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2024.12.25

会議も交渉もスムーズに!「根回し」の基本から実践テクニックまで解説

「根回し」とは、関係者間で非公式に調整を行い、合意形成の土台を築く行為を表します。特に会議の場などでは、潜在的な反対意見を排除する重要な役割を果たすでしょう。この記事では、「根回し」の意味やビジネスでの活用法を紹介します。

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「根回し」という言葉を耳にしたとき、どのようなイメージを持ちますか? 多くの人が「事前準備」や「下調べ」といった漠然とした印象を抱くかもしれません。しかし、「根回し」はただの準備ではなく、日本特有のビジネス文化を象徴するような行為のことを指します。

この記事では、根回しの意味や語源からビジネスにおける効果的な活用法まで解説していきます。

「根回し」とは何か?

まずは、「根回し」の意味や成り立ちに焦点を当てて説明していきます。

根回しをする

(c) Adobe Stock

「根回し」の基本的な意味と役割

まずは「根回し」の意味を辞書で確認しましょう。

ね‐まわし〔‐まはし〕【根回し】
[名](スル)
1 樹木などの移植の1、2年前に、広がった根を根もとを中心に残して切り、細根の発生を促すこと。
2 交渉や会議などで、事をうまく運ぶために、あらかじめ手を打っておくこと。下工作。「しかるべき部署に―する」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

特にビジネスシーンで使われる「根回し」は、関係者間で非公式に調整を行い、合意形成の土台を築く行為を指します。

組織内の調和や円滑な意思決定を可能にするため、事前に関係者の意向を確認し、潜在的な反対意見を排除する重要な役割を果たすでしょう。

「根回し」の語源とは?|農業からビジネスへ受け継がれた知恵

「根回し」の語源は、植樹を行う際の準備作業に由来します。植える前に木の根を整え、成長を妨げる障害を取り除くことで、木が順調に育つ環境を作る行為のことです。

この「目に見えない下準備」が、ビジネスシーンでも応用され、言葉として使われるようになりました。

根回しが行われるのはどんなとき?

「根回し」が行われるタイミングは、一つではありません。目的や状況に応じて、3つの異なるタイミングで活用されます。それぞれのタイミングと具体例、意義について解説していきましょう。

話し合い

(c) Adobe Stock

争点が公になる以前に行われる場合

争点が明確化されていない段階で行われる「根回し」は、反対派の行動を抑えたり、中間派を味方に引き入れるために極めて有効です。

例えば、ある新しいプロジェクトを提案する場合、反対意見が表面化する前に関係者の懸念を把握し、事前に妥協案を提示することで、反対派の対応準備を封じ込めることができるでしょう。

この段階での「根回し」は迅速さが勝負。正式な決定がスムーズに進むよう、事前に多数派を形成するための重要な手段となります。

対立が明確になってから行われる場合

一方、対立が明確になった段階で行う「根回し」は、公式の場での解決が困難な問題に対して、本音ベースの議論を行う場を作ることが目的となります。この場合の根回しは、公式な会議では言いにくい内容や利害の衝突が非公式の場であるからこそ、解消しやすくなる面があるでしょう。

例えば、複数の部署間で予算配分をめぐる対立が起きた場合、会議の外で非公式に折衝を行い、互いの妥協点を探ることで合意形成が可能になりますね。

交渉・会議がいったん決裂にしてから行われる場合

交渉や会議が一度決裂した後に行われる「根回し」は、事態の収拾を図る最後の手段として機能します。こうした状況では、公式な会議が開けない場合も多いため、非公式に相手の意向を探りながら、妥協の可能性を模索することが求められるでしょう。

例えば、取引先との契約交渉が行き詰まった場合、関係者間で個別に話し合いを重ねることで、合意の糸口を見つけるケースが挙げられます。

「根回し」を成功させるための極意|実践的なアプローチ

「根回し」をただ漫然と行うだけでは、大きな成果は期待できません。効果的に活用するためには、戦略的かつ丁寧なアプローチが必要です。ここでは、成功を引き寄せるための具体的な方法を解説します。「聞き方」「場の選び方」「タイミング」といった要素に焦点を当て、実践的なヒントをお届けします。

「根回し」を成功させるための極意|実践的なアプローチ
  1. 聞き上手になることが第一歩
  2. 「場」を選ぶセンスを磨く
  3. 「タイミング」を見極める技術

聞き上手になることが第一歩

「根回し」の成否を分ける最大の要因は、関係者の意見や感情をどれだけ的確に引き出し、理解できるかです。そのためには単に話を聞くだけではなく、「相手が話しやすい雰囲気を作る」「共感の姿勢を示す」ことが重要です。

例えば、あるプロジェクトで不満を抱えるメンバーがいた場合、まずは相手の意見に耳を傾け、その背景や感情をしっかり受け止めることから始めます。特に反対意見や疑念に対しては、「それは重要なポイントですね」といった共感の言葉を使うことで、相手は自分の意見が尊重されていると感じ、話しやすくなるでしょう。

さらに、聞き取った内容を具体的な対応策に反映することで、信頼関係が深まります。こうしたプロセスを丁寧に行うことが、「根回し」の効果を最大化するポイントです。

きく

(c) Adobe Stock

「場」を選ぶセンスを磨く

「根回し」は、どのような場所で行うかも大切です。フォーマルな会議室での話し合いよりも、リラックスした雰囲気の中で行うほうが、相手も本音を話しやすくなることが多いでしょう。

例えば、ランチやコーヒーブレイクの場を活用するのは有効な方法です。また、1対1で話す場合は、相手がリラックスできるカジュアルな環境を選ぶことがポイントです。相手の性格や好みに応じて適切な場を選びたいですね。特に、公式な場では慎重な態度を取る人が多いため、非公式な場を活用することで、より多くの情報を引き出すことができるでしょう。

「タイミング」を見極める技術

「根回し」を成功させるためには、タイミングの見極めが欠かせません。早すぎる「根回し」は状況が変わるリスクを伴い、無駄な労力となる可能性があります。一方で、遅すぎる「根回し」は、すでに反対意見が固まってしまい、調整が難しくなる場合があるでしょう。

適切なタイミングを掴むには、以下のポイントを押さえてみてください。

情報収集を怠らない
プロジェクトや交渉の進捗状況を常に把握し、状況が動く兆しを見逃さない

関係者のスケジュールを考慮する
相手が余裕を持って話せるタイミングを選ぶ。忙しい時期に根回しを試みても、十分な対話ができない可能性が高い。

機を見て行動する
例えば、新しい提案が浮上した直後や重要な意思決定が行われる前に行うことで、最も効果的な調整が可能になります。

最後に

「根回し」を適切に活用することで、組織内外の関係者との信頼を構築し、プロジェクトの成功を後押しします。この記事を通じて、「根回し」の本質に触れた読者の方々が、次のビジネスシーンでこのスキルを最大限に発揮できることを願っています。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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