や多肉植物を飾るだけでも、ボタニカルライフを楽しめます。
また、キッチンでミントなどのハーブを育てれば、料理の香りづけに使えるだけでなく、摘みたてのハーブでお茶を楽しむことも可能です。植物の世話をすることで心が落ち着き、ストレス解消にもつながります。
ボタニカル製品を使う場合の注意点
〝ボタニカル製品は肌に優しい〟とされていますが、使用の際には注意したい点があります。安全に取り入れるため、保存方法や植物アレルギーなどのリスクについて把握しておきましょう。
使用期限・保存方法に気をつける
ボタニカル製品を使う際は、使用期限と保存方法に細心の注意を払うことが大切です。
石油由来成分の製品は、添加物の使用により長期保存が可能となっています。しかし、植物由来のボタニカル製品は基本的に使用期限が短く、適切な管理が欠かせません。
ボタニカル製品は冷暗所で保管し、開封後は速やかに使い切る必要があります。特に、防腐剤を極力抑えた製品は雑菌の繁殖リスクが高まるため、使用期限を厳守しましょう。
植物アレルギーのリスクを把握しておく
ボタニカル製品を使用するにあたって、植物アレルギーのリスクも把握しておきましょう。天然由来だからといって、すべての人に安全というわけではありません。
植物アレルギーがある場合、ボタニカル化粧品の使用前には必ず成分表示を確認し、自分のアレルギー体質と照らし合わせましょう。はじめて使用する製品は、腕の内側など目立たない部分でパッチテストを行うことをおすすめします。
アレルギーの心配がある人は、使用前に病院で相談するのも一案です。
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